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風魔21  作者: 大井 平和
22/24

第22話 山脈の中にいる八犬士

今回の敵は日本人です

【2001年8月30日PM12時25分】


 ヴァージン諸島での戦闘から半月が経った。風魔忍軍はアジトのあるアパラチア山脈で休息していた。


 あの魔法使いとの戦闘で落ち込んでいたサリーに、ダグラスが


「ほらよ。」


とサファイアを手渡す。サリーは


「いらないって言ったでしょ。」


と返そうとするが、ヘレンに


「ダグラスからじゃないわ。3ヶ月前の列車強盗の一件であんたに救助された人質からよ。いいから受け取りなさいよ。」


とにっこり笑ってサリーの手に収める。サリーは


「あたしのやってることは間違ってなかったんだよね。」


と風魔忍軍に話すと


「当たりめーだろ。これからも頼むぜ!世界唯一の魔法忍者さんよ!」


と小太郎が励ます。そのモンタナサファイアを大事にしまうサリー。


「よし。一段落したところで飯にするか。」


とロボが新聞紙を丸めて作ったメガホンで全員を呼ぼうとした所で、ロボが口に当てていたメガホンからSRSCの指令が届く。


「おーい!オメーら!飯・・・『風魔忍軍に告ぐ!カリフォルニア州北部のシャスタ山にて、謎の城郭のような建物が夜に出没するとの知らせあり!その城下に巣くう山賊達も含めて始末せよ!』


その間ロボが


「手!手が動かねー」


と叫ぶ。これを見たサリーとヘレンは


「これで被害者になってないのは小太郎とダグラスだけね。」


と白い目で見る。ロボが


「おい!こいつらと同じになったってのか?俺は変態じゃねーぞ!」


と弁解するが


「・・・あんたいっつも裸足じゃない。」


とサリーが冷たい目で見る。ダグラスが


「とにかく行くぞ。今回は車両が使える。」


と仕切り直す。


「今回はヘリなしかよ?」


とモーゼスがぼやくと小太郎が


「あれは海超える時しか使っちゃいけねーの!」


と説明する。


昼食を急いで摂った後、風魔忍軍はこのアメリカ南東部から北西部へ大きく横断する。


【2001年9月2日PM12時45分】


 丸3日かかってようやくシャスタ山に辿り着いた風魔忍軍だが、早くも敵が現れた。森の中に住む山賊達に銃で狙われた風魔忍軍はひょいひょい交わしながら


「くそっ!休む間もなしか!」


と文句を言う。森の中から8人の男達が現れる。


「ここは俺達の縄張りだ!」


と威嚇射撃すると、風魔忍軍が避けた崖の向こう側に光る物が顔を出す。テムジンが


「・・・これ、黄金じゃねーか!」


と驚くと、山賊達は


「それはこの国に残された最後の金鉱だ!そいつは渡さねー!俺達の物だ!」


と脅すが、ロボに


「俺達はオメーらも始末しろって言われてここに来たんだ。相手になんぞ。」


と言い返す。山賊達が


「ほおっ。オメーらも8人か?俺達も8人だ。ここはタイマンといこーじゃねーか!俺達は南総八犬士。オメーらは?」


と尋ねると、小太郎が


「俺達は風魔忍軍。こいつらは風魔七忍将。オメーらは日本人か?」


山賊が


「如何にも。俺達の親方様は里見ファイナンスの・・・」


と説明しようとするが、何処からともなく矢が飛んできた。その矢文には


「他言無用」


と記されていた。ビリーが


「どーでもいいからさっさと始めよーぜ!最初は俺だ。かかってこい。」


と前に出ると、同じガンマンが前に出る。


「俺は仁の星・シェパ-ドの親兵衛。貴様に俺のハジキが止められ・・・


と言っている間にビリーが銃を持った手に蹴りを入れ、銃を地面に左足で踏みつけると同時に、三角締めでマウントを取り、親兵衛の口の中にリボルバーで前歯を折りながら突っ込み


「3秒経ったら撃つ!」


とカウントを取っていると、親兵衛がもがいている間に他の7人は山林に身を隠す。


「話が違うじゃねーか!」


とビリーが叫ぶと


「俺達はこの山の中からお前らを襲撃することにした。そいつは好きにするがいい。」


と親兵衛を見捨てる。ビリーは


「こいつ、どーする?」


と尋ねるが、ヘレンが即答


「我らは一見必殺だ!殺せ。」


とあっさりビリーに話すと、親兵衛は口の中に弾丸を撃たれて絶命した。


「・・・それにしても汚ねーなあいつら。テメーらでルール作って破るかよ?」


と呆れるビリー。ダグラスが


「ここからは固まって行くぞ。長蛇の陣だ。どうせ俺達狙ってくんだし、こっちも始末しなきゃいけねーからな。」


と言って八方陣を一列に組み山を登り始める。


【2001年8月30日PM14時08分】


 先程の戦闘から1時間経ち、長蛇の陣を組みロボ、ダグラス、ビリー、モーゼス、左右にヘレン、テムジン、小太郎、サリ-の順で登っていくと、滝のある木陰から無数の銛が投げつけられる。


「何者だ!」


とモーゼスが叫ぶと


「俺の名は信の星・ポインターの現八。そこの滝で待ってる。」


と言い残し去って行くが、一同


「いちいち相手にすんな。めんどくせー。先急ぐぞ。」


と遠くにある滝を通らず先に進もうとすると、


「おい!俺の名は信の星・ポインターの現八。そこの滝で・・・


と話している最中に


「うるせーよ。これで遊んでろ。風魔忍法・鯉の滝登り。」


とモーゼスが滝の方へ鷲掴みにした小石を大量に滝に向かって投げ、その石が大きな口を開けた鯉に変化し現八に襲いかかる。すると、現八が滝から落ちてきた所を


「風魔忍法・地引き網。」


と現八を網に捕まえて目の前まで引き摺る。現八が


「テメーら!俺を無視してんじゃ・・・


と怒りながら銛を持って襲いかかってくるが、モーゼスが現八の銛を持った右手を掴み、右足を踏んづけながら現八の首に向かって


「だからこーやって相手にしてやってんじゃねーか。ありがたく思え。風魔忍法・錨ギロチン。弱すぎんぞオメー。」


と錨で首を切断する。現八の胴体は2、3歩後退した後その場で倒れ、落とされた首は山の下に転げ落ちていった。


【2001年8月30日PM15時55分】


 シャスタ山を登ることもうすぐ3時間程、未だに他の6人は見当たらない。ロボが


「先に城を見つける方を優先すんぞ。夜になると見つけづらくなる。」


と山頂を目指していると、巨大な足が風魔忍軍達を踏みつけようとする。山の中から


「俺は悌の星・ブルドッグの小文吾。さっきは弟達が世話になったな。貴様等はこの山の土となれ!」


と巨大な足で踏みつけようとする。上を見上げると、小文吾も巨大な身体が影を落とす。だが、巨人となった小文吾とは別方向にテムジンが


「風魔忍法・影縫いの術。おい!こんな幻術に引っかかると思ってんのか?デブ!」


と影糸で何かを縛り付けると、その先に小文吾の本体が現れ


「ふんがっ!」


と影糸をを力で引きちぎる小文吾だったが、テムジンに


「誰がデブだ?」


とキレ出す。テムジンが


「オメーだろ。デブ。ほっぺた垂れ下がってるしよ。マジでブルドッグみてーなツラしてやがんな?ほら、来いよ。俺が相手してやる。」


と挑発すると、小文吾が今度は巨大な手を伸ばし、テムジンの首を掴む。


「南総奥義・延伸大腕!どーした?息が出来まい!」


と小文吾がテムジンに喉輪をかましていたが、その首はテムジンの物ではなかった。テムジンはとっくに「変わり身の術」で近くの細い木と入れ替わっていた。それに気付いた小文吾は


「・・・これは!すると本物は何処・・・?


と言っている最中にテムジンが背後に回っており、小文吾の肩に指でチョンチョンと叩く。振り向く小文吾の脳天を


「風魔剣法・唐竹割り」


と青竜刀で真っ二つにする。


「あがっ!かっかっかっ・・・」


何も言えなくなった小文吾にテムジンは


「弟置き去りにしたオメーが悪い。」


と青龍刀を小文吾の頭部から引っこ抜く。血まみれになった小文吾を背に風魔忍軍は山を登る。


八犬伝の人物は触りだけモデルにしました

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