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竜人の少女

事情のため、次の投稿に5日程度時間が空くかもしれません

ライルの目の前に現れた竜人の少女。


澄んだ青い瞳はライルの全てを透かすかのようにライルをじっと見ていた。何を言われるのかと戦慄していた。


しばらくライルと少女の睨み合いが続いた後、少女はブレイズドグラの肉が入った大袋をバッと抱きかかえた。


その目が訴えていたのはつまりーー


「………これは私の」


大袋を自分のものと言わんばかりに、ギュッと抱きかかえていた。


他の山賊ならば、「知らん」と言って撃ち殺しているだろうが、ライルはまだ歳が若いことや、相手がまだ幼い少女だったこともあってか、殺すのを躊躇ってしまう。


「………私を殺さないの?」


どうすれば良いのか分からずにいるライルに少女は問いた。


少し考えた結果、ライルは渋々銃を降ろし、大変悩ましい顔をしながら答えた。


「人を殺すのは苦手なんだよ」

「…………」


それは山賊にとってはあるまじき発言だった。


その発言にキョトンとする少女。さっきまで自分を殺す気が満々だった男が、急に「殺しは苦手だ」といえばそうなるだろう。


ライルは少女に近づき、大袋をそっと奪い取ると、それを持ち帰る前に少女に尋ねた。


「なんでこれを奪ったんだ?」

「…………お腹が空いてたから」


少女はそれだけ言うと俯いてしまった。


それを見たライルは、大きなため息をつき、どうしても放ってはおけない自分を心の中で叱りながら少女に近づいた。


大袋の中からブレイズドグラの肉を少しだけ取り出し、少女に差し出した。


少女は顔を上げると、またキョトンとした表情でライルを見つめる。


「腹減ってるんだろ、食えよ」

「…………いいの?」

「少しだけならバレないさ」


それを聞いた少女の表情がパァッと明るくなった。


20kgもあるのだから、500gm消えたところで何も影響はなかった。少女はライルから肉を受け取ると、豪快に手づかみで食べ始めた。


幼い少女が魔獣の肉を手づかみで豪快に食べる様はなんともいえなかったが、少女の方は満足したようだ。


「ねぇ君、名前なんていうんだ?」

「……アストラル・レイシャ・パテルノー・ガル・レイシア」

「名前長っ」


あまりにも名前が長いので思わず口にしてしまった。しかし竜人なので、そういうことなのだろうと気にしないことにした。


「……あなたの名前は?」


今度は逆にレイシアがライルに名前を聞いた。ライルはいつも答えてるのと同じように答えた。


「俺はライル・ウェルザス。元アルデン王国の騎士の成り下がりさ!」


ライルはドヤ顔でそう言ったが、言っていることは自虐でしかなかったので、ウケはしなかった。


それどころか少ししらけたため、話題の転換を図ろうとしたライルよりも先に、レイシアが口を開いた。


「……誰か来るみたい、数は2人」


ライルは、こんなところの山奥に来るなんてろくな奴がいないと分かっていたため、レイシアが指を指した方向に魔銃を構えた。


やがて草むらがガサガサと動き、そこから出てきたのは予想外の人物だった。


「あ、いた!」

「アルラさん!アリアさん!」


来たのは、ライルの助太刀に来たアリア達だった。正直、1人で帰るのは不安だったため、これで一安心だと思った。


だがーー


「……もう1人来る。嫌な気配」


今度はレイシアが、アリア達が来た方向と逆の方向に指を指した。


そこから現れたのはーー

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