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第十二話 雑用ドヤネン2

俺たちは長き戦いの果て、何とかドグバスを倒すことができた。

何度も奴の地中からの攻撃を受け、俺は奴の攻略法を思いついた。

地中の穴に炎を送り込んだり、次に来そうな場所に潜んで逆にこちらから奇襲をかけるという方法で動きを制限し、なんとか倒すことができたのだ。

手強い相手だった。



その後、数日の旅を経て次の町に着くのはあと2日程。

途中何度かモンスターの襲撃はあったが、我々はその程度で歩を止めるほど弱くはない。

だがドヤネンはこの長旅に疲労の色が隠せなくなってきている。

やはりドヤネンは弱い。この旅に同行するには格が足りないのだ。



「ドヤネンさん、荷物、少し持ちましょうか?」

心優しいリーシアが荷物持ちドヤネンを気遣い声をかけた。

「ありがとう。でも大丈夫だよ、これが僕の役目だから。」

完全な強がりであることは明白だ。だが全くその通りだ。

荷物なぞはドヤネンに持たせておけばよいのだ。

「ですが・・・。せめて一つくらいは私にも。」

そう言ってリーシアはドヤネンから荷物を受け取ろうとした。

しかし

「あ!きゃ・・・。」

荷物を受け取ったリーシアは何故かバランスを崩して後ろに倒れそうになった。

「あ、あぶない!」

脇目で見ていただけで咄嗟に動けなかった俺に代わって、ドヤネンがリーシアを支えようと手を伸ばす。が

「あっ・・・。」

何故かドヤネンは何もないところで躓いた。


ドサッ


「・・・だ、大丈夫?」

「全く、ドヤネン!何をしているんだ。」

倒れこんだ二人に気づいた俺とアリッサが二人の元へ駆けよる。

「いてて、リーシアさん、大丈夫?」

「ええ、私はなんとか・・・。え?!」

見ると、なんとドヤネンがリーシアを押し倒し、あろうことか穢れのないリーシアの豊満な乳房を何故か揉みしだいていた!


「ドヤネン!今すぐその手をどけろ!」

俺の声に我に返ったドヤネンは自分の手の置き場に気づき、

「あ、あわわわわ、ご、ごめん!」

ドヤネンはアタフタと両手を振り回しながらすぐに体を起こすがその瞬間

「あっ・・・!」

リーシアが艶めかしい声をあげた。

なんとドヤネンの膝がリーシアの股間の聖域に当たっていて、ドヤネンがアタフタするたびにグリグリと刺激していたのだ。


「ドヤネンッッッっっ!!今すぐそこをどけ!」

「あ、ご、ごめん。」

ドヤネンは慌てて立ち上がるが、リーシアはショックですぐには立ち上がれないようだった。

無理もない。こんな一瞬で純潔を弄ばれたのだからな。

「だ、大丈夫?ごめん・・・。」

そう言ってドヤネンがリーシアに手を差し伸べた。

リーシアはさっきまで自らの胸を触っていた破廉恥な暴漢紛いのその手を取り、

「大丈夫です。ご心配なく・・・。私は大丈夫ですから。」

そう言って立ち上がったリーシアの頬は少し紅潮していた。



その後、何事もなかったかのように旅は進む。

ドヤネンとリーシアは気まずいのかあまり目を合わせなくなっていた。

やはりドヤネンの存在がパーティーの空気を悪くしている。

なんとかしたいが、ドヤネンの自業自得と言えなくもない。

このまま気まずい空気を流しておくのも根回しには必要かもしれん。少し放っておくか。



そう思った時、一人歩いていたドヤネンの元へアリッサが声をかけに行った。

「ド、ドヤネン君。あんまり・・・自分のせいだって、思わなくて、いいと思うよ。逆にリーシアも・・・気をつかっちゃうから。」

「う、うん・・・。そうなんだけど、でも僕が悪いと思わないっていうのは、それはちょっと違うかなって思うから。」

「・・・ドヤネン君は優しいね。」

「そ、そんなことないよ。本当に優しかったら、あんなことしないよ。きっと。」

「ううん。私は、わかってるから。・・・ドヤネン君が、優しいこと。」

真っすぐにドヤネンを見つめる(見下ろす形だが)アリッサの視線に、後ろめたいことでもあるのかドヤネンは目を逸らした。

「・・・どうして、私を・・・見てくれないの?」

「え?あ。」

「・・・やっぱり私じゃ・・・ダメ?」

「え?」

「私は・・・リーシアみたいに、女の子らしく・・・ないから。」

「そ、そんなこと・・・。」

ドヤネンの言葉を待たずにアリッサはドヤネンの傍を離れた。

その後姿をドヤネンはただ見つめながら

「ど、どういう意味・・・?」

と小さく呟いていた。


全く信じられんがあの様子、どうもアリッサはドヤネンに好意を抱きだしているように見える。

アリッサは素晴らしい女性だが、どうやら男を見る目だけはないのかも知れない。

当のドヤネンはというとアリッサの好意に全く気付いていない様子だ。

全く愚鈍で鈍感な男だ。あれほどわかりやすく態度に示されていて全く気付かないとは。

呆れて物も言えん。



ドヤネンの追放、それがどうにも上手くいかないことに俺は少々焦りを感じ始めていた。

このままでは何かよくないことが起こる。直感的にそう思えた。

こうなっては外堀を埋めるなどと回りくどいことなどせず、直接ドヤネンと会話して追い込んでやったほうが早いかも知れない。

となると次の町で直接話をしてみるか。

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