表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリエイト!  作者: 大塚
オールドデイズ
PR
41/60

結果

 見つけた封筒を守るように持つ。誰もいないエレベーターに乗り込むと 宛先を確認した。『猫実未来 様』とはっきりと印刷されている。遂に来たのだ。まな板の鯉の気持ちでいなければいけない時間はもう終わる。その次に来るのは、どんな気持ちなのか。鼓動が早まる。

 特にどんな感情でもない。ただ透明な気持ちが激しく揺れていた。嬉しくもなく、悲しくもなく、ただ何もない感情が移り変わろうとして泡立っていた。

 やけに長く感じた上昇時間を終えて住処のあるフロアにたどり着く。そしてドアの前に。封筒を落とさないようにカバンから鍵を触覚だけを頼りに取り出して、差し込んだ。

「ただいまー」おそらく家にいるだろう母に聞こえるように言う。

 家に着いたのに、普段感じる緊張感が緩む感覚はなかった。

「お帰りなさい」

 母の返事に頷いて、急いで自分の部屋に入る。ここでやっと、落ち着いた。だがしなくてはならない事がある。

 急いで机についでのハサミで封筒を開ける。折りたたまれた白い紙を目をつぶりながら開く。

「お、お願いしますっ」

 ばっと机上に広げた紙に書かれた文字を読む。目に飛び込んだのは、『残念ながら、落選とさせていただきます。』

 さっきまで空白だった心にに様々な感情が入り乱れる。過敏になりすぎていた。その封筒を開ける前と後では世界が変わったかのように感じるぐらい、私の心は激しく揺さぶられた。耳の奥で何か変な音がこだましている。視界が少し揺れた。すぐ机の向かいにあるベッドになだれ込む。全身から力が抜ける。そこでやっと目の前の現実がはっきりした。自分の小説は落選した。言葉すればそれだけの事だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ