放課後のひと時
「佑馬君は今日もダンジョンに行くの?」
授業が終わり、放課後になったところでクラスメイトの渚に声をかけられた。
当然、行くつもりだと答える。
せっかく掘った穴が元に戻らないように朝にもダンジョンに行ったのだから、夕方にも行かないと意味がなくなってしまうもんね。
「なら、僕と楓も行ってもいいかな?」
「もちろん。穴を掘るだけだけど、それでも来たいなら大歓迎だよ」
どうやら、渚と一緒に楓ちゃんも来るみたいだ。
聞いたところ、楓ちゃんがまた行きたいと言っていたらしい。
ダンジョンでの泥遊びもそうだが、帰りにアイスとジュースを買って公園で食べたのも気に入ったみたいで、ダンジョンに行ったら帰りに食べられると思っているのかもしれない。
まあ、それも悪くない。
放課後にダンジョンで遊んで、帰りにアイス――ちょっとしたご褒美みたいなものだ。
体を動かした後の一口は格別だし、ダンジョンの土を売ればアイスくらい買えるしね。
「僕はいったん家に帰って、宿題や勉強を軽く済ませてから行くつもりだから、ダンジョンのあの穴のところで集合にしようか」
「うん、わかった。楓と一緒に行くからよろしくね」
放課後の教室でそんなふうに約束し合って、帰ることにする。
渚は小学生の楓ちゃんと一緒に家に帰るために小学校まで迎えに行くみたいで、別方向になる。
なので、校門で分かれて帰宅し、家で勉強を開始した。
宿題を解く間は、スーちゃんの力を借りずに自分でも超集中を維持するように頑張ってみる。
やっぱりまだ完全にはできないみたいで、むしろそっちに気を取られて宿題の進み具合はいまひとつといったところだろうか。
ただ、普通に何も考えずにやるよりは早めに終わる。
そんなふうに宿題をやっている間に、スーちゃんには部屋の掃除をしてもらうことにした。
昨日はそのままの状態で部屋の中を掃除してもらった。
だが、今日は違う。
床の上に置いてあったものや、出しっぱなしだったもの、机の上に散らばっていたものなどを簡単にだけど片づけている。
まあ、きちんと整理整頓したわけじゃなく、とりあえず掃除の邪魔になりそうなものをクローゼットの中に放り込んだだけだけど。
それでも、物をどかした後の部屋を、スーちゃんがゴミを食べてくれたおかげで、さらにきれいになった。
なので、ついでに僕の部屋以外も掃除してもらうことにした。
部屋の外の廊下の掃除をスーちゃんへと頼む。
基本的にはお母さんがいつも掃除をしてくれているし、僕の部屋みたいに廊下の床に物が散らばっているわけではない。
それでもスーちゃんが掃除をしたことで、かなりきれいになったと思う。
というか、同じ廊下なのに明るくなったように感じる。
きっと、壁や天井、照明器具や窓のサッシなんかもスーちゃんが掃除してくれるのが影響があるんだろうな。
いくらお母さんが廊下を掃除するといっても、基本的には掃除機を使うくらいで壁や天井までは手が回らないだろうし。
これをみたらお母さんもびっくりするだろうな。
そんなこんなをしながらも、宿題を終えた僕は同じく掃除を終えたスーちゃんと一緒に再びダンジョンへと向かうことにした。
いつもは自転車で行くけれど、なんとなく、家から走って行くことにした。
朝もそれで行けたし、渚や楓ちゃんも多分歩いてくるだろうし。
僕は水を入れたペットボトルなどを詰め込んだ荷物を背負い、走ってダンジョンへと向かい、朝に見かけたお地蔵さんの前をダッシュで駆け抜けていた。
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