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スカベンジャーズ・イージス・フォルト  作者: みやなぎさん


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13/20

第13話:宣戦布告

改良した【SIG MPX-K】と【M60E4】を携え

テストレイドに出撃した戦果は、言うまでも無く大成功だった。


1.5-4倍のスコープを取り付けたおかげで

今までは戦えないと思っていた距離も、システムに頼らず

多少は当てれるようになり、近接での取り回しの良さも変わらず

考えていたことを両立させてくれた。


RINの方も言わずもがな、ヘビーバレルとAP弾の相性は抜群で

それを200発全て乱射する大音量の咆哮と弾幕は

敵を遮蔽物もろとも粉砕し、反撃の隙を与えることはなかった。


「ハッハーッ!!!これだよこれぇ!!!!!

 私がやりたかったのはこういうレイドなんだよなぁあぁ!!!!!」


ロビーに戻り、2人してホクホク顔で戦利品を整理していた時

私の視界端にポップアップウィンドウが開かれ、短い通知音が2回鳴り響いた。


「ん.....?なんか通知きた.....メッセージ?」


「誰だぁ~?轢いたヤツからの負け惜しみかなぁ~!?

 わざわざか弱いAOちゃに連絡なんてぇ....ブッ飛ばしてやるか.....!!!」


「あはは、そんなことないと思うけど....

 えっと送信名は..........StriXさん...!?」


画面を見た私たちは驚愕した。

『StriX』つい先日『レッドコア』争奪戦で

過酷な現場の中、圧倒的な知略と狙撃で私達を導いてくれた

このゲームに慣れているRINが、あの後に

「ありゃあタダモンじゃねぇぜ、ラッキーだったなぁ!」

と評価したほどの、凄腕のスナイパー。


「やっぱ報酬くれ、って話なら全然別にいいけども

 .........そういうノリじゃあなさそうだぜぃ。」


先に本文を読んだRINはそう言葉を零す。

私もそれに続いて本文を読めば、彼らしい軽薄で

楽し気な文面が躍っていた。


『拝啓 可愛いスカベンジャーさんたち

 

 あれから1日、君たちの事は多少ながら噂になってるみたいだよ。

 銃をカスタマイズしている所も、どんなカスタマイズしてるかも

 ぜ~んぶ噂となって流れてきてる。

 このゲームを楽しんでくれてるみたいでよかったと、心の底からそう思う。


 そんな立派なスカベンジャーの君たちは覚えてるかな。

 別れ際に「次逢った時は何か貰う」って言ったのを。

 約束通り貰う事にした、装備もアイテムも、君たち自身も

 一滴残らず、最後まで。


 明日の22時に、初めて会った場所でもう一度会おう。

 詳しい事はそこで話す、来てくれるって知ってるよ。


 StriX』



「相変わらずカッコつけてんなァ.....でも要は

 こりゃ宣戦布告ってこったろ、ブッ飛ばしてやんぜ!!!」


拳を打ち鳴らし立ち上がる。

私はその本文を、1文字1文字を噛み締めるように眺める。


(一滴残らず.....やっぱりあの人

ただのスカベンジャーじゃなかったんだ..........。)


あのスコープに映るのは、次は自分。

明確にターゲットとして指名されたことに

恐怖と共に高揚感が身体を駆け巡る。


「にしても初めて会った場所ぉ?

 イベントロビーはもう撤去されてっし......。」


「路地裏の配管.....かな。

 あそこで初めて会ったんだよ。」


「ならそこだな!うっし!!!

 どんな企みだろうが知らねぇ!!直々にツラァ拝んで

 直接話を聞いたろうじゃねぇの!!!!!」


「うん、逃げる理由なんてないもんね。」


「おぉ....!!!AOちゃが立派なスカベンジャーに

 成長してる.....!!!私ぁ感動した!!!!!!!

 っし!明日に備えて!今日は早めに切り上げて弾薬補充だ!!!」


明日の22時、StriXからの宣戦布告。

彼は一体何を期待しているのか、どんな事を企んでるのか

今の私たちは知る由も無かった。


──────────────────────────────


圏内エリア、メイン通りから裏に入り

入り組んだ先にあるジャンクショップの前。


「わざわざここで買う必要ある?

 今持ってる武器でいいじゃん、どうせ何使おうと

 何使われようと私達なら負けないって。」


大型のタワーシールドを背負った小柄な少女が

心底面倒そうに歩いている。

隣にはクマのように巨大な体躯、その背中には

さらに巨大なボルトアクション・スナイパーライフルを担いだ男が

重々しくため息をつく。


「.....あの男の言う事だ、言いなりになるのは癪だがな。

 それに、何を使っても負けないのなら良いだろう。」


「金の無駄になるのがイヤなの...!」


2人はため息をつきながら、薄暗いジャンクショップの中へと消えていった。

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