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クリエイト!  作者: 大塚
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試写会に喜ぶ。

 じゃあまた今度ね。

 と言って夜桜先輩は電話を切った。、

「どうでしたか」猫実さんが内容を確認する。

 すると先輩がニヤリと不敵に笑った。

 その笑い方で何か面白いことかこれから起きるのだと思った。それでつい、巧も頰が上がってしまう。

「聞いて驚くなよ。」

 先輩がそこで溜める。空気にうまく乗せられる。

「映画の試写会に出れる。」

 ふーん…。

 夜桜先輩の言葉を吟味する。

「ふーん」と猫実さんが言った、

「いや、結構すごくないですか」巧はついにその価値がわかった。

「その通り」夜桜先輩がそう言って微笑む。

「キュウはその映画のスタッフとして制作に参加してたらしい。私たちも知り合いとして誘ってくれたんだ。」

「キュウちゃんはなんでもやりますよねえ」

 と猫実さんが彼女を思い出すように言った。

「もう全く、知らない間に楽しそうなことして」

 懐かしい日々を思い出しているのだろう。

 夜桜先輩はじゃれるように言った。

「すごいですね。映画なんて。」ため息まじりに猫実さんが言った。「なんていう映画なんですか」

「それは…」夜桜先輩の声が部室に響く。

高橋たかはしけい監督の最新作『フォーエバー』だ」

「おおー」猫実さんが驚く声をあげる。

「高橋ってなんか聞いたことあります。」巧もその名前が心に引っかかった。

 すると夜桜先輩が「そうだろうな、大物だから知らないないほうが珍しいぞ」と食いついてきた。

「そうですよっ、高橋監督の作品は素晴らしいんですから!」猫実さんも興奮ぎみに身を乗り出してきた。頰が上気して赤い。息遣いまで聞こえてきそうだ。

 ちょっと猫実さんの勢いにビビりながら「そんなにすごいの?」と質問をひねり出す。

 二人は巧が思っているより映画に詳しいようだ。小説ばっかりの人たち(失礼)ではないみたいだ。

「確かフランスの映画賞もらってたぞ、1、2年前に」夜桜先輩が軽い口調で情報を提供する。

「そうです、あの『山の谷のヘンリー』っていう映画で、ゴールデンサーモン賞ですよ!」トントンと猫実さんがじれったそうに手のひらで机を叩く。ああもう、なんでわからないの!という心の声が聞こえてきそうだ。

「ええええ」

 自分との知識レベルの差にたじろぐ。ゴールデンサーモン賞ってなんだよ。

「まあとにかく、高橋監督ってすごいんですね」と無難な答えを見つけ出し、その場を取り繕う。

「まあね、その映画を観れるっていうだけでい体験になるんじゃないの。いろんな創作物に触れるのは、自分の小説を豊かにするために必要なことだよ」にっこりと、いつもの笑顔で先輩が言った。

「なるほど」

巧はうんうんと頷く。

 夜桜先輩の言うことは確かにそうだろう。

「ああ、楽しみですねえ」猫実さんはキラキラと顔を輝かせている。おいおい、ちゃんと夜桜先輩の話を聞かないと壁ドンされるぞ、と苦い思い出を思い出す。

 まあ、猫実さんは映画が好きだという知らない一面を知れて新鮮な気分だ。

 ふんふんふん、と楽しそうな猫実さんの鼻歌が聞こえてきた。

 夜桜先輩がその様子を頰を緩めながら見ている。みんな映画が楽しみなんだろう。

 映画を見ることで、自分の小説を深められる。絶対にタダでは帰らないぞ、と意気込む。何しろ、夜桜先輩の卒業までにもう一年もない。

積極的に成長していかなければ。

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