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「あなた、この数日よく食べるわね。晩御飯、もう少したくさん用意しておいたほうがいいのかしら?」
肉体強化を使ってダンジョンで穴掘りを行い、いつも以上にお腹が減った。
帰り道でもダンジョンバーを食べてはいたけれど、家に帰ってからの晩御飯もモリモリと食べた。
ダンジョンバーはあくまでも補給食の扱いで、ショート動画でイケメンムキムキお兄さんが言っていたようなバランスの取れた栄養を得られるわけではないからだ。
お母さんの作ってくれた晩御飯はご飯に味噌汁に豚の生姜焼きにキャベツとサラダ、それに果物もある。
ダンジョンバーでは摂れない野菜なんかもバクバクと食べ続けていたら、あまりの僕の食べっぷりを見てお母さんがそんなことを言ってきた。
僕としては、魔力を使って肉体強化をすることで今までよりもさらに穴掘りが楽しくなりそうだったので、ご飯をたくさん用意してもらえると嬉しい。
いつもは喧嘩ばかりしてしまうけれど、ここは素直にお願いしておいた。
食事の後は部屋に戻って軽く勉強をしておく。
今日の宿題はほとんどを学校でやって自宅に帰ってきてから残りも済ませているので終了している。
が、なんとなく勉強机の前に座ったのでパラパラと教科書をめくってみた。
今日授業で習ったところを見ながら、板書したノートの内容も合わせて読む。
そして、それが終わったら次に授業でやりそうな範囲のところも流し読みしていく。
そんなに長い時間はかけていないけれど、復習と予習ができたので、あとはベッドの上に寝転がり、スマホで動画を見て寝ることにした。
次の日の朝、目が覚める。
感じるのは軽い空腹感。
少しお腹がすいている感じがする。
昨日、あれだけ食べたのに、またお腹が空いてきている。
我ながら、よくこんなに腹が減るものだと思う。
ただ、筋肉痛みたいなものは出ていなかったのでラッキーと思いながら部屋を出て洗面台へと向かった。
顔を洗い、鏡に映った自分の姿を見る。
少し気になって、おもむろにシャツを脱いだ。
鏡に映る僕の上半身。
ほんの少しだけど、昨日よりも体が締まっている気がする。
……ちょっと筋肉がついてきたんじゃないだろうか?
昨日も感じたが、毎日バンプアップってするんだろうか。
二の腕の力こぶだけじゃなくて、胸の筋肉が薄っすらと盛り上がっているようにも思う。
また、お腹周りもシュッと引き締まったような感じがする。
気のせいかな?
でも、少しでも筋肉が付いたのだとしたらうれしい。
そうだ、写真でも撮ろう。
筋トレ界隈の人は自分の姿を毎日写真に収めてトレーニング前と後の変化を見せるショート動画を出している人が多い。
あれを僕もやってみてもいいかもしれない。
部屋に戻った僕はスマホをカメラの上にセットして、服を脱いだ体がきれいに撮れるように角度調整し、タイマーを押して写真を撮った。
頑張ってくれてありがとう、筋肉。
これからもよろしく、筋肉たち。
声に出して筋肉をねぎらいながら僕は自撮りで撮った写真を見てひとり笑っていた。
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