第十四話 ドヤネンの真実2
ドヤネンは一通り話終えた後、テスタスがずっと黙って聞いていたことに気が付いた。
相手のことを考える力が足りないことを自認しているドヤネンは慌てふためいた。
「ご、ごめんね。僕ばっかり喋っちゃって。・・・テスタス君?」
ドヤネンの呼びかけにも応えず、テスタスはただ下を向いていた。
ドヤネンがその顔を覗き込もうとした時、
バンッ!!
テスタスはテーブルを叩きながら立ち上がった。
「テ、テスタス君・・・?」
ドヤネンの声を無視して、テスタスは背を向け、その場を去った。
「お、怒らせちゃった・・・、かな・・・。あぁ、どうして僕はいつも空気が読めないんだ・・・。」
一人取り残されたドヤネンは自分を責めた。
こんな話が信じられるわけない。もっと少しずつ話すべきだった。そもそもずっと一人で話してるのが悪いんじゃないか。僕が情けない人間だから愛想をつかせたのかも。皆に感謝してるとかやっぱり重いかな。戦闘系のスキルを選ばなかったのは浅はかだったよなあ。
嫌われてたらどうしよう。
そうして一人考えを巡らせている内、ドヤネンは昔のことを思い出していた。
子供の頃に好きな子がいたことを。しかし恥ずかしくてその子とは会話できなかったことを。
ある時を境にその子が皆から仲間外れにされた。
その時、自分は何もできなかった。
手遅れという言葉すら届かないまま、その彼女は転校した。
理由はわからない。その程度の関係にしかなれなかった。
そんなことがあっても自分の日常は何も変わらなかった。
自分はもうその日から駄目になってしまったと自覚している。
皆と心から仲良くなるなんて、もうできなくなった、と。
それからの自分は誰とも仲良くできず、次第に学校に行くのも嫌になって。
人間恐怖症みたいになって。ずっと家でゲームばかりをしてた。
もう思い出したくない、しかし自分にとって根っことなっている記憶。
ドヤネンはその後もずっと一人でグルグルと考えを巡らせ、答えのない後悔をしていた。
そして、次第に意識が遠くなっていった。
お酒を飲むのは金輪際止めよう。
自分はどんな話をしたんだっけか。
どこまで話した・・・?
そんなことを薄っすら考えながら。
ドヤネンは襲い来る睡魔に抗えないまま、沈むように眠りに落ちたのだった。




