救済
そのドアを開けるのは忍びなかった。
『創作活動同好会』。この看板はきっとキュウちゃんが描いたんだろう。しばらく見つめてから入った。
図書館に寄らず、直接部室に行ったのに夜桜先輩もキュウちゃんもいた。
「よう」
「こんにちは、ネコ。」
二人を見るとまた涙が出た。
「先輩、ごめんなさい。、、、私落ちてしまいました。」
「おおい、どうした。」キュウちゃんの声を皮切りに夜桜先輩も駆け寄ってくる。
「あれだけ教えてもらったのに、、、」
それ以上は続かなかった。昨日おさまったはずの涙が頬を流れる。
ただ私の泣き声が部室に響くだけの時間が流れた。
「どうしたのか?」キュウちゃんが私に声をかける。
私は昨日、コンクールを落選した旨を泣きながら話した。
途切れ途切れになる言葉を二人は黙って、そして真剣に聞いてくれる。その二人の優しさがさらに申し訳なさを引き立てる。それでもまた、甘えてしまう自分がいた。
「そっか、、、」夜桜先輩は、すぐに察してくれたようだった。
突然、私の体が暖かいもので包まれた。
気がつくと先輩の胸の中にいた。抱きしめてくれているんだ。お腹いっぱいになりそうなほどの優しさに心が痛む。
それでもあったかくて先輩の胸に顔をうずめてまた泣いた。今度は声を殺して。安心から涙腺がもっとゆるんでしまったみたいだ。
「ネコは頑張ったから、落ちたって関係ないんだ。」優しく頭を撫でてくれる。
まるで赤ちゃんに戻ったみたいだ。
「別に落ちたからって、ネコが書いた小説の価値が陥れられたわけじゃないでしょう?」
私はコクコク泣きながら頷くことしかできない。
するとぎゅっと肩を掴まれてやや強引に引き剥がされる。唖然とする私の前に夜桜先輩の綺麗な顔がある。じっと私を見つめている。私も涙を手でぬぐって見つめ返す。
「大丈夫。私たちはちゃんと見てる。」




