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風魔21  作者: 大井 平和
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第4話 悲しみの先住民

七忍将が独自の忍法を披露していきます

【2001年5月31日午前8時23分】


 重傷の才九郎をCIAに預け、数日後小太郎達8人はオクラホマ州西側パン・ハンドルと呼ばれているエリアへ向かうと、そこに大勢の人々が血だらけになり倒れていた。彼らはこのオクラホマ州に住む先住民族達であった。まだ意識のある者にロボが尋ねると、


「・・・俺達の住んでいた村に、突然白頭巾を被った一団がやってきて村を占領された・・・息のある俺達は全員・・・その白頭巾の者達に引き摺られてここに投げ捨てられた・・・ここにいない村の者達は皆奴らに殺されたんだ・・・」


 彼はそう言い残し、泣きながら息を引き取った。別の種族だが、同じ先住民の生まれであるロボは怒りに燃えた。


「・・・あんたらの仇はぜってー取ってやる!」


残りの倒れている者達をダグラスに任せた。ダグラスは昔、傷病兵の治療をやっていたので応急処置をしてCIAに連絡する。そこでモーゼスがふと


「おい、ロボ。まあこれ飲んで落ち着けよ。」


と瓶に入ったバーボンをロボに渡し、飲ませた。するとロボはその場で眠ってしまった。中身は睡眠薬だった。ダグラスが


「俺達忍びが冷静さを欠いちゃいけねーからな。止むを得ねーだろ。」


と皆に話す。風魔忍軍とはそういう僅かなスキも許されないのである。


 ダグラスとロボは後から合流する事になり、他の6人で向かう事になった。


【2001年5月31日午前10時48分】ミッション開始


 ロボとダグラスを除いた小太郎達一行はオクラホマ州・パンハンドルのシマロン郡に到着した。才九郎が持っていた地図に書かれていたこの場所は、オクラホマ準州として先住民族の村がいくつもある。そこで小太郎達が見た者は、白頭巾を被った一団に占拠された村民達が両手を枷で後ろに回され、老人達はギロチン台に並ばされ、子供達は目隠しをされ弓矢や拳銃の的にされ、女達はテントの中で呻き声を上げていた。


 ここで6人は3手に分かれて救助を優先する。老人達は小太郎とテムジン、子供達はビリーとモーゼス、女達はサリーとヘレンが救助する。


【2001年5月31日午前11時02分】


 変化の術で老人に化けた小太郎、土遁の術で土中から片腕を出して白頭巾を一人倒し、装束を奪って化けるテムジン。1番先頭の老人が泣きながら裸足でギロチン台に乗る。そこでテムジンは


「この刃は刃こぼれしてますぜ。今取り替えますんで。」


と白頭巾数名を後ろに下げ、新しい刃と交換する。その隙に小太郎は、老人達の列最後尾に位置し、素早く手枷を苦無で斬っていく。列に並んでいる老人達にはそのまま繋がれたフリをしているよう促し、素知らぬ顔で列に紛れている。


 テムジンが刃を取り替えると、白頭巾達は不気味に笑いながら再び刑にかけようとする。最前列の老人にギロチンの刃が落とされた瞬間、老人は


「あれ?」


と首が切断されていない。テムジンが取り替えた刃はただの紙でふにゃりと曲がっていた。白頭巾達が


「お前!我が同胞ではな・・・・」


と言っている間にテムジンの二刀流で白頭巾達が頭巾を被ったまま次々と首を刎ねられていった。同時に小太郎が最後尾から鉤手裏剣を白頭巾達の喉笛に投げ刺していった。テムジンが


「俺が開発した忍具、白銀折り紙の原紙が役に立ったみてーだな。どーよ?小太郎ちゃんよお。」


とニヤリと笑う。老人達は小太郎とテムジンを怖がるが、小太郎が


「俺達は怪しいモンじゃないよ。それより、白頭巾の奴らのことを詳しく教えてくれ。俺達は奴らを成敗に来た。俺達の女神もここに捕らわれている筈なんだが?」


と老人達から事情を聞く。どうやら白頭巾の正体は、このアメリカ全土に巣くう白人至上主義者の集まりで、先住民族の他にも黒人やアジアの黄色達も標的になっており、彼らからしてみれば


「白人以外=虫けら」


と考えているらしい。そこに、先程テムジンが土遁の術で掘った穴の中からSRSCの声が響く。


『風魔忍軍に告ぐ!彼らネイティブを保護し、白頭巾の一団を殲滅せよ!』


小太郎は


「この白頭巾の奴らの正体は一体何者なんだ?」


と尋ねると、今度は小太郎の側にプレーリードッグが現れて、その口からSRSCの声で返答する。


『この世の中の白蟻みたいなものだ。良いな。一匹残らず殲滅せよ。被害者の事はCIAに手配済みだ。跡形も残すな!』


と司令が届く。


【2001年5月31日午前11時03分】


 ビリーとモーゼスは、台の上に手枷をされた子供達の頭の上に林檎を乗せ、射的のようにして遊んでいる白頭巾達を発見する。恐怖で皆小便を漏らしながら泣いている少年達。白装束の放つ弓矢や拳銃が下手で血を流し倒れている数名の少年達。白頭巾達を押しのけてビリーが


「あんたら見てらんないねえ。こーやって撃つんだ。」


と二丁拳銃を取り出し、少年達の頭上にある林檎を次々と撃ち落としていく。と同時に側にいた白頭巾達を次々と撃っていく。ビリーが時間を稼いでいる間に、大斧で少年達の乗った台の背後の地面を斬り裂き、その地割れの中に次々と少年達を落としていくモーゼス。地割れにはしっかりと網が敷かれており、残った少年達に怪我はない。モーゼスが


「すまねーな。しばらくここで我慢してくれ。俺達があいつら全員始末してくっからよ。」


とにっこり笑い、少年達の上に巨大な岩石で蓋をした。


「あいつらやっつけたらすぐ戻ってくるからな!待ってろよ。」


と言い残し去って行った。


【2001年5月31日午前11時06分】


 サリーとヘレンはテントの中や小屋の中で鳴き叫ぶ女性達の悲鳴を聞く。ヘレンはテントをサーベルで片っ端から真っ二つにする。中で白頭巾達が女性にレイプをしていた。短気なヘレンは白頭巾達をことごとく斬り裂いていく。その中にキンバリーはいなかったので、彼女らに尋ねると


「私たちの村の者ではない女の子がブラック・メサに連れて行かれた。」


と話す。サリーに


「サリー!ここはあんたに任せた!あたしはブラック・メサに行く!」


と託し去って行った。サリーは小屋の上で様子をうかがっていたが、ヘレンの大声でバレてしまった。


「もお!バレちゃったじゃないのよ!」


とヘレンにぼやくが、ライフルを持った白頭巾達にシルクハットを宙に投げ、中から大量のアナコンダを出して襲わせた。


「風魔魔法忍法大蛇時雨。しばらくそれで遊んでてね。」


と言い残し、小屋の屋根をぶち破って侵入する。小屋の中でも白頭巾達が女性達を裸にしていた。サリーは必殺の鎖鎌で白頭巾達の首を次々と狩り、裸にされた女性達にマントを投げる。


「風魔魔法忍法・分裂マント!」


とマントが女性達の人数分羽織られていった。


「ごめんね。そんな物しかないけど、今だけ我慢してね。あたし達が成敗して来るから。」


と言って去ろうとすると、一人の女性が


「あなた達何者なの?白頭巾の仲間じゃないわよね?」


と尋ねるが、サリーが微笑みながら


「あなた達と同じ普通の女の子よ。心配しないで隠れてなよ。」


と言って、畳んだ扇子から


「風魔魔法忍法・無人家車。」


とトレーラーハウスを出し、彼女らを中に入れ保護した。周囲はサリーが出したアナコンダに噛み付かれ、締め付けられている白頭巾達が全員殺されていた。


【2001年5月31日午後14時18分】


 バイクで単騎ブラック・メサに向かうヘレン。サリーから話しを聞き、追う風魔忍軍。再び白頭巾達がここに来ることを予想して、片付けはモーゼスに頼み、小太郎、ビリー、テムジン、サリーはヘレンを追いブラック・メサへ行く。


 同時刻、睡眠薬飲まされて眠っていたロボが目覚めた。アジトの周囲には既にCIAが大勢おり、調査に乗り出していた。ダグラスが


「落ち着いたか?キレんのは解るけどよ?お前はもう忍びなんだぜ?それにオメーの怒りは俺らの怒りよ。」


とロボをなだめる。この場をCIAに任せ、ジープにロボを乗せ郊外の喫茶店に連れて行く。店内に入るなり美人なウェイトレスが挨拶をしようと笑顔で迎えようとした時、会話途中で急に真顔になったウェイトレスの口からSRSCからの司令が下る。


「いらっしゃ・・・『風魔忍軍に告ぐ!白頭巾の本隊がパン・ハンドル最西端、ブラック・メサに潜伏。そこで一斉に殲滅せよ!』・・・いませ。こちらの席へどうぞ。」


ロボとダグラスが


「わあ!」


と驚き、ロボが完全に目覚めた。ダグラスが


(・・・何でもお見通しかよ・・・こんな可愛い声のウェイトレスが急にバリトンボイスになるんだもんなあ・・・マジでSRSCが敵じゃなくて良かったぜ。)


と思いながら店を出て、2人は遅れてジープでブラック・メサに向かう。


【2001年5月31日午後16時34分】


風魔忍軍の予想通りシマロン郡に白頭巾の一団の仲間達がやってくる。数にして100人弱と言ったところか。だが、このシマロン郡一帯にモーゼスが錨と鎖鉄球を張り巡らし結界を張っている。お構いなしに突っ込んでくる白頭巾の仲間達。すると、鎖に触れるなり、天井に吊されている巨大な錨と鎖鉄球が振り子のように白頭巾達に襲いかかってくる。


「風魔忍法・天秤殴打。オメーら。この中に入ると素顔を明かせないまま死んじまうぞ。明日の朝刊に不細工な面を晒す白頭巾①、禿げ頭を晒す白頭巾②なんて名前でな!」


と高笑いしながら白頭巾達を睨む。そして震える先住民達を下がらせ


「何なら結界の外で相手してやんよ。覚悟しろ!テメーら!」


と結界に煙幕を張り見えなくした。拳銃やライフルを持った白頭巾達が一斉に襲いかかるも、モーゼスの大斧にまとめて真っ二つにされていく。怯む白頭巾達と逃がす気のないモーゼス。逃げようとする白頭巾達にモーゼスはある粉を上空にばら撒き、目潰しにして残りの白頭巾達の首を大斧で刎ねていった。


「風魔忍法・咖哩潰し。冥途の土産に教えてやる。俺の先祖は海賊でカレーのスパイスに事欠かねーんだよ!」


そう言って白頭巾達の屍を巨大風呂敷で覆い、大斧で割った地面に埋め、死体確認をした後先住民達が泣きながら助けて貰った礼を言う。モーゼスは明るく


「別にいいって事よ。それより1つだけ頼みがあるんだ。俺達の存在は他言無用でな。」


と笑って返した。


一方その頃、単騎で向かったヘレンが遂にブラック・メサに辿り着く。



本来忍者は情報を得るスパイですが、この話しはバトル中心に書いています

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