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ダンジョン穴掘り――ストレス発散のためにスコップを手にダンジョンでひたすら穴を掘ってたら奈落に落ちた――  作者: カンチェラーラ


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巨大樹

「でっけー。なんだこの木は。大きすぎんだろ」


 遠くに見えていた木を目指して荒野を走り続け、ようやくその全容がはっきり見える距離までたどり着いた。

 そして、僕は近づくにつれてその大木の異様な雰囲気に驚きを隠せなくなっている。

 遠くからでも大きいことはわかっていたけれど、想像をはるかに超える巨大な樹木が、そこにそびえ立っていた。

 おそらく樹齢千年でもここまでにはならない――そう思えるほどの規格外の巨木だ。


 まず、幹の太さがとんでもない。

 右を見ても左を見ても、幹の端が見えないほど太い。

 いや、遠くからは確かに端も見えていたはずだ。

 それは分かっているのだけれど、近づいた途端、端が消えたかのように感じるほどの太さの幹が、さらに天高くにまで伸びていた。


 きっと、このダンジョンの雲一つない空によって、その高さを見誤っていたのだろう。

 遠くから見るだけだと大きくて高い木だろうな、という程度の認識でしかなかった。

 だが、近づいて木のてっぺんを見上げようとすると見ることができない。

 あまりにも高すぎて、首が痛くなるのを我慢して見上げても、頂上が視界に収まらない。


 というか、この木はもしかすると白龍やそれと敵対して戦っていた空飛ぶモンスターと同格の存在なんじゃないだろうか。

 僕は超巨大な樹木を見上げながら、そんな考えが頭によぎる。

 理由は、この巨大樹の向こうには草原が広がっていたから。

 つまり、白龍たちの戦闘によって草原は荒野に変わってしまったけれど、この巨大樹はその戦いの衝撃にびくともせずに威風堂々とその威容を保ち続け、結果的に、その向こう側の草原を守ったように見える。


 まさか、この巨大樹自体がモンスターってわけじゃないよね?

 ダンジョンにはトレントという動く樹木型モンスターもいるみたいだ。

 その最終形態のような存在が、この巨大樹なのではないかと一瞬身構える。

 が、警戒しながら観察しても、動き出す気配はない。

 むしろ、圧倒的に不動であるがゆえに存在感があった。


「……よく見えないけど、この木の上の枝ってダンジョンの空に繋がってないかな?」


 下から上までなめるように観察しているうちに、僕は一つの可能性を見出した。

 それは、この超巨大な木のてっぺんが実は雲一つないダンジョンの空と繋がっていないかということだ。

 ここの空には太陽はなく、そして僕はダンジョンの入り口で穴を掘り、そしてその開いた穴に落ちてここにきた。

 つまり、こう言は考えられないだろうか。

 今見えている空のさらに上に地上があるのだ、と。

 であれば、そこへと昇る階段みたいなものが必要だ。

 だが、現状では階段らしきものは見当たらない。


 しかし、ダンジョンの空へと昇る階段がなくとも、この巨大樹がその代わりとなっているのではないだろうか。

 全く何の根拠もない思い付きだ。

 そもそも、巨大樹のてっぺんの木の枝がダンジョンの空と繋がっているという根拠などどこにもない。

 が、今の僕には、そんな希望的観測にすがるしか方法がない。


 脱出のための一縷の望みを胸に抱き、僕はこの巨大樹を登ることを決意した。

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