書き換えられた日常
5月9日の早朝、陸沈は目覚ましが鳴る前に目を開けた。彼はうっすらと暗い天井を凝視し、その場でしばらく身を硬くしたまま動けずにいた。一度でも目を閉じれば、時間が再び5月8日の『社会倫理』の授業へと巻き戻ってしまうのではないかと恐ろしかったからだ。
彼は手を伸ばして枕元のモバイル端末を掴み、画面を点灯させた。
5月9日、午前6時12分。
陸沈は日付を何度も確認して初めて、肺の奥深くに溜まっていた濁った息を緩やかに吐き出した。この一夜は無事に越えられたのだ。
身支度を整えながら、彼は昨夜決めた実験の順序を脳裏で反芻した。
まずは、登階考や陳虎の成績に一切干渉しない日常の選択を変えること。
食事の場所を変え、記憶にある廊下での衝突を回避する。
陸沈はいつもと同じ時刻に家を出た。
学校へと向かう道中、前回の5月9日に目にした光景が予定通り次々と現れた。交差点の大型ビジョンには居住資格更新制度の啓発映像が流れ、道路の向かい側では制服を着た生徒が食べかけのパンを口に咥えたまま全力で走っている。古い集合住宅の前では、管理人が壊れた身元認証機を叩きながら罵声を浴びせていた。
教室に入ると、蘇晴はすでに机の上に三冊の参考書を几帳面に広げていた。
「おはよう」
彼女はいつもの調子で挨拶を交わすと、陸沈の顔を数秒間まじまじと見つめた。
「昨日よりずっと顔色が良さそうね」
「一晩寝たからな」
「昨日、睡眠不足じゃないって言ってなかった?」
「色々考えてたら余計に疲れたんだ」
背後から鞄が机に叩きつけられる重い音が響いた。
「よお、預言者!」
陳虎がそのまま椅子に深々と腰掛け、面白がるような笑みを浮かべた。
「誰が預言者だ」
「昨日、俺が言おうとした言葉を寸分狂わず言い当てただろ。ついでに登階考のボーダーラインも予測してくれよ」
493点。
その数字が瞬時に脳裏に浮かんだが、彼は口に出さなかった。
「それが予測できるなら、こんな苦労しない」
「ちぇっ、使えねえ預言者だな」
陳虎は笑いながら参考書を開いたが、数秒も経たないうちに大きなあくびを噛み殺した。
その仕草は以前と寸分違わぬものだった。
◇
昼休みの予鈴が鳴るやいなや、陳虎は習慣のように立ち上がった。
「食堂行くぞ! 今日は麺類の大盛りが割引らしい!」
前回の5月9日、二人は第一食堂の窓際に座り、陳虎が大盛りの麺を勢いよくすすりながら登階考への愚痴を延々とこぼしていた。
陸沈は鞄から端末を取り出すフリをしながら、昨夜決めた第一の実験を脳裏に浮かべた。
「今日は第二食堂に行ってみないか?」
「第二食堂?」
陳虎は隠そうともせず嫌そうな顔をした。
「あそこ、量がなめてんのかってくらい少ないだろ。俺は今、大盛り麺で腹を満たしたいんだよ」
「新しい限定メニューが出たらしいぞ。チキンサンドとか、ちょっと食べてみたくて」
「限定?」
陳虎の態度が瞬時に一変した。
「どんなやつだ?」
「チリソースが挟んであって、タコスに似た味がするらしい」
「まじかよ、早く言えよ! 行くぞ行くぞ!」
陳虎は数秒前の不満を一瞬で投げ捨て、陸沈の腕を引っ張って教室を飛び出した。
第二食堂は第一食堂よりもこぢんまりとしており、昼休みが始まったばかりだというのにすでに生徒たちで溢れかえっていた。陸沈の記憶通り、入口横の電子看板には限定サンドイッチの宣伝広告が大々的に映し出されている。
陳虎は看板を見るなり、あからさまに落胆した表情を浮かべた。
「これのどこがタコスなんだよ……」
「スパイスが効いてれば、少しは似てるだろ」
「パンで挟んでる時点で根本的に別物だろ! 騙したな!」
口では文句を言いながらも、陳虎はちゃっかり限定セットを二人分注文した。
トレーを持って空席を探していると、窓際の方から大きな声が飛んできた。「おい、陸沈! 珍しいな、お前らがこっちで飯食うなんて!」張磊が手を振っている。
陸沈と陳虎は吸い寄せられるように向かいの席に着いた。
前回の5月9日には存在しなかった三人での昼食がこうして始まり、話題はごく自然に予期せぬ方向へと広がり始めた。
張磊と陳虎は昨夜のゲームの話に花を咲かせた。陸沈は適度にあづちを打ちながら、目の前の情景を克明に観察していた。
この記憶は真っ白だった。陸沈はここで初めて、「未来を知らない」状態で会話を交わす感触が、これほど不確定で、かつ新鮮なものなのだと実感した。
「お前、さっきから静かすぎないか?」
「いや、ちょっと考え事をしてただけだ」
「また考え事かよ?」陳虎はサンドイッチを大きく頬張りながら割り込んできた。「こいつ、昨日からずっと怪しいんだよ。突然人の台詞を横取りしたり、わけもなく教室を飛び出したりさ」
「台詞を横取り?」
陳虎はすぐさま昨日の出来事を尾ヒレをつけて語り始め、陸沈が自分の言葉を先回りして言い当てた過程を怪談話のように描写した。
「それ……マジで予知能力なんじゃないの?」
張磊が目を輝かせた。
「じゃあ俺が次に何言うか当ててみろよ!」
陸沈は張磊の顔を見つめた。これはこれまで一度も起きたことのない会話であり、彼には答えなど存在しなかった。
「分からない」
「使えねえなー!」
その時、陸沈の視界にチキンサンドを買おうとしている劉雨桐の姿が入ってきた。
前回の5月9日、劉雨桐は勢いよく走ってきた一年生と正面衝突することになっていた。手に持っていたジュースが全身にかかり、午後の授業は上着を脱いで受けざるを得なかったのだ。
大怪我をするような事故ではない。
その一年生も尻もちをついただけで、誰も傷ついてはいなかった。
だが、実験の対象としてはこれ以上ないほど打ってつけだった。
陸沈は端末の時間を確認した。もし今、劉雨桐に声をかけたらどうなるだろうか?
「劉雨桐、こっちだ」
彼女は自分が呼ばれたことに驚いた様子で周囲を見回した後、陸沈の元へと歩み寄ってきた。
「西から太陽でも登った? 陸沈から声をかけてくるなんて」
「一緒に食べないか?」
「珍しいわね。でも、いいわよ」
劉雨桐はトレーを張磊の隣に置き、髪を耳後ろに払いながら腰掛けた。
陳虎と張磊はあからさまに衝撃を受けた顔で見つめ合い、ニヤリと笑うと、示し合わせたように端末を取り出して男子グループのチャットにメッセージを打ち込み始めた。
『陸沈の奴、劉雨桐を狙ってんぞ!』
『テストまであとわずかなんだぞ、陸沈、目を覚ませ。あと劉雨桐レベルはお前じゃ手に負えん』
張磊と陳虎のチャットは大盛り上がりを見せ、スマホの連続するバイブ音を聞いた陸沈は「チッ」と舌打ちをして端末の通知を切った。
「あー、俺、別棟の購買に行ってくるわ。二人で話してな」張磊は頭を掻きながら席を立った。陳虎も新作の飲み物がないか見てくると言って後を追った。
劉雨桐があきれたように苦笑する。
時間は正常に流れていた。
視界の端が灰色に染まることもなく、周囲の音が途切れる兆候もない。
陳虎たちの表情に異常はなく、食堂の喧騒も途絶えることはなかった。
「さっきから、時計ばかり見てない?」
劉雨桐はストローの包装紙を指で丸めながら尋ねた。
「午後の授業に遅刻したくないだけだ」
「陸沈って、そんなに時間に厳格だったっけ?」
「最近、少し気になるようになってな」
「その言い方、なんだかおじいちゃんみたいね。さっき陳虎が騒いでたの聞いたけど、本当なの? 未来予知ができるなんて」
「ただの偶然だよ」
「じゃあ……本当にただの偶然? 私が次に何言うか当てられる?」
「今の会話は初めて起きたことだから、分からない」
答えた瞬間、陸沈は己の失言に気づいた。
劉雨桐の口元から笑みが少しだけ引いた。
「……初めて?」
「比喩表現だよ。昨日はたまたま当たっただけで、今は当てられないってことだ」
「ふーん……」
劉雨桐は完全には納得していないようだったが、それ以上は追求してこなかった。陸沈は視線をサンドイッチに戻し、余計な発言を一切控えることで、残りの昼休みをやり過ごした。
◇
昼休みの終了まであと十分を切った頃、劉雨桐が立ち上がった。
「そろそろ戻るわ。午後の資料、教室に置き忘れてきちゃったから」
前回の衝突の時間は、すでに過ぎているはずだった。
陸沈と劉雨桐は元来た道をたどり、中央棟の二階へと向かった。
教室の角に差し掛かる手前で、陸沈は無意識に足を緩めた。
「どうしたの?」
劉雨桐が立ち止まり、陸沈を振り返った。
「もう少しゆっくり歩こう」
「もうすぐ予鈴が鳴っちゃうわよ」
「一分遅れても間に合う」
「さっきまであんなに時間を気にしてたくせに、急にヘンなの」
劉雨桐はからかうように笑いながらも、陸沈に合わせて歩調を緩めてくれた。
陸沈は耳を澄ませた。
角の向こう側から、複数の足音が近づいてくる。
陸沈は手を伸ばし、劉雨桐の腕を掴んだ。
「待て」
「え?」
足音は徐々に近づき、角から数人の生徒の姿が現れた。
しかし、誰も走ってはいなかった。女子生徒のペアが端末を見ながら歩いており、その破片の後ろを、教材を抱えた男子生徒が一人生真面目に歩いているだけだった。
その数人が通り過ぎるまで、陸沈は劉雨桐の腕を掴んだままだった。
「……陸沈?」
劉雨桐の声にハッと我に返り、彼はゆっくりと指の力を抜いた。
掴まれていた制服の袖には、薄いシワが残っていた。劉雨桐は己の腕と陸沈の顔を交互に見つめ、頬をかすかに赤らめながら髪を耳後ろへ流した。
「急にどうしたのよ?」
「いや……なんでもない。誰かが走ってくる音が聞こえた気がして」
陸沈は角の向こうを覗き込んだが、廊下にはいつもと変わらぬ光景が広がっているだけだった。予鈴を気にした生徒たちが教室へと戻り、壁際では清掃用の小型マシンが低い駆動音を立てていた。
「誰も走ってなんて来ないじゃない」
劉雨桐はそう言いながら、自分の腕を優しく揉んだ。
「もしかして……引き止めるための口実だったりする?」
「違う」
「否定早すぎでしょ」彼女は冗談めかして笑ったが、耳たぶに残る朱色までは隠しきれていなかった。「お昼にわざわざ呼び出しておいて、二人きりになった途端腕を掴むなんて、ちょっと自惚れたって仕方ないでしょ?」
「張磊たちが勝手に出て行っただけだ」
「二人はあからさまに気を利かせてくれたのよ」
「余計なお世話だよ」
陸沈が必死に否定するのを見て、劉雨桐は口元を押さえてくすくすと笑った。
「時間さえ変われば、出来事そのものも消滅するのか……」
陸沈が無意識に呟くと、劉雨桐は困惑したように首を傾げた。
「何か言った?」
「なんでもない。教室に戻ろう」
予鈴が鳴り響き、劉雨桐は端末で時間を確認した。
「ほら、本当にギリギリになっちゃったじゃない。少し急がないと」
彼女は陸沈の返事を待たずに、廊下を小走りで進んで行った。
陸沈も後を追ったが、脳裏では今起きた出来事が渦巻いていた。直接的な衝突を回避させずとも、少し前の段階で行動を変えれば、誘因となる人員の配置や時間が自然とズレていく。
同じ方法を使えば、6月23日の結末も変えられるのではないか?
5月の過ごし方をほんの少し変えるだけで、「492.5点」という未来の軌道そのものを完全に消し去ることができるかもしれない。考えれば考えるほど、その希望は現実味を帯びて感じられた。
「陸沈、早く!」前を走る劉雨桐が振り向いた。
まさにその瞬間、廊下の天井付近から刺すような警報音が鳴り響いた。
短い電子音が三度連続して鳴り、壁に埋め込まれた表示灯が眩い黄色に点滅した。
周囲の生徒たちは足を止めたものの、避難警報のような切迫した音ではなかったため、すぐに教室への足を再開した。
「何の警報?」劉雨桐が天井を見上げる。陸沈にもまったく思い当たる節がなかった。
前回の5月9日、この時間に警報が鳴った記憶など存在しない。
壁のディスプレイが突如切り替わり、鮮血のような赤文字が踊った。
『中央棟搬送設備に異常を検知』『汎用通路から退避してください』
文字を読み切る前に、廊下の奥から重苦しい激突音が轟いた。
金属が激しく擦れ合う音が連続し、微かな振動が床を通じて足元に伝わってくる。生徒たちの間に動揺が広がり、困惑の声が上がった。
中央棟の各階には、教材や食材を運ぶ無人搬送機の専用通路が備え付けられている。通常、専用通路と一般廊下の間は分厚い安全門で遮断されており、生徒が搬送機と接触することなどあり得ないはずだった。
だが、陸沈たちの前方にある安全門が、今まさに緩やかに開いていく。
隙間から、白い煙が勢いよく吹き出していた。
「そこから離れろ!」廊下の反対側から教師の悲痛な叫びが響いた。生徒たちが一斉に後退する。陸沈も劉雨桐の手を掴もうとしたが、混乱した生徒が二人の間に割り込み、彼の肩を強く弾き飛ばした。
ほんの一瞬で、劉雨桐の姿は群衆の波に飲み込まれてしまった。
「劉雨桐!」
名前を呼んだ瞬間、無人搬送機が安全門の奥から猛然と飛び出してきた!
本来なら歩くより少し速い程度のはずの小型マシンが、暴走状態で一般廊下へと乱入してきたのだ。車輪の一つが歪んで傾き、車体の側面から火花を撒き散らしている。搬送機は直進せず、壁に激突して急激に進行方向を変えた。逃げ惑う生徒たちから悲鳴が上がる。
陸沈は人込みを押し分け、必死で劉雨桐の姿を探した。
彼女は廊下の反対側にいた。割り込んできた生徒を避けようとして壁際に移動していたのだ。そしてそこは、壁に跳ね返った搬送機が一直線に向かっていく正面だった!
「こっちに来い!」陸沈が叫んだ。
劉雨桐は叫び声に気づき、ハッと陸沈の方を振り向いた。しかし猛スピードで迫る搬送機を目にした瞬間、彼女の身体は完全にすくんでしまった。
陸沈は手を伸ばしながら全力で走った。
「間に合う! 走れ!」
あと少しで彼女の手に届く。
劉雨桐も陸沈に向かって一歩を踏み出した。
しかしその足が、床に落ちていたジュースの容器を踏みつけた。昼食の時から彼女が手に持っていた容器だった。
走った拍子に手から滑り落ちたのだろうか、蓋が外れ、中の液体が床一面に広がっていた。
湿った床の上で、劉雨桐の靴底が激しく滑った。
彼女は陸沈の方へと倒れ込みながら手を伸ばした。陸沈の指先がその手に触れた。
ほんの一瞬、互いの指が絡み合った。
しかし陸沈の身体も後ろから逃げてきた生徒に突き飛ばされ、踏ん張る力を失った。二人の手が離れる。
「陸沈——」
劉雨桐の声は最後まで続かなかった。
鈍く重い衝撃音が廊下に響き渡った。無人搬送機の側面が彼女の身体を激しく叩きつけ、安全手すりへと押し潰した。金属の手すりが歪み、マシンは数秒後にようやく沈黙した。
周囲の音が瞬時に消え去ったかのように感じられた。
実際には生徒たちの悲鳴や警報音が鳴り響き続けている。教師が操作盤を必死に叩いてマシンを止めようとし、誰かが混乱の中で救急隊を呼んでいた。だが、それらの音は陸沈の耳には届かなかった。
彼は狂ったように倒れた劉雨桐の元へと駆け寄った。
彼女の長い髪が床に散らばり、さっきまで朱を差していた頬が目に見える速さで血の気を失っていく。見開かれた瞳は焦点を結ばず、唇だけがかすかに動いていた。
「劉雨桐……」陸沈は彼女の傍らに膝をついた。
「聞こえるか!?」
返事はない。震える手で触れた彼女の頬には、まだかすかな温もりが残っていた。
「救急隊がすぐ来る……」
陸沈は自分に言い聞かせるように呟き続けた。「大丈夫だ、すぐ来るから」
救急隊が到着し、陸沈は後ろへと押しやられた。彼らは器具を劉雨桐に取り付け、何度も状況を確認した。陸沈は床にへたり込んだまま、彼らの一挙一動を凝視していた。
自分は衝突を阻止した。制服を汚すだけのはずだった小さな事故を消し去った。
昼食の場所を変え、劉雨桐を誘い、教室に戻る時間を遅らせた。
未来は確かに変わった。
救急隊員の一人が手を止めた。彼は隣に立つ教師を見上げ、静かに首を横に振った。
陸沈の視界の端から、色が失われ始めた。
黄色く点滅していた警告灯が灰色に変わり、床に広がった血の赤も消え去っていく。生徒たちの制服、窓の外の空、劉雨桐の長い髪——すべてが黒と白のグラデーションの中に飲み込まれていった。
己の行動が彼女の死を招いたのだろうか? 陸沈には判断がつかなかった。
ただ、一つだけ確かなことがあった。
——自分が何もしなければ、劉雨桐は死なずに済んだのだ。
陸沈は灰色に染まっていく彼女の顔を見つめた。
食堂で声をかけた時の記憶が蘇る。彼女の腕を掴んだ時の温もりが蘇る。
「もしかして……引き止めるための口実だったりする?」恥ずかしそうに浮かべたあの笑みが、倒れた姿と重なった。
「ごめん……」陸沈の声が激しく震えた。
「頼む……もう一度だけ」
そう願った瞬間、陸沈の胸の奥底に小さな安堵が芽生えた。その感情を自覚した刹那、彼は自分自身に対して猛烈な吐き気を覚えた。目の前で尊い命が失われたというのに、自分はその「死がなかったことになる」という事実に救いを見出そうとしている。
出来事が世界から抹消されようと、自分の心には残り続ける。彼女は何も覚えてはいない。
「本当に……ごめんなさい……」
すべての色と音が完全に消失し、世界は底知れぬ闇へと沈んでいった。
次に聞こえてきたのは、耳に馴染みすぎたあの大きな声だった。
「おい、陸沈! お前また居眠りしてんのか?」




