誓い
「大丈夫。私たちはちゃんと見てる。」
私の全てをつつんだ最高の答えだった。
その日から私は元気になるでもなく、落ち込むでもなくただ中学生活を送っていった。
そして夜桜先輩とキュウちゃんは卒業していった。二人の卒業式に私も出席した。生徒総代にはやっぱり夜桜先輩が選ばれてた。キュウちゃんも候補に挙がったらしいが、「どうせ、答辞とか決まったことしか言えないんだろ?」とあっさり辞退したらしい。
式典のためにきっちりおめかしした先輩たちはとっても綺麗だったから、私も少し卒業するのが楽しみになるぐらいだった。
泣くことはなかった。
二人の爽やかさが私を悲しませないように寂しさを吹き飛ばしてくれた。
あの日から確かに私は変わった。
「小説」を書けなくなってしまった。
あの時の自分は全力で、自分の才能のなさを証明してたようなものだった。
書こうとするとあの日を思い出して、手が止まってしまう。先輩たちを頼るのが怖いのだ。自分の限界という壁に触るのが怖いのだ。
それでも私はまだ諦めきれないでいる。
私はまた、何かを一から始めることを恐れていたのだ。僅かなりとも積み上げた文の山を崩すのが怖いのだ。もしかしたら、という気持ちを捨てられなくて壁を睨み続けている。
「ゆっくり、ゆっくりでもいいから」
二人は書こうとして書けない自分をそう言って励ましてくれた。
コンクールにまた参加する勇気はない、でもせめてこの優しい先輩たちに私の言葉で恩返ししたい。だからいつか、また書けるようになりたい。私にとって誰よりも偉大な彼女らの、世界を、、、いや世界の片隅でもいいから私の言葉で彩りたい。もう大丈夫です、と安心させてあげたい。
「私、いつか先輩たちが面白いっていう小説を書いて見せます。」
そう私は誓った。




