第3話 ギャングの住む谷
これまでは小太郎1人での任務が多かった為、七忍将が初任務となります。
【2001年5月24日AM4時50分】ミッション開始
SRSCから連絡を受けた小太郎と七忍将は、モンタナ州ホワイトフィッシュ駅でギャング団がエンパイア・ビルダー(大陸横断列車。シアトル~シカゴ行き)のトレインジャックを決行し、人質を取ったままアムトラック貨物列車を停車する事無く東部へ走らせていると情報をキャッチした。小太郎と七忍将はその5駅先にあるモンタナ州シェルビー駅から待ち構え、列車と合流しようと画策する。
【2001年5月24日AM10時03分】
シェルビー駅を通過したアムトラック貨物列車の屋根に、小太郎とロボが飛び移り、左右をビリーとヘレンがバイクで並走。後方からダグラスとサリーが追尾し、モンタナ州の終着駅であるウルフ・ポイント駅にテムジンとモーゼスが待ち構えていた。ギャングが拠点にしているシカゴはおろか、先のノースダコタまで行かせない作戦だ。出来れば被害の少ないプレーリー(大平原)でケリをつけたいというのが本筋だ。
ギャング団のリーダー、フォンダは、このアムトラック貨物列車の荷台に大量の偽札と薬物を積んでいた。構成員は全部で35人。貨物列車内にはギャング達が逃走するバイクも積んであった。
屋根から最後尾に移った小太郎と、屋根に残ったロボ。小太郎は後部車両から一人ずつ十字苦無で首を搔ききりじっくり仕留めていった。複数に出くわした時には無理をせず、風呂敷を壁に掛けた「隠れ身の術」で凌ぎ、ゆっくりと後部車両から制圧した。屋根伝いからロボが確認し、3車両制したところでダグラスがサリーを後部から合流させる。小太郎は最後部車両に戻り、ダグラスとサリーが乗るジープに自在縄を投げ、サリーを列車へ同乗させる。サリーは得意の変装術で乗客に化け、小太郎が制した後部3車両から内部に侵入。斥候の役に就く。
止まらない貨物列車。乗客は作業員およそ100名程。プレーリーが見えてしばらく経ったその時、ビリーとヘレンが左右から列車を挟むように近づき、サリーは人質のいる車両に煙幕を投げる。パニックになった列車内に小太郎が超高速で走って行き、名刀・大蛇丸を車窓を豪快に斬り落とす。
「風魔闇灯斬!」
真っ二つに斬り裂かれた車窓からサリーが乗客をプレーリーに次々と放り投げ、シルクハットから飛び出た巨大な網で人質をキャッチし、後方のダグラスが救助する。
既に制圧した後部3車両をビリーが火遁の術で爆破し切り離した。残るはギャング団と運転手のみ。ビリーとヘレンはバイクでウィリーしながらがらんどうの切り裂かれたエンパイア・ビルダーの車両に乗る。前方車両に残りのギャング団がいる。
ダグラスの報告では乗客は先程サリーが放り投げたので全員だそうだ。あとは列車を止めるのみ。ビリーがガンベルトから弾込めをしている間にヘレンがサーベルでギャング団を次々と血祭りに上げていく。
「ったく血の気の多いねーちゃんだなあ・・・」
とビリーは呆れかえりつつ、背後から2丁拳銃をギャング団にお見舞いし、援護する。後方からの制圧をビリーとヘレンに任せ、小太郎はロボのいる屋根に移る。運転手を救助するためだ。だが、屋根にいたロボは、同じく列車の屋根に上がってきた構成員に手を焼いていた。
「おい、小太郎。こっちは取り込み中だ。」
屋根にはピストルを持った構成員が5人ロボと格闘していた。列車が揺れるため照準が定まっておらず、ロボに対して弾丸が空を斬る。小太郎が
「そんなん列車から落とせばいいだろ。」
とロボを促すが
「万が一生存してたらどーする?風魔は一見必殺だぞ!」
と譲らない。小太郎が
「なら確実に落とし殺そう。」
と涼しい顔で言い放つ。構成員達が
「舐めんじゃねー!オメーらが落ちろ!」
とピストルを乱射するのを見計らい、小太郎とロボは、構成員が互いに向かい合うのを狙って2人揃って高く跳んだ。向かい合った構成員達が互いに弾丸を受け、止めに小太郎とロボが2人で手裏剣を5人の喉笛と両眼に投げ刺した。
「風魔鉤手裏剣!」
「風魔羽根手裏剣!」
ロボの羽根手裏剣が両眼を、小太郎の鉤手裏剣が喉笛を確実に仕留めた。2人はそのまま運転車両に進もうとするが、下から再び弾丸が飛んできた。ロボが
「おい!まだ片付いてねーのか?」
と車両で戦っているビリー、ヘレン、サリーに叫ぶ。するとヘレンが
「ダメよ!前の車両にはクスリが積まれている!燃やされたらこっちが損害払わされるわ!」
と車両ごと封鎖されている様子。そこに、一羽のコンドルが現れて、ロボの腕に止まる。するとコンドルの嘴からSRSCの声で司令が届く。
『風魔忍軍に告ぐ!ドラッグを積んだ車両を切り離し、前の車両に移動せよ!』
連結部はしっかり繋がれており銃火器も使えないが、ジープに乗ったダグラスが追いつき
「誰か運転代われ!俺がやる。」
と言って列車内のビリーと入れ替わりでジャンプし、ビリーにジープを任せると、背中にに背負っていた
「風魔大鋸刀!」
と呼ばれる巨大な超高速チェーンソーで一気に連結部を切断し、横転した薬物車両をジープに移ったビリーに預ける。中に見張りをしていた2人が横たわるが、ビリーが脳天にそれぞれリボルバーを食らわし息の根を止める。風魔の仕事は一見必殺が鉄則なので、怪我をしようが命乞いをしようが悪に天誅を下す定めである。
【2001年5月24日PM16時04分】
残るは30名程度か。この先は大きな谷と鉄橋がある。その谷はギャング団の中継地でありアジトの一つがある。ギャング団の仲間達がその谷にごっそり潜んでいる。その谷に逃げ込もうとする奴らだが、その前に待ち伏せしていたモーゼスとテムジンが線路の上に立っている。列車は止まる気配もないが、モーゼスとテムジンはその谷に繋がる線路に切れ込みを入れており、途中で列車がガタガタと揺れながら減速していく。
「おい!ここまで来んのに随分歩かされたぞ!」
とテムジンがキレる。そしてモーゼスが
「ギャングの住む谷ならもう俺達2人が成敗したぞ。残るはオメーらだけだ!」
と逃げ道を滅ぼしてきたようだ。ギャング団のボス、フォンダが
「馬鹿か?あそこには2000人もいるんだぞ!嘘ついたって無駄だ!」
と笑いながらも冷や汗を搔きながら話すが、テムジンが
「こいつらの事か?」
と生首を10個フォンダに向かって放り投げる。その生首はギャング団のボス達の首だった。列車がモーゼスとテムジンにぶつかりそうになった瞬間2人は列車に飛び乗り運転席から気絶していた運転手を放り投げ、小太郎の風呂敷をクッション代わりにプレーリーに静かに落ちていった。
「真打ち登場!って訳だな。」
とモーゼスがフォンダに一騎打ちを仕掛ける。残りは小太郎と他の七忍将が始末する。小太郎、ロボ、サリーが残りのギャング団を毒を塗った吹き矢で次々と倒していく。列車の中でバタバタと倒れていき、残るはフォンダたった一人となった。モーゼスは
「あの陽が暮れたらゴングといこうや!」
とフォンダを挑発する。多勢に無勢の状況でフォンダは列車から飛び降りようとするが、小太郎達が逃げ道を完全に封鎖していた。するとSRSCが今度は車内アナウンスで
『風魔忍軍に告ぐ!もうすぐ18時だ!そこがファイナルラウンドだ!速やかに始末せよ!』
と司令を送る。フォンダが
「何者だ?こいつ。」
と不思議がるも、ロボが
「俺達にもよく解らねー。よーするにテメーは18時以降に死ぬって事ははっきりしてんぞ!」
と脅す。するとモーゼスが
「風魔棘鉄球!」
と、フォンダの左手に棘付きのの鎖鉄球を巻き付け、逃げられないようにした。そして列車の屋根の上にフォンダを鎖を振り回し放り投げ移動する。フォンダの右手にはリボルバー、腰にナイフ。対してモーゼスは右手に風魔大斧を持つ。どう考えても飛び道具を持つフォンダが有利なのだが・・・
【2001年5月24日PM18時24分】
フォンダはリボルバーを撃つ。が、モーゼスは無表情のまま簡単に交わしていく。最後の弾丸が尽きたその時、モーゼスの風魔大斧がフォンダの胴を真っ二つにした。
「風魔大斧一閃!」
フォンダの上半身と下半身がそれぞれ列車の左右に落ち、上半身にロボが吹き矢を放ち絶命する。
そして貨物列車はガタガタとゆっくり揺られ、テムジンとモーゼスが切り離したギャングの住む谷に架かる鉄橋へ落ちていき、小太郎と風魔七忍将は寸前で列車から飛び降りた。
【2001年5月24日PM21時00分】 ミッション完了
小太郎達がロッキーのアジトへ戻ると、キンバリーと才九郎がいない。洞窟内のアジトは何者かの手により爆破され、もぬけの殻となっていた。アジトの壁に血文字でこう記されていた。
「女を返して欲しくばパンハンドルに来い!」
爆破された岩の隙間に才九郎が血まみれで挟まっている。手には小太郎が護身用にと渡した苦無と地図が握られていた。瀕死の才九郎が言うには、犯人は白い頭巾を被った連中だと話し、気絶してしまった。小太郎は
「これは俺達風魔への挑戦状って事でいいんだよな?」
と才九郎を抱きかかえながら仲間に話す。この事件はこれから始まる風魔忍軍の戦いの序章に過ぎなかった。怒りに燃える小太郎と風魔七忍将はオクラホマ州へ向かった。
忍法は創作のもので、且つ世界忍者ということで、オリジナリティある忍法が今後も出てきます




