ミラと精霊
だます者といったん私の家に向かう。
生命誕生の素を探すため小屋だ。
そこには今必要なものだけが置かれている。
今日はもう遅い、準備を済ませてから明日大魔境に向かう。
魔法により一部屋を増築し騙す者を案内をした。
「精霊様に部屋が必要なのかはわかりませんが、人型をしているとつい用意してしまいます。」
私はそうだます者につたえる。
「どうもありがとう」
一瞬目を離したすきにだます者はカニの形になっていた。
私は研究室に向かう。ここでもだます者は私についてくる。
入り口ではミラが目を回して倒れていた。
研究を盗まれてはいけない。
罠にひっかかったのだろう。
ミラにお説教をする。
私だからよかったが、殺されても文句を言えないことをしたのだ。
未熟なものが使うと身を亡ぼすことになりかねない。また多くの人を巻き込むような事態もあり得るのだ。
「言ってくれれば見せられるものは見せるから、勝手に忍び込むんじゃないよ」
私が言うとミラは泣きながらうなずいた。
だます者は怒りを示す色に変化している。
呪いにまみれた手でミラをなでようとしたのを私は慌てて止める。
「だれよ、その女!」
だます者はそう叫んだ。
私が恩師の孫だと教えるとだます者はミラをにらみつける。その視線が徐々に呪いを帯び始める。
それを私が慌てて止める。
埒が明かず私はミラの父を迎えに呼ぶ。
ミラの父は転移の魔法でやってくる。
ミラは父にもおこられて再び泣いてる。
「君が悪いわけではないという事はわかっている。父のことでは感謝をしている。それでも、もう娘には近づかないでほしい。だます者を家に入れる者など異常すぎる。君とはもうかかわりたくない」
ミラの父はそういった。
ミラも何かを言おうとしたが何も言えなかった。
そして私もうなずく事しかできなかった。
文句の一つも言わない私を見たミラの顔には絶望の顔が浮かんでいた。
自分の軽はずみな行動の結果という事は本当はわかっているのだろう。
だます者はきっかけに過ぎない。
私はしょせん人造人間、人間とは違う。
だます者もミラの父に退治され、私はまた一人になった。
私は研究室の奥、師匠が作りかけた恋人の元へ向かう。まだ姿は決まらない。生命誕生の素を宿せば人の姿を取るだろう事だけはわかる。
生命誕生の素を探し、宿し、適合させる。
あとは頃合いを見て時を止める結界に魔力を流し止めることで人となる。
時は止まっているが生命誕生の元を宿すと姿は変わっていく。
止まっているが変化は起きる。
魔法とは矛盾の克服。
今はまだ生命誕生の素も手に入れられていない。
「だれよ、その女!」
不意に聞こえた声に振り向く。
だます者は生きていた。ミラの父は見事にだまされたのだ。




