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最強の使い魔

店の2二階で何かをしている2人を待っていた折、【ごめん!コラボカフェの予約しようと思って並んだらあと2時間は待つって言われちゃった!皆先帰ってて!】とメッセージが来る。


「……ねえ、麗華さんたちあと2時間くらい動けなくなっちゃったから先帰っててって来たんだけど……」


言うと、朱天君は「俺そろそろ帰らないとなんだよな……加賀魅先輩は?待つ?」と尋ねる。


「待てるだけ待とうかな。この後予定もないし。」


先輩が答えると朱天君は安心した様子で「良かった、じゃあまた明日な。」と店を後にした。


(どうしよう、加賀魅先輩を2時間も私と待たせるわけには……)


「茂木さん、私は待ちたいけど先輩を付き合わせるのはなーって顔してる。」


先輩は私の顔を見下ろしながふわりと笑う。


(な……なぜバレた!)


「俺は付き合うよ。茂木さんのやりたいことが俺のやりたいことだもん。……でも、ここで何も買わないで待つのも迷惑だから別のとこ見てようか。」


加賀魅先輩は私の手を引いて歩き出す。

気になって二階に目をやった時、ふと遥と目が合って、それからすぐに逸らされてしまった。


店を出てから、加賀魅先輩とふらふら街を歩く。まだ午後ということもあり日は落ちていない。


「2人っきりになっちゃったね。」


ふいに加賀魅先輩が言うので、私はどきりとしながら肩を揺らす。

危なかった、彼が腕輪を付けていなければ魔力を吸われていたところだ。


「茂木さんどこ行きたい?」


私はそう尋ねられ頭を悩ませる。

完全に麗華さんを迎えにいく名目で新宿に来たので、特に思いつかないのだ。


困っていると、加賀魅先輩は「ね、あっちのショッピングモールでスマホケース買いたい!見ていい?」と言って微笑む。


(私がやりたいこと思いつかないから、気を遣わせたかな……)


「分かりました、じゃあ行きましょっか。」


私はそう言って加賀魅先輩とショッピングモールに向かった。


「うわ、なんかあのカップル揉めてるね。」


店に入る前、入口付近にいたカップルらしき男女が言い合いをしているのが目に入る。


「行こう、あんまり見ても悪いし。」


加賀魅先輩はそう言って私の手を引く。


……その時、男の方が怒鳴り声を上げたかと思うと……一瞬、冷たい空気が首に触れた。


瞬間、男の背中から大きな羽が生え、女は腰を抜かしてしまう。


「――っ……!先輩、魔者だ!」


「ああ、あの人悪魔みたいだね。戦う?」


加賀魅先輩がゆるい雰囲気で聞いてくるので、私は困惑してしまう。


(悪魔……って、かなり強い魔者だよね!?)


「うん、見て見ぬフリはできない……!先輩、あの男の人弱らせたりできる?」


私の言葉に対し、先輩はあっさりと「できるよ。茂木さんは女の人を少し離れたところに連れてってあげて。」と答えた。


そして女性が離れたのを確認してから男に近寄ると、何かを唱え始める。


まだ午後だというのに空が暗くなって、気温が下がった。

そして、先輩の髪が一瞬ふわりと浮いたかと思うと男の頭上に雷が落ちる。


通行人たちは、あまりのことに悲鳴を上げた。

しかし加賀魅先輩当の本人はケロッとしながら「この人、痺れて動けないと思うよ。この腕輪制御札だよね?」と言って腕をこちらに差し出してくる。


私はそれを抜き取り、男の腕にはめた。

……すると、一瞬光に包まれてすぐに男は落ち着いた様子で寝息を上げる。


(つよ……)


私は初めてまともに魔者退治をできた喜びと、想像していたよりも加賀魅先輩が強いという驚きで唖然としていた。


……


暫く退魔師協会とやりとりしてから夕方になって、やっと解放される。

私は加賀魅先輩と広場のベンチでアイスティーを飲んでいた。


「遥たち先に帰っちゃったらしいです……すみません、巻き込んじゃって。」


私が頭を下げると、先輩は笑顔で

「全然いいよ、茂木さんの使い魔、やってみたかったんだ。」と答えてくれる。


そして暫しの沈黙が2人を包んだ。


(流石に……あの魔法は寝たら戻るような魔力消費じゃないよね?)


「先輩、その……いりますか、魔力……」


そう言って手を差し出すと、先輩がそれを握る。


「わーい、実はこれ楽しみにしてた!」


先輩の妙に冷たい手の感覚が伝わってきて、心臓が高鳴った。

少しだけ目線を上げると、加賀魅先輩と目が合い見つめ合う。


(変なの、目を見てるだけなのに……顔が熱くなってくる。)


頭がクラッとして、魔力が出ていったのが分かると同時に加賀魅先輩は「あ、もういいよ。」と残念そうに呟いた。


(私がチョロいばっかりに、爆速で終了した……)


「もうちょっとこうしてたかったなー……次はもっと強い魔者退治しよっと。」


加賀魅先輩は手をグーパーしたあと私の顔を見る。


「なーに、また申し訳ないって顔してるな?今度はどこが引っかかってるの?」


またも思ってることを言い当てられ、肩をすぼめた。


「だって……あんな長いこと付き合わせちゃったし、魔力補給もあまり長いことやらせてあげられなかったし、悪いなって……」


「……じゃ、もうちょっと付き合ってよ。俺のやりたいことに付き合わせちゃお!」


先輩はそう言って私の手を引き歩き出す。

色々付き合わせた手前文句も言えず、私は加賀魅先輩について行った。

活動報告にて挿絵リクエスト(私が描いても良いもの)を募集しています。

良ければご参加お願いいたします。

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/2832088/blogkey/3649471/

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