表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/261

第134話 遺跡の戻り道


 遺跡の最下層から上へと戻る道中。

 アタシは神楽と二人で歩いていた。

 ゼン様が寂しそうにしていたのだけれど、神楽は気にせずこちらに来てしまったし、リーダーがゼン様をがっちり掴んでいたので渋々この組み合わせになっている。


 ちらりと視線を先に向ける。

 その先には今回のアランとジェラルの二人だ。

 

 アランの変化が気になるものの、ちょっと変以外で特に影響は無いというか、向けられていた険悪な感情が無くなったので良い意味で影響が無くなった、という感じなので、放置しておく。

 また機会があれば聞いておくぐらいだ。

 ジェラルが何も喋りそうに無いというか、お、追い追いね、みたいな空気をだしていたからというのもある。

 

 視線の先、何やらジェラルがアランに話しかけている。

 あの奥手そうなジェラルが、アランに積極的に絡みにいっているのを見るのは不思議な感じだ。

 ……アランはジェラルに対しては普通そうだ。

 それに、ジェラルが絡みにいっている状態でも特に変だとは思っていなさそう。

 二人の時は、ジェラルも態度が違うのかもしれない。

 

 ゼン様とリーダー達の会話は後ろで続いている。

 魔道具の買い取りに関しては一部行うようだ。

 例の小部屋に置いてあった魔道具はゼン様に見せたらしく、買い取りが成立したらしい。

 買い取り金額自体はクエスト仲介所よりも良いのか、リーダー達の顔つきがかなりほっとした表情になっている。


 

 アタシの横で、神楽がへぇーと声を出しながら遺跡を眺めている。


「面白いよね、こういうところ」

「数百年以上前の建物なんですよね。それにしては……私達の魔道具より、進んでいるというか……」


 神楽が、通り過ぎる部屋の入り口横にある四角いパッドに触れると、ドアがシュットしまった。

 この世界にも、学園などの研究所施設レベルになれば自動ドアも普通にあるが、魔道具を湯水の如く使うため、民間に普及しているとは言いがたい。


「ずっと昔に生きていた人々は、アタシ達よりも遙かに魔法も、魔道具の知識も優れていたんだよね」

「……そんな人達が、どうしていなくなったんでしょうか」

「そんな人達がいっぱいいても、魔獣は強敵だったんだろうね」


 過去の文明を滅ぼしたのは魔獣だ。

 まぁ、元々は魔獣では無く、概念上は別の生物だったんけど。


 それはともかく、神楽は、この遺跡に入ってからはどうもゼン様にお姫様抱っこされて駆けていったらしく、あまり見れていなかったそうだ。

 だからこうして楽しそうに遺跡を見ているわけだが……。


 お姫様抱っこ。

 

 ……そう聞いた瞬間、アタシは血涙が出そうだった。

 ゼン様がルカをお姫様抱っこって、それはもうスチルだよ。一枚絵だよ……!

 二人の関係性を考えながらニヤニヤするようなものだよ……!

 ここから始まる恋の予感とか、主人公のメインヒロインである神楽が顔を赤らめて身を縮めたりとかさぁ……!

 そういうのを、見たかった!


 思わずルカの肩をガシリと掴んで恨めしい表情をして『な、なんで!? なんで!? どうして教えてくれなかったの!?』って揺さぶってしまった。

 無論、ルカが目を回すだけで意味が無いのだが。

 ゼン様から何をやっていると小言を食らってしまったのは不覚だった……。

 

「ここに来たのはクエストですか?」

「アタシ達はねー。未調査の遺跡ってヤツ? 誘われたし、面白そうだったからね。こんな事になるとは思ってもなかったけど」

「ゼンさんが間に合って良かったです……。恐ろしく強い、首無しの騎士型の魔獣と戦っている仲間がいる、と聞いた時は驚きましたし、下に居たのがオリヴィアさん、というのも知ったときは……」


 そこで立ち止まる。

 眉を下げた状態で、自らの両肩を抱いてぶるりと震えた。

 

「……ありがとうね」

「無事で良かったです」


 と改めて言われる。


「ゼン様がここに来たのを見て、かなりほっとしたよ」


 あのままでも魔獣は倒れていたとは思うが、アタシの剣が刺さったままだったし、流石に誰か死人が出たと思う。


 そのまま歩き続く事、しばし。

 行きの時よりも遙かに早い時間で地上に上がると、まだ太陽は十分に明るい。

 時間感覚が少し狂っている。

 理性ではそこまで遺跡攻略に時間が掛かっていないと思っていても、外は暗いもんだと何故か思っていた。

 こういう所も、実際に体験しないとわからないことの一つだろう。


 

 地上に出ると、足早に遺跡の横へと向かう。


「? オリヴィアさん、何をしてるんですか?」

「んーここら辺にあると思うんだけど……」


 草むらに飛び込むと、何となく見覚えのある景色が無いかを見回す。

 さて、では本当に、今回の件が知っているイベントなのか、そうじゃないのかの答え合わせをしてみましょうか。


 アタシは、記憶にまだ残っている、フィオレンティーノ・ジャイルズルートのスチルを思い出しながら、周辺を探し始めた。

 

珍しく、休日の朝から動いたのですこぶる眠いかったです。

短めですが、次の更新は引き続き土曜深夜となりますー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ