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風魔21  作者: 大井 平和
21/24

第21話 実在した魔法使い

サリーが遂に本領発揮します

 【2001年8月14日PM19時25分】 


 結局雑魚を相手にさせられていたサリーは


「ずっと小者ばっか相手させられたんだから、あたしにやらせてよね!ダグラス!帰ったらサファイアの指輪買いに行くわよ!」


と催促すると


「わかってるよ。とっとと片付けろよ!どーせ小者しか集めらんねーインチキ野郎なんだからよ!」


と煽ると、焚鬼恩が天に指を振りかざし


「邪琉魔法・暗雲招来!」


と空を暗黒に包み、更に地面に指をかざし


「邪琉魔法・泥沼変化!」


と地面を泥池と化す。ロボが術を解こうするが


「これはあいつの戦いだ。手え出すな。」


と制止、ダグラスも


「あとで文句言われんの俺だからよ。」


と静観する。そしてようやくサリーが本気を出す。


「・・・これで全部?それならあたしが出すわよ!」


「風魔魔法忍法奥義・蜘蛛地獄!」


と両手を大きく広げ、指先から蜘蛛の糸を出す。だが、焚鬼恩が頭上から


「邪琉魔法・稲妻降臨!」


「邪琉魔法・渦中竜巻!」


「邪琉魔法・剣山豪雨!」


とお構いなしに無差別に雷と針の雨を落とし、竜巻を撒き散らす焚鬼恩。


「やっぱ全部テメーの仕業か!」


と呆れた風魔忍軍達。焚鬼恩は


「ふははははは!魔法使いは我1人で十分なのだ!貴様等下僕は我の下に跪くがいい!」


と吐き捨てると


「・・・まさかこんなんで魔法って言えるのか?」


「・・・俺達でも出来るわ。こんなモン。」


と呆れている風魔忍軍達。そしてサリーに


「さっさと片付けろ!こんなもん俺なら1分で終わるわ!」


とダグラスが叫ぶと、ロボが


「俺なら10秒だな。」


と言い、小太郎が


「俺なら5秒で釣り来るな。」


とぼやく。サリーが


「うるさいわね!あんた達!こっちは12人の馬鹿相手にさせられてイライラしてんのよ!」


とキレ出す。モーゼスが


「生理か?お嬢ちゃん。」


と茶化すと


「あんたねえ。後で覚えてらっしゃい!こいつはじっくり痛めつけてやる!」


と更に怒り出す。焚鬼恩が


「貴様等!さっきから我を無視するなあ!」


と再び雷と針の雨を落とし、竜巻を撒き散らし、サリーが放った蜘蛛の糸をちぎろうとするが、全くビクともしない。むしろ吸収し、跳ね返している。そしてサリーが次の術を繰り出す。


「風魔魔法忍法・泥田坊!」


と焚鬼恩が作り出した泥沼から泥人形が無数に飛び出し、焚鬼恩を押さえつけ、泥沼に引きずり込もうとする。そこで焚鬼恩が


「徐!」


と叫ぶと、泥沼が消え泥人形も消滅するが、サリーが間髪入れずに


「風魔忍法・蟻地獄の術!」


と再び地面に焚鬼恩を引きずり込もうとする。


「邪琉魔法・キノコ雲の術!」


と言い放ち、蟻地獄を爆発させ、脱出しようとする焚鬼恩だったが、サリーの蜘蛛糸が邪魔をして上へ上がれない。サリーが


「そんなに上がりたいならその脚斬っちゃえばあ?」


「出来ないならあたしがやってあげるわ。風魔魔法忍法・三日月飛去来器!」


「風魔魔法忍法・三日月大切断!」


と先程の三日月ブーメランで焚鬼恩の両脚を切断する。そしてサリーに


「あんたお寺でヘロイン燃やしてたよね?あれは何処で手に入れたのよ?」


と質問すると、焚鬼恩が


「お!俺を殺すとバミューダ・カルテ・・・ぐああ!」


と蜘蛛糸に捕まり、締め付けられている。ダグラスがサリーに


「ちょっと待て!オメー今、バミューダ・カルテル・シンジゲートって言おうとしてたよな?」


と尋ねると、焚鬼恩が悲鳴を浴びながら


「お!お前ら!魔法使いの我に意見すると・・・」


と言っている間にもサリーの蜘蛛糸がぐいぐい縛っていく。


「ほら!早く言いなさいよ!」


とサリーに問い詰められた焚鬼恩が最後のあがきに含み針を口から吐き出すが、サリーの鎖鎌に弾き返される。


「・・・こいつもう喋れないわよ?やっちゃっていいでしょ?」


とダグラスと小太郎に尋ね、了承を得ると


「んー!んー!むーん!」


と泣き出す焚鬼恩。そしてサリーの三つ編みに編んだ髪の先端に付いている大きな針を焚鬼恩の喉に思い切り突き刺す。


「風魔魔法忍法・頭髪蛇鞭輪!」


とまるで生き物の様に動く三つ編みに付いた針を焚鬼恩の喉から引っこ抜いた。


【2001年8月14日PM21時00分】ミッション完了


サリーは何か腑に落ちない表情をしている。ダグラスが途中で止めた分だけ時間をロスした。


「もっと早く仕留められたのに!」


と怒るサリーだったが、ダグラスが


「帰ったらサファイアの指輪買ってやるからよ。」


と諭すも


「いらない!」


と返されてしまう。ダグラスが


「ほんとにいいのか?」


と尋ねるが、サリーは


「いらないって言ってるでしょ!」


と完全に怒っていた。


 何故ダグラスが止めたかと言うと、2週間前のジャングルでの死闘後、残党ゲリラのボスであったアダムスも 


BCSバミューダ・カルテル・シンジゲート


の存在をほのめかしていたからである。バミューダ諸島での海賊ロジャー船長も同様の事を話しかけて絶命した。また、その前のシカゴの高層ビルにいたマスクド・ファザーを匿おうとしたヘリコプターにも表記されていた。ダグラスだけでなく、小太郎やロボもダグラスと同じ事を思っていた。テムジンが


「もしかして俺らの本当の敵って全部BCSバミューダ・カルテル・シンジゲートが絡んでんじゃねーのか?」


ということに気付く。小太郎が


「もしかしてその前のハイウェイの暴走族達も、更にその前の白頭巾のギャング達もか?」


と疑問を抱く。そして


「・・・待てよ?最初にキンバリーを助けて、才九郎と出会ったあの島もか?そういえばBCSのエンブレムを付けた連中がいたような・・・勘違いか・・・?」


と考え込む。


【2001年8月14日PM23時58分】


 もう夜中になっていた。特殊行動センター(SAC)のヘリコプターが迎えにやって来て風魔忍軍はセント・クロイ島をあとにする帰りの機内でその旨を風魔忍軍及びヘリのパイロットに話すが、パイロットは


「俺はお前らを迎えに行くように命令されただけだ。」


と何も知らない様子だったが、ビリーが


「シカゴの戦闘中にくすねたデータのバックアップがある。PCさえあれば調べられるんだが・・・」


と話すが、風魔忍軍は全員PCを持っていない。するとテムジンが


「帰ったら俺が作ってやるよ。だからそれまで待ってろ。」


と提案すると、ヘリの無線からSRSCから伝令が届く。


『風魔忍軍に告ぐ!BCSバミューダ・カルテル・シンジゲートについてはこちらで調査中だ!余計な詮索はするな!だが、諸君等の推測は概ね合っている!こちらの指示が行くまで待機せよ!』


と指示が飛ぶ。テムジンは


「あーあ。作ってみたかっ・・・うわあ!」


とテムジンがかじっていたビーフジャーキーの袋から再びSRSCが


『余計な詮索はするな!以上!』


と釘を刺される。ビリーが


BCSバミューダ・カルテル・シンジゲートもだけどよ、SRSCって一体何者な・・・痛てててててて!」


と今度はビリーの鼻の穴から三度SRSCが


『余計な詮索はするな!』


と注意される。ヘレンがモーゼスやテムジンを見ながら


「この変態トリオが!あんた達風魔の変態三羽鴉ね!」


と軽蔑の目で見られる3人が


「だから不本意なんだよ!」


と弁解する。


 一方激戦を終えたサリーが遠い月を見ている。ダグラスが


「どーした?サファイアの指輪が惜しかったのか?」


と尋ねると


「ううん。違うの。あたしあんな連中と同じ事やってたなんて、あたしもあいつらと同じクズなんかなあって思って・・・」


小太郎は


「あいつら倒したんだし、お前は正義の魔法使い、今は魔法忍者だよ。先代がお前を育てたんだ。だから実在の夢見る魔法使いはお前だけって事になるんじゃねーか?お前はちっとも間違ってねーよ。これまでもそうだったろ?」


と慰めると


「そーだよね。でも、あたしも普通の女の子になりたかったなあ。」


と涙を流す。小太郎は


「それが既に普通の女の子だよ。」


と泣いているサリーを抱き締めた。忍びといっても魔法使いといっても人間なのであった。


登場人物で書いたサリーの魔法忍法を大体出しましたが、これからも新しい魔法忍法を書いていくつもりです。また、サリーは幻術使いでもあります

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