第47話 『兜虫』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第47話
『兜虫』
「フクロウ警部。隊の配置が完了しました」
リノセロス美術館の周りを警察が包囲する。
「ネコ刑事。予告の時間まであと何分だ?」
フクロウ警部は隣にいるネコ刑事に尋ねる。ネコ刑事は腕時計を確認すると、
「18時56分、後4分です」
「そろそろだな」
フクロウ警部達が警戒体制で見守る中、辺りの照明が一斉に消えて、真っ暗になる。
「奴が来た。急いで電気を戻せ!! それと照明で探すんだ、近くにいるはずだ」
警察が持ってきたバッテリー付きのライトで辺りを照らす。そして、
「見つけました!!」
一人の警官の声と共に、一斉に美術館の屋根が照らされた。
赤いマントを靡かせて、夜空をバックにするイタチ。
「イタッチ!!!!」
フクロウ警部が叫ぶと、イタッチは手を上げてクールに挨拶をする。そして折り紙でロープを作ると、それを屋根にあるアンテナにくくりつけて、下の階の窓から美術館に侵入した。
「中に入ったぞ、追え!!」
警官達は一斉に中に入ろうと入り口に駆け寄る。しかし、
「行かせると思うか?」
刀を持ったウサギが屋根から飛び降りて、警官達の前に立ち塞がった。
「ダッチ……」
「ここは俺が止めるように指示されてる。行きたければ、俺を超えるんだな」
美術館に侵入したイタッチ。折り紙で作った暗視ゴーグルを使い、廊下を進む。
進んでいき、イタッチはある部屋の扉前にたどり着いた。
扉を背にして聞き耳を立てる。
「……中から音がするな。だが、宝があるのはこの部屋」
イタッチが扉を開き、中に入るとお宝の入ったガラスケースと、その後ろに布で包まれた巨大な何かがあった。
布の中からカブトムシが顔を出す。
「よく来たな。イタッチ」
「美術館の館長か」
「この溶けない雪は渡さない。だから、わしはあるコネを使って、この兵器を作らせた」
カブトムシが布を引っ張ると布に隠れていた巨大なものが姿を現す。
それは立派な角を持ったカブトムシのロボット。車よりも大きく、ボディはピカピカに輝いている。
「イタッチ、君はわしが捕まえる!!」
カブトムシと兜虫に乗り込み。操作をする。大きな音を立てながら兜虫は動き始める。
「ロボか……だが」
イタッチに向けて進軍し、角を振り回す兜虫。しかし、イタッチは兜虫の角を躱して、懐に入り走り出す。
そしてガラスケースを肘で破ると、お宝を取り出した。
「そんなデカいロボと、俺が戦う必要はないだろ」
イタッチは兜虫の股を通り抜けて、背後に回ると、窓ガラスを割って美術館を脱出した。
折り紙を折り、グライダーを完成させたイタッチは、下で警官と戦うダッチに手を伸ばした。
「来い!」
ダッチは壁を伝ってジャンプすると、イタッチの手を掴み合流する。
そして一緒にグライダーに乗って、美術館から離れる。
美術館の入り口ではフクロウ警部が何か叫んでいるが、お構いなしに逃亡。
「お宝は手に入れたんだろうな?」
イタッチと共に空を飛ぶダッチが聞いてくる。イタッチは懐から確認させるようにお宝を取り出すと、
「バッチリだぜ」
二人は夜空に消えていった。




