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ダンジョン穴掘り――ストレス発散のためにスコップを手にダンジョンでひたすら穴を掘ってたら奈落に落ちた――  作者: カンチェラーラ


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動く泥

 アイスとジュースを楽しみながら、公園で渚と楓ちゃんと話をしてまったり過ごした。

 その後、僕は家に向かう途中のお弁当屋さんに寄って日替わり弁当を買う。

 五百円くらいだけれどしっかりとした量が入っていて、いろんなおかずも盛り込まれたお弁当を持ち帰り、お母さんが用意してくれているお昼ご飯と一緒に食べた。


 今日はちょっと食べすぎたかもしれない。

 ダンジョンでは途中で泥団子を作ったりしていたりもしたので、昨日ほどには体を動かしていない。

 それなのに、アイスも食べてお弁当まで食べるのはやりすぎだったか。

 そんな心配もしたけれど、なんだかんだで、食べ物を目の前にすればすべて食べきってしまった。


 食後は自分の部屋に戻り、勉強をする。

 落ち着いて深呼吸をし、体の中にあるポカポカを全身に広げ、それをさらに頭へと、脳みそへと集めるように魔力操作を行う。

 その状態で、去年習った勉強範囲を復習していく。


 一度習ったところだけれど、改めて教科書を読み直して、残っていたノートを見返すと面白い。

 こんなこと習ったっけ? と思うことや、あ、これはそういうことなんだと気づきを得られることが多くあった。

 集中して、結構広い範囲の復習を終えた僕は、短時間だけベッドで横になり眠る。

 タイマーをセットして短時間の休憩を取った後、再びダンジョンへ行こうと動き出す。


 だが、その前に気になっていたことを調べてみた。

 それは、楓ちゃんがなぜか魔石を持っていた件についてだ。

 公園でアイスを食べながら渚と一緒に楓ちゃんに対して質問をした。

 どうして魔石を持っていたのか。

 それを聞くと、やはりダンジョン内で手に入れたらしい。


 楓ちゃんが魔石を得たのは、僕と渚が二人で壁を掘っているときだったようだ。

 僕らが見ていない間も楓ちゃんは泥団子を磨いたり、ダンジョンの土を見たりして過ごしていた。

 その時に、なにかモゾモゾと動くものがいたらしい。


 動いていたのは泥だったようだ。

 僕らが泥団子を作るためにダンジョンの土と水を混ぜて作った泥の一部が触ってもいないのに動いたように見えたそうだ。

 当然、不思議に思ったらしい。

 楓ちゃんはその動く泥を見て、手を伸ばし触ってみたのだという。


 それを聞いたとき、渚は「駄目じゃないか」と言ってしまった。

 ダンジョンという場所であるために、その泥が危険である可能性があるからだ。

 だが、楓ちゃんにとっては僕らと一緒に遊ぶ場所でしかなかったので、そんな危険性はまったく頭に思い浮かばなかったのだろう。

 渚が注意するのも気持ちはわかるが、楓ちゃんが悪かったともいえないかもしれない。


 そうして楓ちゃんは、その動く泥に手を突っ込んだ。

 そして、なぜかその泥の中にあったキラキラ光る石を見つけて抜き取ったのだという。

 すると、その泥は動かなくなり、あとに残ったのは楓ちゃんにとってはただきれいな石だった。

 それが、ダンジョンでしか手に入らない魔石だったというわけだ。

 なので、泥が動いていたように見えたけれどそれが本当にそうだったのかはわからず、楓ちゃんも気のせいかもしれないと思ってその場で僕らに言うことはなかったようだ。


「動く泥の正体は多分これかな? スライムってモンスターなんだろうな」


 スマホで調べたが、ダンジョンで土を掘ってその土に水を混ぜて泥団子を作っていたらスライムが出現したという話は見当たらなかった。

 だが、インターネットで見つかる情報にはダンジョンには動く粘性のモンスターがいるというものが多数見つかった。

 モンスターの名はスライム。

 きっと、楓ちゃんが見つけた動く泥はそのスライムだったのだろう。


 ダンジョンで泥遊びをするとスライムが生まれるのかもしれない。

 僕一人でダンジョンで穴掘りをしているときには一度も見ることが無かったモンスターが、泥遊びをしたことで出てきたとあって、僕はそんなことを考えた。

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