ダンジョン探索その4
下に降りると、さっきの草原ではなく普通のダンジョンに戻っていた。
「おかしいわね。普通階層ボスの階層を突破しないとそこのダンジョン階層が変わらないのに」
ダンジョン階層とは数階がまとめられていて、その複数の階層は同じ系統のモンスターが出てくるというもの。
「恐らくあの一階層の中に複数あったのだろう。」
「なるほどね。運が良かったっていうことね」
アリスが俺の言葉を返した。
そんな事を話している内にモンスターが現れた。
「今回は、死霊系モンスターね。結構厄介だわ」
「いや、今回は俺がやる。ノアにやらせたいが、これじゃあ実力が発揮出来ないだろう」
俺はそう言うと、前に出てアリス達に結界を張ると拳を地面に振りかぶった。
すると地面が壊れ、下の階層にどんどん下がっていく。途中にモンスターがいるが全て無視して落ちていく。
やっと地面に足が着いた。
「よし、これで死霊系モンスターの階層は抜けただろ」
「そうね、それじゃあノア頑張ってね」
「はい、頑張ります!」
アリスの言葉にノアが返事した。
そんな事を言っていると落ちてきた衝撃で舞った煙が晴れた。
すると、目の前に巨大な白い虎がいた。
「ここに来て初めての客だな」
その虎が喋りかけてきた。
「え⁉︎何でダンジョンモンスターが喋ってるのよ」
アリスが驚き、言った。他の3人も驚いている。
「お前は誰だ?」
俺は、その虎に問いかけた。
「わしは四神の1人、白虎だ」
四神とは、東西南北の四方を守る守護神で、東は青龍、西は白虎、南は朱雀、北は玄武の四体で構成されている。神と言っても本物の神ではなく、それぞれの種族の最上位種といったところだ。
「白虎様、お久しぶりです。覚えてますか?」
メリナが膝をつき言った。
「……あ、あの時のエルフの小娘か」
「はい。その節はありがとうございます」
「気にするな。それより魔力が尋常じゃないほど成長しているな」
「それは、ご主人様のおかげです」
メリナはそう言い、俺の方を見た。
「此奴がか。一見魔力が見えないが……」
白虎はそう言うと目を凝らした。目に魔力が宿っている。【神眼】を使っている。
四神だからまあ、持っていても不思議ではないがな
「ほう、【神眼】でも何も見えないとは。わしより遥かに強いと言う事か」
「まあ、そうゆう事だな。それより白虎、四神がダンジョンに何故いるのだ?」
「いや、暇だったものでな。ここが困難のダンジョンと聞いて興味が湧いたのでな。」
「なるほどな。じゃあここのダンジョンはもう攻略したなら帰るとするか」
「いや、まだしてないぞ。この先はわしにも行けない結界と禍々しいオーラがあってな」
「なるほど、それじゃあこの先に行けば良い訳か」
「そんな簡単な事じゃないぞ」
「問題ない。それより先にやりたい事がある」
俺は、ノア達に身体を向ける。
だが、ノア達は呆然としたままだ。そして、アリスが我に返り言った。
「ライヤ、四神よあの四神よ!ちゃんと言葉遣いを気を付けなきゃ!」
「何故だ。意味ないだろう」
「四神の事を何も分かっていないわ!」
「気にするな小娘」
「は、はい。分かりました」
白虎が言うと、アリスが素直に従った。
「だがアリスよ。四神はそんなに特別なのか?」
「仕方ない、説明してあげるわ!」
アリスは四神の事を丁寧に説明していった。
四神……青龍は木、白虎は金、朱雀は火、玄武は水を使う魔物で自らの種族の最上位種で精霊と同じく、気に入った者に宿り、力を与え、不老不死になり止まることのない成長が得られるらしい。
「分かった?」
「ああ、助かったぞ」
アリスは必死に説明してくれたから一応礼をしておこう。
「大体は合ってるが、青龍は木と風で、玄武は水と闇を使うぞ。まあ、四神同士でしか知らないがな」
「そうか、ならちょうど良い頼みがある」
「なんだ?出来る限りは手伝ってやるぞ」
「ノアと闘ってもらいたい。気に入れば力をくれるのだろう」
「ほう、お主には勝てそうにないし、別に闘わなくても力をくれても良いが」
四神は誇りがないのだろか。嘘でも自分が強いと言えば良いものの。
「いや、それは出来ん。ただで貰ってもノアは喜ばん。お前と闘って勝ったら貰った方が良いだろ?」
俺は、ノアの方を向き言った。
「はい!やってみせます!」
「承知した。ならわしが獣人の小娘を見定めてやろう」
そう言って2人は向かい合った。




