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朝起きたら幼気な乙女が自宅の玄関ドアを叩いていた件について

作者:蔵前
 ある春の日。自宅玄関を騒々しくノックする音によって、殆ど二日酔いに近い青年がたたき起こされた。彼は痛む頭を抱えながら玄関ドアを開けたが、そこには自分が手を差し伸べねば数時間しないで死んでしまうであろう美少女が佇んでいたのである。
 しかし、彼の頭に少女が美少女という情報は届かない。
 今にも死にそうな巣から落ちた雛、という風にしか彼には思えなかったのだ。
 どうしよう?
 彼はパニックに陥り、するとなぜか彼の意識は日本の大型掲示板にリンクし、さらに、鳥愛好家が集う板にスレを立ててしまっていた。
 【俺の家の玄関に鳥の雛が落ちていたのだがどうするべきか】
 青年は人間の少女について相談したいのに、板の人間達は鳥飼の視点でしかアドバイスしてくれないという、これはそんなスレのログである。
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