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ホムンクルスの魂を探す旅路  作者: sisousi.kenta


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8/10

歴史上人造人間は人をかばい死なねばならない。

「嘘です。私はだまされない。」


私の迷ったという告白に、だます者はそういった。

だます者の焦った雰囲気に私も不安になってきた。


「はい。嘘です。本当です。こっちであってます。騙そうとしてごめんなさい。」


私はとりあえず、ごまかすことにする。


「ふふ~ん、やっぱりね魔法使いがそう簡単に迷うわけないもん」

勝ち誇るだます者。

私はこっそり探知の魔法で周囲をさぐる。


大魔境ともなれば私の実力ではほとんど探れない。

勘をたよりにとりあえず私は精霊の多いほうに進む。


精霊は実際には何もしてこないことが多い。

戦いたいのではなく、観察したいだけ。


私は大魔境を突破できなかった。

迷ううち私はより望んで似たものを見つける。


巨大なな生命誕生の素、私が近づいても消えない。

そこからは精霊と妖精がひっきりなしに現れる。


突破とは真逆。きっと神隠しの樹海の心臓部についた。入って後出る者は心臓には来ない。


取り込まれたものが来るところが心臓だ。


「やっと見つけた。」


それでも私はそうつぶやいた。


思えばこの時私はもう狂っていたのだろう。

大魔境の突破などもうどうでもいい。


私の願いがかなう。

探し続けた物、生み出し続ける機能を停止させ、待ち出す事が出来れば、私は錬金術師として、そして師匠の弟子として、世に認められる。


師匠は昔見た物語の話を聞かせてくれた。

世界の危機を救うため、主人公仲間の一人が犠牲にならなければならない。


主人公の仲間に一人いた人造人間がその役をかって出る。

だれだって死にたくはない、一番穏便に収まる形がそれだった。


感動を呼ぶが違和感は呼ばない。


いやで、つらく、悲しい、けれど、人造人間は進んでその役をかってでなければいけない。

限りなく近くてもニセモノに過ぎないのだから。


それまでだって多くの者は、人造人間だなんて気にしない、君は友人だといってくれるだろうし、そのように接してくれていた。


ただ本当に誰かが犠牲にはる場面、人造人間以外が名乗り出たなら別の道をもっとギリギリまで探す。


それは些細な差。

ホムンクルスである私はその些細な差が怖い。


だから私は極大の生命誕生の素へと手を伸ばす。

私はだます者の手を離していた。


巨大な生命誕生の素それは極大の呪い。

自らを手に入れようと望むものに最大の抵抗を示す。


こちらの世界には生まれ筈ではなかった、強大な力をもつ精霊が生まれる。


極大な生命誕生の素は逆にその事で自らの力を使いはたした。

世界が終わる。私は立ち尽くす


「ダメ!」


私はだます者に突き飛ばされる。

私をかばっただます者は体が半分に引きちぎれる。


精霊は不定形、半分になろうと関係ないはずだが、もう助からない。

魔法はルールの押し付け合い、精霊が不定形で、死なないという性質を超える死の力がこもっている。


奴にすればそんな気はなかっただろうが、格の違いがそうなってしまった。だます者は死ぬ。私のせいで。

私が手を離したから。


「精霊様、きっと助かります。」


私は涙を流しながら精霊様の半身を抱き上げ、魔法による治療を行う。


「嘘です。私はだまされない。」


「僕は何もしてないよ。僕は悪くない」


様子を見ていた新たに生まれた精霊は私たちにそういう。世界を滅ぼす災厄、最初に殺されるのが私たちなのか、それともこのものが何か魔法を放てばその瞬間、等しく世界が消滅するのか。



物語とは違う。私が犠牲になった程度では世界は救われない。



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