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怪盗イタッチ大作戦!!  作者: ピラフドリア
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第46話 『イタズラ大王vs大怪盗』

怪盗イタッチ大作戦!!




著者:ピラフドリア




第46話

『イタズラ大王vs大怪盗』





 イタッチ達は城のさらに奥へと侵入する。




 先に進んでいくと一本道の廊下にたどり着いた。




「罠がありそうな道だな」




 ダッチはそう言いながら警戒して進んでいく。ゆっくり、ゆっくりと進んでいると、ダッチが踏んだ床が沈み、何かのスイッチが起動する。




「やっぱりかぁぁ!?」




 天井が180度回転すると、針だらけのトゲトゲの天井になる。そして天井が徐々に下がってきた。




「急げ、ダッチ」




「言われなくても」




 二人は走って、天井の落ちてこない廊下を目指す。

 もう頭の高さまで針が迫ってきている中、二人はスライディングをしてどうにか落ちてくる天井を切り抜けた。




「ダッチ、無事だな」




「ああ、しっかし綺麗に罠にハマったなぁ」




「罠があると予想できるなら、慎重に進め」




 さらに先に進むと、今度は玉座の間にたどり着いた。白い湯気が部屋を包み、そしてその部屋の中央には、




「待っていたぞ。イタッチ」




 三メートルある身長に、奇妙な仮面を付けた人物が玉座に座っていた。




「お前がイタズラ大王だな」




「いかにもよくここまでたどり着いたな」




 イタズラ大王は椅子から立つと、マントを靡かせる。




「俺に挑戦状を送るなんて、度胸があるじゃないか」




「フハハハ!! 自称世界一の大怪盗。その実力を試してみたかった」




「採点はどうだ?」




 イタッチが聞くと、イタズラ大王は右手を大きく上に挙げた。




「まだだ。これからが本番だからな」




 イタズラ大王が腕を振り下ろす。すると、それを合図に柱の裏や玉座の裏から警官が飛び出してきた。

 そしてイタッチを囲う。




「罠か……」




 ダッチは刀に手を当てて、いつでも抜けるようにして警戒する。しかし、そんなダッチとは違い、イタッチは冷静だ。




「落ち着け、ダッチ」




「だが、お前は折り紙を使えないし。それにこの数はキツいぞ」




「いるはずがないんだよ。そんなに人が」




 イタッチはダッチに指示を出す。




「あそこにある窓を割れるか」




「窓を? なぜ」




「良いからやってみろ」




 ダッチは不安に思いながらも、拳銃を取り出すと、それで部屋にある窓を撃って割った。

 すると、部屋を覆う白い湯気が窓から外へと流れていき、警官達は歪んで薄くなると姿を消した。




「警官が消えた!?」




 ダッチが驚く中、イタッチが説明をする。




「映像だよ。部屋に湿気を溜めて、空気中に浮く水に映像を反射させた。それで警官がいるように見せかけたんだ」




 イタッチの説明を聞いても納得できていない様子のダッチ。

 トリックを見破ったイタッチにイタズラ大王は拍手をして褒める。




「流石はイタッチ。俺のイタズラも簡単に見抜くか」




「次はどんなイタズラをするんだ?」




 イタッチが挑発するようにイタズラ大王に尋ねる。すると、イタズラ大王は




「最高のイタズラをお見せしよう」




 そう言って指を鳴らす。




 音を合図に今度は城が大きく揺れる。




「な、なんだぁ!? 何をしたんだ!?」




 ダッチは焦って割った窓から外を見る。すると、地上がはるか遠くにある。




「城が飛んでる!?」




 イタズラ大王は両手を大きく広げた。




「これこそ、最大のイタズラ!! ロケットキャッスルだー!」




 大笑いするイタズラ大王。そんなイタズラ大王にダッチは銃口を向けた。




「城を止めろ!!」




「このイタズラ大王が、イタズラをやめると思うか?」




 イタズラ大王は大笑いして城を止める気はなさそうだ。イタズラ大王の様子を見て諦めたダッチは、イタッチの元に駆け寄る。




「どうする、このままじゃ宇宙まで飛ばされてしまうぞ」




「宇宙を股にかける大怪盗か。それも悪くないな。だが、まだ宇宙には行く気はない」




 イタッチとダッチは城から脱出する方法を考える。しかし、折り紙は濡れてしまって使えない。




「どうするんだ、イタッチ!!」




「……このままじゃ宇宙まで行ってしまう。宇宙に俺達が…………イタズラ大王も…………そうか!!」




 閃いたイタッチはダッチに指示を出す。




「イタズラ大王を撃て!」




「イタズラ大王を!? なんで今更」




「良いからやってみろ」




 ダッチはイタッチの指示に従って、イタズラ大王を銃で撃ち抜く。

 弾丸を当たったイタズラ大王は風船が割れるように破裂した。




「イタズラ大王が!?」




「偽物だよ。イタズラ大王は宇宙に行く気はないからな。それにその場を動かなかった。腕だけを動かしていた」




 破裂したイタズラ大王のバルーンに近づくと、そこにはイタズラ大王が持っているお宝のプランクルビーと、パラシュートがあった。




 二人はお宝とパラシュートを手にして、窓から城を脱出した。




 空から落ちてパラシュートが開かれる。すると、落下の速度がゆっくりになる。




「イタズラ大王め。偽者にお宝を隠してたのか」




「イタズラ好きだが、約束は守るやつだ」




「しっかしお城をロケットにしちまうなんて、どんだけ資金があるんだよ」





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