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通りすがりの冒険者

投稿が遅れて申し訳ありませんでした

いつの間にかブックマークが30件超えてて喜んでます

嫌な気配。そう言われ私たちはレイシアの指差す方向に武器を構えた。固唾と息を飲み、それが現れるのをジッと待つ。


やがて草むらがガサガサと音がなり、そこから出てきたのはーー1人の冒険者だった。


「えっ、なんで武器を構えているんですか!?」


冒険者は武器を構えた私達に気づくなり、ギョッとした様子で後ろに尻餅をついた。


てっきり私たちは、嫌な気配とは盗賊や悪魔とか、そういうものだと思っていたので、ふぅ、と一息ついて武器を収めた。


「どこが嫌な気配なんだよ!」


ライルは魔銃を下ろしながら、レイシアにツッコミを入れた。しかし、レイシアは未だに冒険者を睨みつけたままだった。


「申し訳ない、冒険者の方。盗賊や悪魔だと思って警戒してたもので」

「いえいえ、そんな気にしないでください。しかしながら、こんな竜の住まう山なんかに来て、どちらへ行かれるんですか?」

「少し遠出を」


申し訳程度にアルラさんが、冒険者に謝った。いきなり武器を向けるのは、山賊なら当たり前だが、今はそういう状況ではないので、それで良かった。


冒険者は、案外親切で普通に言葉を返してくれた。


「遠出ですか。自分も今、遠出の最中なんですよ!そちらはどこまで行かれるんですか?」

「少しアルデン王国の方までな」

「へぇ、アルデン王国に…」


それだけ聞くと、冒険者は尻餅をついた時に散らばった荷物を回収し始めた。冒険者は、私たちに「お気をつけて」と告げ、その場を立ち去ろうとした。


しかし、何かを思い出したように私達の方を振り向き、こう尋ねてきた。


「最後に、あなた方のお名前を尋ねてもよろしいでしょうか?」


少し考えた後、名前だけ名乗ることにした。


「俺はアルラだ」

「私はアリア」

「ライルっす!」

「……………」


相変わらずレイシアは、冒険者を睨みつけたままだったが、そこは気にしないでおいた。


本来ならば、王妃の身で名前を名乗るのはどうかと思ったが、アリアなんてありふれている名前なので大丈夫だと思った。


「そうですか、君達の旅に祝福あれ!」


そう言うと、冒険者は満足そうに去って行った。


「フリードさんが待っているから早く行こう」

「了解っす!」


アルラさんにそう言われ、ライルは肉の入った大袋を背中に担ぎ、来た道を戻ろうとしたところで、誰かに足を掴まれた。


見れば、そこにはライルの足を掴み、無言でライルのことを見つめるレイシアの姿があった。


「どうした?」

「………私も連れて行って」

「………………へ?」


ライルが一瞬、硬直した。


アルラさんと私で「どういうことだ」という目でライルを見つめた。


見れば竜人の少女だということと、ライルに敵対していないことから、私達の敵ではないことは分かったが、あのライルがどうやって手懐けたのかが謎だった。


どうすれば良いか分からず、あたふたするライルを差し置いて、レイシアが理由を述べた。


「………私、種が違う竜ではぐれ者なの。ここにいるよりライルについて行きたい」


種が違うとは、レイシアを追っている時に見た赤色のワイバーンの姿のことなのだろう。確かに今まで見てきて、赤色のワイバーンは1度も見たことなかった。


それを聞いたアルラさんは、かなり悩んだ結果、こう結論づけた。


「一度フリードさんのところに連れて行こう。それで連れて行くか決めてもらう」

「………私はライルに付いてくだけだから大丈夫」


何が根拠だか分からないが、ライルに付いてくとだけ言い張るので、とりあえずフリードさんの所に連れていくことにした。


ライルは微妙な表情で苦笑いをしながら遠い目をしていたのを、私はしっかり見ていた。


「名前はなんていうんだ?」

「……レイシア」


レイシアはライルにピッタリとくっつきながら、私たちの仲間のいる所へ向かった。

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