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風魔21  作者: 大井 平和
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第17話 ジャングルに閉じ込めろ

今回はアメリカ国外での戦闘です

【2001年8月1日AM9時32分】


 あのシカゴでの連戦から1ヶ月の月日が流れた風魔忍軍は、拠点をアパラチア山脈南部のジョージア州に移り住んだ。風魔忍軍にとって山は欠かせないのである。修行の場としても、隠れる場所が多いことも起因している。 テムジンとダグラスが家を建て、モーゼスはサバンナ川で魚を捕り、ロボとサリーは農園を作り、ビリーとヘレンは狩りを行う。小太郎はいつも留守番を任される代わりに料理を振る舞う。いつもと変わらない戦闘モードではないのどかな風魔忍軍の日常の姿である。


「小太郎。酒も造ってくれよ。」


とビリーやテムジン、モーゼスに催促される小太郎だが


「それ密造酒になるだろ。欲しけりゃ自分で買ってこい。」


と断る小太郎。


「ちっ!しょーがねー。買ってくるか。」


とビリーがバイクのエンジンをかけた所、マフラーの中からSRSCの指令が届く。


『バオーン!・・・風魔忍軍に告ぐ!アメリカ大陸を繋ぐパナマのダリエン地峡にて、アメリカ軍を裏切りゲリラと化した兵隊が、隣国コロンビアのマフィアと麻薬取引を行っていると情報が入った。全員直ちに急行せよ!尚、現地までの移動は特殊行動センター(SAC)が派遣するヘリコプターがそちらへ向かっている。到着次第乗り込め!』


「ちっきしょー。その前に酒飲ませろや。」


とビリーがぼやく。モーゼスは


(良かったあ。俺の身体から出なくて・・・)


とホッとする。


ダリエン地峡とは、アフリカからの移民がアメリカへ移住する為に利用する死のジャングルとして有名である。更に治安が悪い。敵はゲリラ部隊の他にも現地のマフィアや麻薬カルテル、コロンビア革命軍等複数の組織を相手にするだろうと小太郎と七忍将は腹をくくっていた。せっかくSACから支給された車両も使えず、持久戦になるだろう。リーダーのロボが


「俺達現代の風魔の真価が問われるミッションだ。へばったら先代や歴代に笑われると思えよ。俺らが現代社会に飲まれて衰退してるって事になるんだからな。進化した俺達風魔の力を見せる時だ。何ならジャングルごと破壊するつもりでやろーぜ。」


と一同を締める。


【2001年8月1日AM11時46分】


 SACのヘリが小太郎達の住むアパラチア山脈南部に到着。操縦席から


「ダリエン地峡上空に着いたらそこから飛び降りろ。」


と指示される風魔忍軍。だが、パラシュートは目立つので使えない。小太郎が


「なるべく低空まで降りてくれ。木に飛び移って何とかする。」


と注文をすると


「一番高い木の上が目印だ。そこまでなら降りてやる。」


と承諾を受ける。常人なら必ず迂回しなければ危険なダリエン地峡では、CIAのパイロットでも限界なのだ。


【2001年8月1日PMM13時58分】ミッション開始


「あの木だ!全員飛び移れ!」


と小太郎が合図すると一斉に木に飛び移ったが、直後に真下から銃撃を受け、一瞬の内に各自分散して逃げる風魔忍軍。ヘリコプターは既に上空に逃げており、もう見えない。


(早速お出ましかよ?)


(流石修羅の森。殺気が半端じゃねー。)


(逃げ足早えーな。CIA。)


とそれぞれ思っていると、ロボが上空に投げた羽根手裏剣で全員にサインが送られる


「八方陣の型に移れ」


【風魔八方陣】


長蛇、偃月、鋒矢、鶴翼、雁行、方円、魚鱗、衝軛の陣形からなる小太郎を中心に置いた風魔忍軍の基本布陣。4代目風魔小太郎が日本から脱出した際、敵対していた武田家の八方陣から考案した風魔独自の戦法である。


それぞれ高速移動しながら木から木へ、枝から枝へ移っていく風魔忍軍。下降から無数の弾丸に無差別発砲されながらも簡単に交わしながら小太郎を中心に八方陣を形成していく。その時、八羽のカナリアが風魔忍軍それぞれの肩に止まり、その嘴からSRSCの指令が届く。


『風魔忍軍に告ぐ!アメリカのゲリラ部隊は生け捕りにし、そちらに向かっている特殊行動センター(SAC)が派遣する船舶へ護送せよ!他のダリエン地峡にいる者達及びコロンビア~パナマ間に巣くう悪党共はそちらで任せる!以上!』


ダグラスは


「今回のミッションは長期戦になりそうだぞ?21時までに終わらせられるか?」


と移動しながら問うと、ロボが


「小太郎に恥かかせる気かよ?絶対にやるんだ!失敗は許されねー。それが俺達21代目最大のミッションだ!」


と全員に告げる。そして


「風魔雀手裏剣!」


と小さな羽根手裏剣を天に投げると、ジャングル全体に太陽光がパッと照らし、ゲリラ達の目を眩ませると、テムジンとヘレンが


「新しい手裏剣があるから試させろ。」


「風魔発破手裏剣!」


と2人が地面の至る所に手裏剣を投げる。すると、銃火器を持った者達全員の手が吹っ飛ぶ。テムジンが


「この手裏剣は、威力は大した事ねーが、側にあるあらゆる火薬に反応し、爆発するように作られている。」


「死にたくなかったら全員武器置け!」


とジャングルに向かって怒鳴りつける。ビリーが


「危ねーな!俺の武器失くなったじゃねーか!」


と怒鳴る。ヘレンが


「ほら!これ使いなさい!」


とナイフを投げるが


「だから危ねーだろ!畳んで渡せ!」


と文句を言っている中、ダグラスが


「埒あかねー。ここは俺に任せろ。まとめて生け捕りにしてやる。オメーらはその間出来るだけ高い木のてっぺんで待ってろ。」


と大声で指示を飛ばす。そしてダグラスが


「ここはジャングル。木の生えた森や山は俺の庭だ!」


と呟く。相変わらず残された銃火器で風魔忍軍を狙うゲリラ達。だが、ダグラスの一声で全員止まることになる。


「風魔忍法!山彦の術!」


ダグラスが拡声器を持ち、下のジャングルにとてつもなくデカイ雄叫びを上げる。すると、風魔忍軍に放たれた弾丸が下へ跳ね返り、土砂降りのように下の者達へ降り注ぐ。


《ダダダダダダダダダダダダ!》


まるで銃弾の雨のように弾丸が地面に落ちていく。小太郎達が


(ターザンかよ・・・)


と思っているのも束の間、再びダグラスが必殺の忍法をお見舞いする。


「風魔秘奥義!樹海牢獄の術!」


と1本の槍を地面に突き刺すと、ジャングルの木々が突然あちこちから伸びていき、ジャングル全体を天然の牢獄に変えてしまった。上下左右、四方八方から木の枝が絡まっていき、ジャングルの中にいる者達全てを拘束した。


《ニョキッ!ドーン!ドドバーン!ドーン!》


《シュルルルルル!》


ダグラスは


「おい!チャーリー共!俺はミリタリー忍者。またの名を軍忍のダグラス!ゲリラ戦で俺に勝てると思うな!俺はこの森の植物全てを意のままに操れる。両手を挙げて降参しろ!さもねー奴はこの森に永遠に閉じ込められて死ぬことになる。」


と警告するが、攻撃が止んだだけで何もない。小太郎が


「こいつの言うとおりだ!お前らはこのジャングルから出られねーぞ!ダリエン地峡は俺達風魔忍軍が押さえた!直ちに投降しろ!」


この隙に風魔忍軍は、木の上で八方陣の1つ鶴翼の陣を形成する。小太郎を中央に前方に術をかけたダグラス、それを囲むようにテムジンとヘレン、その後方にロボとビリー、小太郎の傍らにサリー、殿にモーゼスを配置。風魔忍軍の作戦は


「このゲリラ達を海岸線へ誘導する事」


である。そこにはCIAの船舶や輸送ヘリが待ち構えており、全員を護送する手筈である。カリブ海側と太平洋側、両方に停泊しているCIAへ誘導させるには・・・


【2001年8月1日PMM15時04分】


ここでロボが一計を案じる。


「要するにこいつらを海岸へ向かわせればいいんだろ?だったら嫌でも走らせてやんよ。」


と横笛を取り出す。


「風魔忍法!無限群鳥!」


すると、ジャングルに生息する野鳥の群れが一斉にゲリラ達に襲いかかる。銃火器を使えなくなったゲリラ達は逃げるしかない。それでも匍匐前進で凌ぐゲリラ達にサリーが


「風魔魔法忍法・毒蛇変化の術!」


とジャングルに存在する小枝を全て幻術でコブラに変える。


「・・・お前、ほんとそれ好きだな。」


とビリーがぼやいてると


「サボってないであんたもやりなさいよ!」


と怒られるビリーが


「ちっ!しょーがーねー。風魔忍法・遠隔爆破!」


と逃げるゲリラ達の足下に軽くナパーム爆破を浴びせる。ロボに


「それじゃ鳥が逃げるだろ?別のにしろ。」


と言われると


「くぞ!もったいねーが・・・風魔忍法・吹き矢煙草!」


と煙草が入った箱を口に当て、毒針付きの煙草をゲリラ達の足下に刺していく。上空から様々な忍術を浴びせられ、ただただ逃げ続けるゲリラ達。このジャングルは今、風魔忍軍が手中に収めた生き地獄と化していた。



実際のダリエン地峡は世界一危険な場所だそうです

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