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風魔21  作者: 大井 平和
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第6話 ダイヤモンドの家

天照大御神の化身であるキンバリーが不思議な力に目覚めます

 アジトを破壊された小太郎達風魔忍群は、拠点をコロラド州のゴーストタウンに移した。 キンバリーは親元へ帰した。別れ際、ヘレンとサリーが呼ばれた。


「ヘレンさん。あたし、おかしいのかな?」


ヘレンは


「お嬢様。どうかされたのですか?」


キンバリーがアジトが爆破された時のことを話す。


「あの時才九郎ちゃんがあたしを庇ってくれたのは覚えているの。だけどあの時、一瞬自分が自分でないような気がして・・・」


サリーが


「どういう事?」


と尋ねると、キンバリーが


「・・・何かあたしの身体から光が放たれて、才九郎ちゃんと一緒に岩の下敷きになってた筈なのに何故かあたしだけ無傷で、才九郎ちゃんだけが下敷きになって、あたしだけ助かってしまって・・・」


と泣きながら話す。ヘレンが


「お気になさらないで下さい。イエス様のおかげだと思います。」


とキンバリーを諭した。だが後でサリーと


「あれって間違いなく天照大御神の力だよね。」


「ああ。わかっている。彼女は傷つきやすいからああいうしかないんだ。」


と2人は話し、翌日に他のメンバーにも伝えた。皆で抜け殻の酒場で集まっていた所、ロボが


「・・・そうか。やっぱり天照大御神が転生したってのは本当らしいな。だが俺達にも知らねーのに何で白頭巾のヤロー共は知っていやがったんだ?」


ダグラスが


「いや、あいつらは知らなかっただろう。たまたま目に付いた女をさらっただけだ。何せ奴らの神はイエスだけだからな。日本の神なんて知らねーだろ?」


と分析する。話をしている間にテムジンがトイレに行く。すると、トイレの便器内からSRSCの司令が届く。テムジンが


「うわっ!どっから声出してんだよ!テメーは!小便止まっちまったじゃねーか!」


『・・・風魔忍軍に告ぐ!アーカンソー州のクレーター・オブ・ダイアモンド州立公園が何者かに占拠された。直ちに急行せよ!尚、ダイヤモンド鉱山は一般客も来場しているので決して気づかれない事。以上!』


「って汚ねーな!このっ!」


とテムジンが文句を言う。それを聞いたヘレンは目の色を変えて


「ダイヤ?行く行くー!」


と普段の落ち着きがないテンションで舞い上がる。一同白い目で


「・・・そういやこいつ、金遁の術の使い手だったな。」


「・・・銭ゲバ女め。」


「・・・銭爆弾投げてるくせに。」


と冷ややかな目で見る。ダグラスが


「・・・こいつ置いてくか。ミッションに関わる。」


と冗談を言い、ヘレンがサーベルを抜き


「・・・!何ですって?」


と普段の麗人に戻る。小太郎は


「・・・女って怖いよな。」


と性格がコロコロ変わるヘレンを不気味に思っていた。ダグラスが陣割りを決める。今回の先鋒は小太郎、ダグラスの2人。2陣目にロボ、サリー。最後にビリー、テムジン、ヘレン、モーゼスが投入されることとなった。サリーが


「何でこの順番なの?」


とダグラスに尋ねると


「・・・金に転ばねー奴から順番だろ。どーみても後攻の4人は後だ。ヘレンの他にギャングに海賊、山賊・・・金に目がねー奴らだからな。」


とひっそり話した。


 今回の任務に先立ち、CIAの特殊行動センター(SAC)から車両と全員分のバイクとバギーが支給された。近代忍者は車両も乗りこなすのが必須。だがサリーは機械音痴な為


「誰かの後ろか助手席がいい。その方が攻撃しやすいんだもん。」


と言って今回はロボのバギーに乗ることになった。


【2001年6月25日PM14時25分】ミッション開始


 先発隊の小太郎、ダグラスがアーカンソー州、クレーター・オブ・ダイアモンド州立公園東側到着。普段は一般客が賑わう公園だが、人の気配が無く何やら怪しい。2人で静かに歩いていると、そこにはダイヤモンドに閉じ込められた一般人が大勢いた。触ってみると確かにダイヤモンドだ。氷でも硝子でもない。そして奥の方にダイヤモンドで出来た家が建っている。小太郎は


「まさか相手も忍者か魔法使いか?」


と疑問を抱く。だがダグラスは


「必ずカラクリがある筈だ。ロボとサリーが来るまで謎を解こう。後攻の4人が来たら無意味に破壊しそうだからな。」


と話してると、足下にレーザーの結界が張られていた。触れるとトラップが待ち構えている。


(・・・はあ・・・何だ?この幼稚なトラップは?)


と呆れながら簡単に飛び越える2人


(風魔の体術舐めてんだろ?)


と網の目状のレーザートラップを軽く目にも止まらない速さで交わしていく小太郎とダグラス。ダイヤモンドに閉じ込められた人々にダグラスが懐から忍具を取り出す。


「風魔迷彩風呂敷。」


迷彩柄の風呂敷を通し、ダイヤモンドの正体が暴かれる。


「・・・こりゃダイヤじゃねー。発光鎧蟲の群れだ。」


【発光鎧蟲】


直径2ミリ程の発光体質を持った北アメリカに生息する昆虫で、群れを成すと鎧のように固くなる性質を持ち、ダイヤモンドの擬態に用いられる。


(金食い虫共の家来は結局虫けらかよ。)


と呆れるダグラスが風魔鉤爪でダイヤモンドを粉砕しようとすると、小太郎が


「まあまあ、そんなんめんどくせーから俺に任せろ。」


と倒立し、大蛇丸を横に倒した小太郎がプロペラのように回転する。


「風魔剣法・円刃竜巻!」


ダイヤモンドの擬態に化けていた発光鎧蟲の群れがバタバタと剥がれていき、閉じ込められた一般人は救出されたが、レーザートラップが邪魔で逃げられない。ここに第二陣のロボとサリーがひっそり到着していた。


【2001年6月25日PM16時53分】


ロボが解放された一般客にバレないようレーザートラップの影の1つに羽根手裏剣を結びつける。


「風魔忍法・影縫いの術。」


レーザートラップが糸の如くほどかれ、撤去された。


一般客を逃がした4人は、奥にあるダイヤモンドの家に向かう。小太郎が


「これも発光鎧蟲の群れか?」


と大蛇丸を取り出すと、ダグラスの迷彩風呂敷が反応しない。この家だけは本物のダイヤモンドで作られているようだ。小太郎が


「この家ぶっ壊したらやべーよなあ。」


とぼやくが、既にダグラスの姿が見えない。壁抜けの術と透明の術で突破しており、ダイヤモンドの家の天井に張り付いていた。中にいるのは葉巻を咥えた上流階級の男性や金満の中年男性達の周りを一般のギャル達が取り囲んでいた。小太郎達は


(狸共が!墓場にしてやんぞ!)


と思っていると、潜入に成功したダグラスが雪隠を投げ


「ギャルは一般人だ。殺すな。煙幕を投げたら中に入れ。サリーは外から閉じ込めろ。俺の真下にいるデブのおっさんに事情を聞いてからだ。」


と伝達する。そして、輝くダイヤモンドの家の中にダグラスが煙幕を投げたと同時に、小太郎とロボが中へ入り、外からサリーがヌンチャクを戸締器にして施錠しようとした瞬間、もう一人の影が潜入する。それは後攻で来る4人とは別の者であった。煙幕で真っ黒になった室内。小太郎が背後から十字苦無で一人の中年男性を脅す。


「おい。オメーらがこの公園を乗っ取った犯人か?」


すると中年男性は指を指し


「ち、違う!俺達はあの人にパーティーに招かれただけだ!」


と話すが、彼の内ポケットには札束が入っていた。小太郎が


「だったらその札束は何だ?」


と十字苦無を喉に突きつける。すると


「こ、この家の主に上げる金だ!た、助けてくれえ!」


と命乞いをするが、小太郎は容赦なく斬り捨てた。その中年男性が指さした先にはナルシストな青年がワイングラスを片手の持ち、椅子に座っていた。小太郎、ロボ、ダグラスがその青年の首に三方からそれぞれ大蛇丸、風魔戦斧トマホーク、風魔鉤爪を突きつけると、その青年は顔色1つ変えず


「何かね?この家は私が買い取ったのだが?」


と譲らない。証拠に懐から契約書も出して見せた青年だが、小太郎達は


「それは無効だ!この公園はみんなの者だ!」


と首を落とそうとするが、交わされる。この青年の正体はデビッド・クラウン。表向きは英国の投資家と偽っているが、本性はスパイとして小太郎達風魔忍軍にも知れ渡っている一級戦犯であった。





ヘレンは中世の騎士と男装の麗人がモデルです

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