精霊との出会い
某年某月某日 妖精と精霊の世界に通じるといわれる大魔境前
神隠しの樹海入り口付近、師匠はこの地で生命発生の素を手に入れた。
師匠の死後私もこの地の近くに引っ越し、錬金術で作った家に住み研究をつづける。
生命発生の素はこちらから探さなければ触れることは出来ないのだ。
魔力という奴だろうか?
まだわからない。動く生き物と触れる位置では何かが邪魔して生命は自然発生しない。
人里離れた土地でじっと止まって待つ事が必要となる。魔力も隠し動かない。
そうすると生命発生の素が多少近くに現れる場合がある。
私も知識に従い魔境前で動かない。
生命誕生の素は何度か現れたが手にはいれられない。
今回は生命発生の素ではなく精霊が現れた。
「敵対する意思はない」
精霊が話しかけてくる。
かつて精霊は最もわかりにくい種族の一つだったが今は多少なりともわかり始めた。
人族は精霊のように剣や銃のきかない体を求め、よく観察をしてきた。
1000年前の錬金術師たちは魔術師を圧倒する観察力でより早く銃や剣のきかない体を手に入れた。
そのことは錬金術師を傲慢にさせ、魔術師との仲を悪化させたのだ。
精霊に対し私は警戒を緩めない。
人の本能というものだろう、精霊は言葉に出来ない微妙な違いで人と敵対するものかどうかがわかる。
私はホムンクルスだがベースは人だと思っている。
この精霊は騙す者と呼ばれる種類だ。
精霊に対し人は○○な者と名付ける。
友好を語りどこかへ連れていく。
連れていかれたものは2度と帰ってこない。
神隠しの樹海の呪いを一段階弱くしたような役割を担う。
だが他の生き物にさらわれた時点で殺されると考えるのが自然だろう。
ただの、普通の、人類の敵に過ぎない。
「精霊様、この樹海の先には何があるのでしょう。」
私はそう尋ねる。
人に害をなす精霊ほど人の言葉をうまく扱う。
精霊は語る
「精霊の世界がある、我々はそこに帰りたいが、樹海は呪いに満ちている。私だけの力では超えられない。ともに来てくれないか。」
「行きましょう」
私は答えた。
優秀な魔術師や錬金術師でも大魔境を突破できるものは10人に一人。
挑戦できるレベルに達しないものがほとんどの危険な旅だ。
まして、私はだます精霊とともに進む道を選ぼうとしている。
私なりの考えのあっての事だ。
ともに旅立つにあたり精霊は人に近い姿を取った。
全身青い女性の姿
「どうも、騙す者と呼ばれる精霊です。ではいきましょう。」
その自己紹介に私は思わず笑ってしまった。




