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クリエイト!  作者: 大塚
オールドデイズ
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30/60

ペンを取る

そのあとは先輩達と創作活動同好会で過ごすことになった。キュウちゃんは理系の分野が好きな様で、機械工作とかを主にやっていた。ペンタブレットで絵を描いたりもしていた気がする。思えばデジタルが好きだった。

逆に夜桜先輩は本を読むか、書くかのどちらか。キュウちゃんが行動力で様々なことを試すのだとしたら、夜桜先輩は経験をただ小説に集中して生かしている感じだ。今まで小説を書くなんて人は見たことがなかったから、衝撃を受けた。まさか本を書くなんて自分には恐れ多いことだと思ってた。でも自分を生き生きと表現する二人を見て私も何かしてみたいと思った。

ある日、いつだったかはわからないけど今なら書けると思った瞬間があるあった。

歴史の時間、北条政子が御家人達を勇気づける場面。夜桜先輩みたいにかっこいい女性だなあと考えを巡らせていたらだんだん妄想が広がっていった。

かっこいい女性の、条件ってなんだろう。男の人よりも強いことか、それとも男の人を支えることだろうか。そういえば創作物で女性が活躍するのは少ない気がする。

戦う女性も、支える女性もかっこいい。仕事の為に結婚しないで頑張るのもいいなあ。もしSFものだったら、、、、

そんな感じでストーリーじみた物もでき始めてついにはそのストーリーを何度も頭の中で再生してるという状態が続いた。そうなってくると書けるんじゃないか。もしかしたらこの話は面白いんではないか。もし賞に応募したらもらっちゃうのでは、、、みたいなとんでもないことも考えてたけど、中学生だからそこは仕方ないか。

「私も、小説書いてみたいです。」

ついに夜桜先輩に相談してみた。

「おお、ついにネコもか、」夜桜先輩は感心した。その頃にはネコと呼ばれ始めて定着してた。

「頑張れよぉ〜」となりでキュウちゃんもパソコンに向き合いながら声をかけてくる。

「できたら見せてくれよ。楽しみにしてるから」なんてことも言ってくれた。

「はい。もちろんです。」

その宣言のあとは文章読本とかを読んでなんとか小説というか文字の山といったものが積み上がって行った。デジタルなものが使えなかったので原稿用紙に書いた。幸運なことに原稿用紙は部室にたくさんあったのでそれをただで使わせてもらった。

小説を書き始めてから私の生活は大きく変わった。いい意味でも、悪い意味でも。

書き始めた頃は世界が輝いて見えた。書く側に立ってみることで今まで読んでいた本が二倍も三倍も面白く感じた。

一冊の本を読むたびに自分の感性が磨かれていく様に感じた。いや、本じゃなくても映画でも、絵画でも良かった。先人が残した芸術、創作物が今までよりも感動的に心に訴えかけてくる様だった。生活の全てが、小説に活かせる。夜桜先輩の楽しみがわかったように感じて、あこがれの先輩に少し近づけたように感じて。嬉しさとワクワクでいっぱいだった。

いろいろな事が起こるたびに、これって小説に使えるよね、と心の中で宝物を見つけたみたいに嬉しくなる。授業中でもストーリーを考えたりした。寝るのも惜しいぐらいだった。夜は文章上達の為の本を読んだりもした。そしてもちろん書く。そんな日々が3ヶ月ぐらい続いただろうか。ついに私は小説を完成させた。タイトルはなんだっけ、確か「天界」っていうカッコつけたタイトルだった。

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