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僕(俺)が従魔になるまで  作者: 月猫 美月
6/22

学園生活

ラスティの視点です。

思い付くままに書く上に全体を見るのが苦手でちょこちょこ矛盾がでてきて辻褄合わせに四苦八苦しております(;´A`)

エルデン国の貴族は14、5歳頃から学校に行くのが通例だ。

入るタイミングはその家の都合によって変わるし、能力があるならば前倒しで入学しても構わない。

ただ、貴族の場合は同年代との社交的意味合いが強いのでだいたいそのぐらいに入学する。

まあ、王族や力のある貴族の子供の入学に合わせることもあるので一概には言えないけどね。

王太子様が入学した時は生徒数が凄かったって聞いた事ある。


学校は3年制で魔法や剣技、文官になる為の技術等を教えてもらえる。


アズベルト魔法学園

この国の創始者の名前から名づけられている。

魔法とついているが魔力の無い者でも入学可能だ。

この国の人間は魔力を持つ者は多いが、昔に比べると強い魔力を持つ者が減ってきて全く魔力の無い人間も生まれるようになってきたからだ。

強い魔力を持って生まれやすい貴族でも生活魔法が使える程度という者も全く魔力が無い者もいる。


原因の1つに生活用品の魔道具化が進んだ結果とも言われている。

魔石をセットするだけで使えてしまうので日常で魔力を使う事が減ったことで退化してきたという説である。

調理器具、冷蔵冷凍庫、洗濯器具、お風呂にトイレ、照明、掃除機器等々……。

もちろん機能はピンキリで高性能な物は金持ちしか買えないが……。


農機具も充実している。

土を耕す物、肥料を撒いてくれる物、収穫を補助してくれる物。

特に水を撒く機器は水の魔石から水が生み出されるので雨の少ない年でも問題無く畑を潤す事ができる。

そして、凄いことに雨が多くて水が行き渡りすぎている時は水を回収することも可能なのだ。


まあ、これらは農民や領主が買える金額では無いので国から領主に無料で貸出をして魔石だけ用意してもらうシステムになっている。

これによって農業による税収は安定するので長い目で見れば無料で貸出しても元が取れるそうだ。


これらの魔道具は他国へ輸出もしている。


そして平和な世が続き、戦争による魔法の必要性が無くなったことも原因とされている。


まあ、これはハッキリとしない。

なぜなら、諍いを続ける国でも強い魔力を持つものが減ってきていると言われているからだ。


それに魔力をあまり持たない国から嫁いできた者や移住者もいる。


入学資格は貴族なら全員ある。

平民でも試験に受かって授業料が払えるなら入学することは可能だ。

色んな学科があるので自分のレベルにあった学び方をするもよし、なりたいものの学科を勉強するもよし。

選んだ学科以外のものも学びたいなら、選択科目をいくつか選んで組み合わせれば良い。


例えば僕みたいに魔法剣士になりたいなら騎士学科に魔法学を選択する。

兄上みたいに外交官になりたいなら文官学科に歴史学と各国の語学、それに各国のマナーを学べる総合マナーを選択する。

といった感じにするわけだ。

まあ、兄上の場合はそれに加えて有能だった元外交官や交渉術の先生を雇って週末と長期休暇を利用して王宮で勉強していたけど。

ほぼ毎日勉強漬けだったなー。

体を動かす方が好きな僕には考えられないや。


王都の外にも分校があるのでそちらに行くのもありだけど、設備と先生の能力が違うので、学科の種類も選択教科の種類も少ない。

だから、どうしても王都の方に生徒が集中してしまう。


結果、設備投資が後回しになる。

先生の方も王都を希望する者が多い。

優秀な人もそうでない人も王都で教鞭をとったという実績があるほうが教師を辞めたあと、身入りの良い家庭教師の口が見つかりやすかったり、再就職しやすかったりするからだ。

何より経歴に箔が付く。


平民の多くは商人の子供で、箔をつける為やマナーを学ぶ為に入学することが多い。

今年から経営学科ができたので、それを目当てに入学した者もいる。

起業の仕方や他国の特産品や今、求められているものの世情の動きの見方とかも教えて貰える。

ただ、授業料がかなり高いのと定員数が少ない為、入学資格試験とは別のテストを受けないといけない。

その点数と面接の点数の総合点と授業料が払えるか、家の状況も加味された上で受講できる特殊な学科だ。


実はこの学科は当時9歳だった妹のアリシアの発案なんだ。

賢い商人が増えれば安定した税収が得られるし、国の発展にも繋がるとのこと。

面白そうだと王様はすんなり許可を出したけど先生探しはかなり大変だったみたい。

何せ発案から5年かかったからね。

アリシアを含めた数人が先生希望の人を一人一人面接して、これはと思う人に更に商売の勉強をしてもらったようだ。

費用は王家持ちだけど10年は教師を続けてもらうことが条件。

問題を起こして辞めてもらった時と期間内に辞めた場合は費用を返還してもらうことになっている。

因みにこの学科を卒業した生徒は基本的には20年間、他国での開業禁止になっている。

これもアリシアの発案。

本当に子供なのか疑いたくなったことが何度かあったよ。

同じ親から生まれているのに何でこうも違うのかな?


アリシアは変わった発想を持っていて王様に色々進言していると母上から聞いた。

農機具の貸出もアリシアの発案の1つなんだよ。

凄いよね。


絶対に他国に嫁には行けないだろうな……。


アリシアに何か無いように多くの発案が妹であることは伏せている。

王家の影による警護の人数も増やしたいけどアリシアが嫌がるのでウィルに特別な魔道具を造ってもらったんだとか。


王様より凄い待遇なんじゃない?


あ、随分脇道に逸れちゃった。


学園内の貴族と平民の比率は、その年の子供の数によって違うんだけど、大体が貴族が7割平民が3割みたい。

分校になると平民が9割以上になるけどね。


マナーや学力の差があるので振るいにかけられてクラスが決まるので上のクラスと下のクラスでは天と地の差があるのは仕方がない。

学期毎のテストの成績と総合評価によって上のクラスになる者も下のクラスになる者もいる。

特別な試験を受ければスキップして上の学年に上がることもできる。


僕は剣も魔法も入学前にある程度習得しているから騎士学科に入らなくても良いんだけど、騎士団に入隊するつもりなので団体生活に慣れておかないと……。


団体行動って苦手なんだよね。

ロムニの件で若干人間不信だし。

でも、父上みたいになるのが夢だし。


エルタード公爵家を継いだ時はエレノアと仕事を分担する予定だ。

僕の都合というのが一番大きいけど、何かあった時に対応しやすいというのもある。


僕は週末に公爵家を継ぐ為の勉強もあるので選択科目はほとんどつけなかった。

卒業後でも勉強したいことがあれば先生を雇って勉強すれば良いし。


学園は全寮制だからウィルとは離れ離れ。


寂しいな


そのうえ、僕が成人したし、そろそろ生まれ変わることを考えているって言っていた。

でも、今のところ王族に赤ちゃんが生まれる予定は無いので、僕の入学式を見届けた後に他の国がどんな感じか見てくると旅立った。

そのあとは僕の長期休暇に合わせて戻ってきてくれると約束してくれた。


もしかしたら僕の子供で生まれてくる可能性だってあるわけで……。

僕としては問題無いけど、僕が産むわけじゃないし、僕のお嫁さんになる予定のエレノアが悲しむ顔は見たくないな。


でも、王家に生まれるなら今までとあんまり変わらないんじゃないかと思ってたけど、留まっている方が異例だったから、もう北の塔では暮らさないらしい。


もう、僕とウィルの時間は残り少ないんだと思ったら本当に寂しい。


生まれ変わったら僕と繋げてあるのも無くなるだろうし、そうなったら何か変わってしまうのかな?


ウィルには寂しく無いように友達をたくさん作るようにって言われた。

でも、友達は友達。ウィルはウィルなんだよね。


1年生の間は王宮で学んだような基礎訓練が主でちょっと退屈だった。

それでも月日は早く過ぎてあっという間に16歳。

冬には17歳になる。


もうすぐ2回目の夏休みでウィルが帰ってくる!


楽しみだけど長期に会える夏休みは今年と来年しかない。


「ラスティ様、ぼんやりなさってどうなさいました?」


エレノアが可愛らしい顔で首を傾げる。


今は昼休みで一緒に昼食中だ。


あ、エレノアは植物薬草学科を選んだ。

何でもゆくゆくは領地で色んな花や薬草を育てて、その効能を利用した生活用品を作って販売したいんだって。

だからその知識を深めたいとのこと。

選択科目は美術と色彩学。

この2つの知識で商品の入れ物を考案したいとのことだ。

どんなものが出来るのか今から楽しみだ。

僕も何か協力できると良いんだけど。


他に護衛を兼ねたアセルとキールがいる。

彼らは僕と同じクラスだ。


あとはエレノアの幼馴染のステラ。

彼女は子爵家の三女でステラの侍女でもある。

ステラはエレノアと同じ植物薬草学科と初級魔法学を選択したようだ。

このメンバーに時々、弟と妹が加わる。


アリシアはエレノアと同じ植物薬草学科で選択科目は心理学と色彩学。

人を動かす仕事がしたいらしいが何になるかはまだ決めてないらしい。

エレノアと仲が良いのでエレノアの夢の手伝いをしたいとも言っていたけどね。


弟のディレイトは騎士学科と語学をいくつか。それに初級の薬草学を選択。

魔法はある程度使えるので選ばなかったらしい。

何でも冒険家になりたいそうだ。

各国を飛び回っている兄上の土産話が原因らしい。


そう言えば、2人は進級試験を受けたって言っていたな。


妹のアリシアはエレノアと一緒に勉強したいからと受けたらしい。

ディレイトはアリシアの兄という立場だし学年が下というのはプライドが許さなかったらしい。


もう発表があったんだっけ?


受かっていれば夏休み明けには同じ2年生だ。

ディレイトは今回の演習に混ざるのか?


「旅に出ていた友人がそろそろ戻ってくるんだ」


僕はニッコリと笑みを浮かべた。


「僕もいつか一緒に旅に行けたらなって」


「もうすぐ夏休みですし、それを利用して行かれてはいかがですか?」


「そうだね、それもいいね」


と言った僕の言葉に


「夏休みは演習がありますから無理だと思いますよ」


キールが申し訳なさそうにそう言った。


演習!そんなの忘れてた!ウィルに会える日が少なくなるじゃないかぁ!


遠征して合宿や演習を体験するには長期休暇が丁度良いと夏休みが利用される。


すっかり失念していた僕はガックリと項垂れた。


「ラスティ様」


エレノアの心配気な声に顔をあげて微苦笑した。


「去年行っておけば良かった」


何か、午後のやる気が削がれた気分だ。


「あの、ラスティ様」


恐る恐るといった感じでステラが声をかけてきた。


「なに?」


「僭越ながらマリア様とは、どういう御関係でございましょう?」


ステラの質問にエレノアが『やめなさいと』言わんばかりに腕を引っ張った。


「誰、それ?」


「え?ドレイク男爵のご令嬢のマリア様でございます。何度かお話されているのをお見かけしたのですが…」


僕は首を傾げた。


何度か話している男爵令嬢?


「あの、ピンクブロンドで濃紺の瞳の……」


ピンクブロンドなんて珍しく無いし……。

更に首を捻る。


『私の元妹です』


エレノアがこっそり僕に耳打ちする。


「……ああ、いたね、そんな子。あの子変わってるよね」


エレノアの元妹。

エルタード公爵の後妻だった人の娘だ。

彼女には兄もいて、エルタード公爵の実子だと思われていたが、魔道具での鑑定の結果、どちらも公爵とは血が繋がって無いとの結果だった。

それもそれぞれ父親は別で少なくとも2度不貞をしていたのだ。

このことはエレノアとの婚約発表の前に公布し、公爵は後妻と離縁し、子供共々男爵家に返された


こんな質問をしてくるところを見るとステラはエレノアの元妹の事は詳しく聞いていないのだろうな。


「変わっているとは?」


「自分から一度も名乗らないし、馴れ馴れしいうえに僕の事を『ラス様』って呼ぶんだ。そんな呼び方許してないって言っても何度も呼ぶから困ってるんだよね」


それに開口1番に「私、ヒロインなんです。だから、ラス様は私の事が好きですよね?」


って訳の分からない事を言ってきた。


ヒロインって物語の中でしか使わないもんだよね?

よく言えば想像力豊かだけど悪くいえば 、夢見がちで、かなり妄想癖があるとしか思えない。


「ああ、あのご令嬢ですね。僕にも馴れ馴れしく話しかけてくるんで困っております」


キールがそう言うとアセルも同意した。


「婚約者に勘違いされて宥めるのが大変でした」


アセルが深い溜息をついた。


エレノアとステラが顔を見合わせた。


「他の令息や裕福な商人の息子に擦り寄っているのも見かけましたよ。随分と気の多いご令嬢ですよね」


キールが顔を顰めた。


「ラスティ様はエレノア様が大好きなんですから心配ご無用ですよ」


キールの言葉にエレノアが赤くなって俯いた。


「うん、大好き」


僕は即答した。


「すみません、嫉妬なんてお恥ずかしい」


「ふふふ。嫉妬してくれるなんて可愛いね」


嫉妬してないのは分かっているけど、ちょっとした悪戯心で耳元でそう囁いてみた。


エレノアは耳にあたる吐息を感じたのか予想通り恥じらって赤く頬を染めた。


「それに、そもそも話を振ったのはステラなんだから黙っていれば周りには分からないよ」


「そ、そうですわね」


「照れてるエレノアも可愛いな」


うん、本当に可愛いな。ちょっと元気が出てきたよ。


「演習はどちらに行かれるのですか?」


照れ隠しにエレノアが話題を変えてきた。


「確か東にある森でしたね。何でも遺跡が見つかって調査に派遣される学者を王家の騎士達とともにサポートするんでしたよね、ラスティ様」


キールが代わりに説明した。


「危なくは無いのですか?」


エレノアが心配そうに眉を潜めた。


「調査前の遺跡だから全く危なくないってことは無いだろうけど、今回は父上が率いる騎士団が遠征することになっているから問題ないという判断のようだ」


「ですが、リカルド殿下の騎士団は陛下の直属の部隊でございましょう?それだけ危ないという見方もできますわ」


なるほどね。そういう見方もあるね。でも、実は王太子殿下が同行するからなんだよね。皆には当日まで言えないけどさ。


「僕達は基本的に後方支援だから問題ないよ」


僕は安心させるように笑った。


「それより夏休みが終わったら王妃様の誕生祭だ。近いうちにドレスが届くはずだから着てきてね」


エレノアの頬にチュッとキスした。


また、赤くなって可愛いなぁー。


「ありがとうございます。楽しみにしております」


誕生日といえば兄上ももうすぐだよなー。

プレゼントは何にしようかなぁー。

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