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ベンチャーNo.2の瀬川さんは、Z世代がわからない  作者: ru
2.社会見学

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26.

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「……という事だ」


 湊と池上と僕。創業メンバーだ。何かあればこの三人で結論を出す。


 といっても、最後に決めるのは湊だ。二人が反対しても、湊がやると言ったらやる。それがうちのルールだった。


 ちなみに池上は湊の大学の友人だ。僕は高校までの友人。なので僕と池上は仕事で知り合った仕事の仲間だ。


「ひゃあ、カレンダー読める人いないんかね、それか分身するう? 湊と俺様が10人ずつになったらいける。ひひっ もう無理。モームリ! ひひっ」


 珍しく池上が、湊より先に口を開き、引き気味の笑い声を上げながら早口で言った。


「……ええええ」


 湊は頭を抱えた。


「これはさすがに、逆境に燃えるぜ、とか言えねえ」


「……無理に引き受けて、評判を落とすか、断って今後の取引をあきらめるか」


 僕があえて冷静に言うと、湊は唸るような声を出した。


「瀬川はどう思う」


「どう考えたって断った方が傷は浅い」


「や、ちょっとまって、チョットマッテおにーさん、未来から10人くらい転移してくれば、ワンチャン、ひひ、ほら、未来感」


「池上、ちょっと黙れ~」


 池上は湊にたしなめられて肩をすぼめて見せた。大袈裟な、アニメーションのような表情。いつも大人しくて動かない池上がこうなるのは、本当にてんぱっている時だから、そっとしておいてくれと湊に言われている。


「うーわーーーーー」


 湊は池上に負けないオーバーリアクションで顔を覆った。


「えーーー、ここまでやったのにいい」


 湊もてんぱっているのだろう。


「うー、無理だな、あああ、どう考えても無理だなあ」


「……」


 僕は迷った。一つだけ、打開策はある。


 ただ、それがどういう結果をもたらすか。少し考えればわかることだ。それを、僕だけの問題だと、湊は切り捨ててくれるだろうか。


「……多分、緒方さんなら上から説得できる。……原さんもコンサルがどうのと言っていた。頼んでみようか、何とかならないか」


「何とかなるなら、最初から言えよ瀬川氏いい」


 池上が飛び起きて肩を組んできた。下手なウインクをしてサムズアップして見せる。


「じゃあそれでいいじゃん。はー、良かった良かったのすけ。……じゃ、俺もどるね」


 池上は、すん、と落ち着くと、席を立とうとする。


「まて」


 湊がそれを固い声で制した。


「あの人は駄目だ。頼ったら駄目だ。……そんな気がする」


 それを聞いて、ついホッとした自分に嫌悪する。これでは止めてもらいたかったみたいではないか。


 しかし湊は僕を見てはおらず、経営者の顔で宙を睨んでいた。


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