第17話:チーム対抗戦②
「ハッハー!!!!!!!」
ドガガガガガガガッ!!!!!
【M60E4】の重圧で壮大な咆哮。
7.62×51mm AP弾の天井ごと貫く弾幕掃射が始まった。
コンクリートの天井を、AO達の床を発泡スチロールのように粉々にし
オレンジ色の火花と弾幕の軌跡が、空へ向かって突き上げる。
「ダーッハッハッハ!!!
こんまま建物ごとツブしてやんぜぃ!!!!!」
RINは快感に酔いしれ、天井へ向かってトリガーを引き続ける。
大量の銃声と排莢音、破壊音の狂乱の中
彼女の意識は完全に天井のコンクリートに集中していた。
だが直後に、その少し横......上階のコンクリートを支える鉄骨から
巨大な影が落とされる。
「.......フッ!!!!」
すこし小型で、ボロい狙撃銃...【B&T APR308S】を抱えたB0risが
上階からRINに向かって真上からダイブしてくる。
「気でも狂ったかデカブツゥ!!!
ンな事しても変わんねぇ!!!ハチの巣にしてやんぜぇ!!!!!」
弾幕の快感をそのままに、RINはB0risに照準を合わせようとする。
しかし銃口を真上に向けようとすると、途中で動きが鈍くなった。
「あぁ.....!?ンでだ.........ッ!?」
「.......ぬかったな、M60ほどの機関銃なら
真上まで銃口を上げる事は難しい....!それも急ならな...!」
「クッソがぁああぁぁああぁ!!!!!!!!」
RINの雄叫びとM60の咆哮もいまや、向かう先のない悲鳴となっていた。
飛び出てきたB0risはそのまま、RINの顔面に向かって引き金を引いた。
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m1shaは足音を消し階段をゆっくり、一段ずつ上がる。
タワーシールドを前に、脇から【CZ75 Auto】を構えて
B0risとAOが居るであろう2階へ進んでいた。
「入り口を塞いだ」という発言をブラフにし
(2階には上がってこないだろう)という油断を突く作戦だった。
踊り場まで到着すれば、視界の端では
RINのHPバーが消し飛びDeadマークへ変わる。
「はぁ.....やっぱりドジッた.........ま、私1人で十分か。」
はなから期待してはいなかったが
1対2を攻略するのは面倒だと思い、先に1人仕留めようと考え
少しだけ急いで階段を再び上がり始める...........
「ッ!!!!」
盾に重く鈍い衝撃、だが発砲音はしない。
衝撃は継続的に続き、それが銃弾によるものではないと気づくのに
時間はそこまでかからなかった。
「うああぁああぁあ!!!」
「ニュービー!?何を.......ッ!」
盾に突撃してきたのは、AOだった。
AOは盾にタックルをかまし、階段にいるm1shaを押し続ける。
不安定な足場もあり、2人は踊り場まで転げ落ちる。
落ちた衝撃で盾を手放してしまい倒れてしまう。
「クッソ、なんのつもり......ッ!?」
「m1shaさあぁあぁぁあぁあん!!!」
転げ落ちたAOは、m1shaを掴み階段へ押し出した。
抵抗する間もなく、2人は再び階段から飛び出す。
「やっ...やめろバカ!!!」
「ああぁあぁぁああああぁあああ!!!!」
再度階段から転げ落ち、1階部分で倒れる。
衝撃とダメージで呻くAOとm1sha、先に動いたのはm1shaだった。
盾を離してしまってもまだ握られていたCZ75をAOへ突き付け動きを制す。
「あはっ....ニュービーのくせに生意気なの.....!
でも褒めてあげる、私からシールドを取り上げたのは
アンタが初めてだから.......!!」
「ぐぅ........っ!」
銃を突き付けられ、AOは動けなくなる。
勝ちを確信したm1shaはニヤリと笑みを浮かべ、トリガーに指をかけた。
「私の勝ち、痛い思いをしたくなかったら......」
「.....無駄な抵抗はせず銃を捨てろ、だろm1sha。
お前が捨てるんだ、決着はついたな。」
m1shaの背後から声がかかる。
カチャと金属の音、銃を向けられているのが感覚で理解できる。
「.......ああそう、ここまでが作戦ってことね.......。」
RINを叩き伏せ、静かに背後へ忍び寄っていたB0risが
至近距離でライフルを後頭部に向けて見下ろしていた。
m1shaの顔から余裕が消え、だらりと腕の力が抜ける。
『そこまで~~~~。』
マップ全体に響き渡るようなStriXからのアナウンスと共に
【MATCH SET -WINNER A TEAM-】というポップアップが
視界の中央に浮かび上がった........。
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「だあぁああぁああぁぁぁあぁああ!!!!!!!
AOちゃの作戦だろアレ!上から降ってくるとか反則だぜ!!!
天井崩すよりM60で真上向けって方が無茶だろ!!!!!!!!」
「なによあれぇ!!!捨て身で盾に突っ込んでくるとかありえない!!!
身体じゅうあちこち痛いし!擦りむいたし!!
責任取りなさいよ!!!!!スイーツとか奢ってさ!!!!!!」
セーフゾーンへと転送された私とB0risさんは
m1shaとRINに詰め寄られていた。
B0risさんは関係ないと言わんばかりに、それを無視している。
「......いい作戦だった、かなり無茶だかな。」
「あはは.....でも、あれしか思いつかなくて。」
私達は、武器を背負いなおす。
するとB0risさんは、ポンと私の肩に大きな手を置いた。
RINも私の首に手を回して、わしゃわしゃと頭を撫でまわしてくる。
「AOちゃ~~!!!いつからンな作戦思いつけるようになったんだ~!!!
機関銃の弱点をいつ知った~!?どこで学んだ~!!!!!」
「B0risさんから、RIN達が入ってくるまでに教わったの。
元々は私がRINを相手する予定だったけど...それよりも~って。」
「なんでB0risじゃなくてアンタになったのよ!!!
タックルならB0risの方が向てんじゃないの!?」
よこからm1shaさんもB0risさんに詰め寄っている。
ぎゅうぎゅうに詰められて潰されそうだけど、少し楽しい。
「はいはいそこまで~。
グッドゲーム、とても面白い戦いだったね。」
観戦室から戻って来たStriXが歩み寄ってくる。
温かい笑みを浮かべながらパチパチと手を叩き
スッとその顔を真剣な物へと切り替えた。
「さて.....ここからが本題だ。」
StriXの、普段より低い声が部屋を満たす。
少しだけ緊張感が増す、周りのみんなも一緒だった。
「2週間後に、『セクターZero 奪還作戦』と
それに参加するための『公式予選』の開催が決定されている。
ルールは単純明快、そして苛烈......
予選専用エリア『ロスト・ストリート外縁部』に同時突入する32チームの中で
最深部の『認証コア』を奪取し、生きて脱出すること。」
「32チーム....脱出できるのは......?」
「1チームだけ、その予選が同時に12試合行われ
そこで脱出できた12チームが本試合に参戦する権利が得られる。」
息をのむ、今までの試合とは比べ物にならない本当のサバイバル。
倒れればロストするだけじゃない、スカベンジャー達の
過酷な生き残りをかけた、真の.....命がけの戦い。
「相手は野良で組んだパーティなんて存在しない。
トップクランの精鋭や、PKを専門とした戦闘のスペシャリストが
大勢エントリーしてくる...........覚悟は出来てるよね?」
「上等ぅ!!!!!」
一番に声を上げたのはRINだった。
私の首に手を回したまま、グラグラと揺らす。
「私達のSAFでの生き様をぉ!!見せつけてやろうじゃねぇの!!!」
「フン、今回みたいにドジらないでよね。」
「.......全力で往こう。」
みんなの視線が、StriXに集まる。
私達の、本当の『命がけの戦い』がここから始まる。
「うん、勝とう.....!」




