表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン穴掘り――ストレス発散のためにスコップを手にダンジョンでひたすら穴を掘ってたら奈落に落ちた――  作者: カンチェラーラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/60

肉体強化(フィジカルブースト)

 魔力による肉体強化。

 僕が今やっていることが、ほかの探索者シーカーの肉体強化と同じものなのかはわからない。

 だけど、実感として腹式呼吸を行ってお腹にある、あたたかな魔力らしきものを全身に行き渡らせて穴掘りをすると、いつもよりも掘りやすいように感じた。

 だったらもう、これは肉体強化でいいだろう。

 カッコつけて「フィジカルブースト」なんて名前でも付けてみるのもいいかもしれない。


 これまで固くてなかなか掘り進められなかったダンジョンの壁も肉体強化フィジカルブーストを使うとよく掘れる。

 といっても、強化率はそこまで高くはないと思う。

 魔力を用いて強化したからといって、僕の筋力が何倍にも跳ね上がってザックザクと穴を掘れるというわけではないからだ。

 せいぜい、今までよりも一割くらい掘るスピードが速くなった気がする、というのがいまのところの感想だ。


 だけど、それでも十分すごいことだと思う。

 一割も効率が上がれば、採取できるダンジョンの土の総量はその分だけ多くなり、それは売却したときにも反映される。

 別に大金が稼げるわけではないけれど、数字として変化が現れれば気分もよくなると思う。

 頑張ろう、と意気込んでスコップをダンジョンの壁へと突き立て続けた。

 もちろん、肉体強化フィジカルブーストだけに頼るのではなく、掘る作業全体を通して効率よく動くことも忘れない。


「……なんか、疲れた? っていうか、お腹が減ってきたのかな?」


 だが、穴を掘り続けてしばらくすると、疲労と空腹感を感じるようになった。

 胃の奥が空っぽになったような感覚がする。

 ダンジョンで穴を掘り続けるという一種の苦行のような肉体労働を続けているので、疲れがたまるのは当たり前だし、お腹も減るのが当然だ。

 けれど、それにしたっていつも以上にそれらを強く感じてしまう。


「そうか。魔力を使うっていっても、実際に動くのは僕の筋肉だし、それを動かすのは体が持っているカロリーだからか」


 なぜこんなに疲労と空腹感が出てきたのだろうと思ったが、しばらくして気が付いた。

 魔力は、あくまでもいつも以上の力を発揮させてくれるだけで、それを実現しているのは僕のもともとの体なのだということに。

 つまりはいつも以上に強い力を発揮しているからこそ、筋肉は疲れてくるし、その筋肉を動かすための燃料は僕が自前で持っているカロリーというエネルギーでしかないのだと思う。

 魔力はあくまでも補助なのかもしれない。


「ダンジョンバー一個じゃ全然足りないよな」


 とにかく、お腹が減って疲れた感じがひどくする。

 そうなると、僕が取る行動はなにかを食べるということしか選択肢には上がらず、何か食べ物を持っているかといえばダンジョンバーだけだ。

 水はあるけど空腹を紛らわせるほどの量はないし、カロリーもないからね。

 そんなわけで、少しでもお腹を満たすためにダンジョンバーを齧る。


 一口齧るとお腹にあたたかな魔力の感覚が広がり、全身へと巡っていく。

 それでも足りないので二口目を食べる。

 まだ足りず、三口目というふうにして、あと残り少しという状態になってしまった。

 今日はまだ穴掘りをもう少し続けるつもりだったのに、ダンジョンバーがほとんどなくなってしまうというありさまだ。

 肉体強化フィジカルブーストを行うと、ダンジョンバーひとつでは全然足りないらしい。


 しょうがないので、今日は動けるだけ動いて、可能な限りダンジョンの土を回収した。

 それをギルド建物へと持ち込んで、有り金全部をはたいてダンジョンバーを買う。

 そのダンジョンバーを家に帰りながら、むしゃむしゃと食べてカロリーと栄養とついでに魔力も補給して家でも晩御飯をたくさん食べることにした。

お読みいただきありがとうございます。

ぜひブックマークや評価などをお願いします。

評価は下方にある評価欄の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけけますと執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ