↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋かもしれない 恋愛偏差値ゼロ 第3部  作者: トモサン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
94/128

恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 94

そして、そんなことを、考えながら、さっき、この正造が、言った…


 「…米倉と水野の争いに巻き込んでしまった…」


 と、いう言葉を思い出した…


 アレは、一体、どういうことだろう?


 早速、聞いてみた…


 「…正造さん…」


 「…ハイ、なんでしょうか?…」


 「…さっき、私を米倉と水野の争いに、巻き込んでしまったと、おっしゃいましたよね?…」


 「…ハイ、言いました…」


 「…アレは、どういう?…」


 「…スパイですよ…」


 「…スパイ?…」


 「…さきほども言いましたが、父と良平氏は、表面上は、仲良く振る舞っていますが、実際は、互いに猛烈なライバル心があります…それゆえ、常に相手を意識している…相手が、なにをしているのか? 常に知りたがっている…」


 「…」


 「…だから、互いが、相手の会社にスパイを置いている…」


 「…スパイ?…」


 「…そうです…要するに、互いの会社の社員を金などで、抱き込んで、相手の情報を探っている…」


 「…そんな…」


 「…そんなも、こんなも、ありません…それが、事実…真実ですよ…」


 「…」


 「…ボクも、米倉の中にいる、水野のスパイの人間に、めぼしは、つけていますが、気付いていないものも、それなりに、います…」


 「…」


 「…とりわけ、父の周辺にいる、水野のスパイには、気付かなかった…」


 「…気付かなかった?…」


 「…ハイ…」


 「…高見さんの職場にいる、米沢京子さんという女性…高見さんは、ご存じですね?…彼女は、水野のスパイです…」


 「…ウソ?…」


 「…ホントです…ウソじゃ、ありません…」


 「…だって、彼女は、アナタのお父様の平造氏に、面倒を見て、もらったんじゃ…」


 「…だからですよ…」


 「…えっ? どういうことですか?…」


 「…彼女、米沢京子さんは、父に世話になった…調べたところ、父に、大学の学費等を出してもらったそうです…高見さんは、ご存じないでしょうが…」


 私は、知っていたが、それを、知っていると、言うのも、どうかと、思った…


 だから、黙っていた…


 あえて、なにも、言わなかった…


 すると、


 「…要するに、父が、信用している人間ですよ…あるいは、信頼している人間ですよ…」


 「…どういうことですか?…」


 「…父が信用、信頼している人物を、スパイに仕立てれば、余計に、情報が入る…信用しているから、うっかり、聞かれては、まずい情報も、ポロリと漏らしてしまう…」


 「…」


 「…その米沢京子という女性も、きっと、なんらかの父に対する不満があったのでしょ? そういう人間が、狙われる…」


 「…どうして、ですか?…」


 「…父に対して不満があるからですよ…なにが、不満なのかは、ひとそれぞれですが、不満があるのは、間違いない…だから、寝返ってくれる…スパイになってくれる…」


 「…」


 「…その米沢京子という人物…わざと、高見さんに、自分を印象づけることを、していませんでしたか?…」


 「…どうして、それが、わかるんですか?…」


 「…たぶん、自分を印象づけるためです…」


 「…印象づけるため? それは、一体、どうして?…」


 「…そうしておけば、たぶん、どこからか、父の耳にも、入る…水野にいる米倉のスパイは、大勢います…」


 「…大勢って?…」


 「…つまり、わざと高見さんに、辛く当たるなり、真逆に、仲良くなったりするなりして、自分を印象づける…そうすれば、それが、父の耳に入り、どういうことだと、父が、彼女を呼びつけることになる…たぶん、それが、彼女の狙いです…」


 …そうか?…


 まさか、そんな狙いがあるとは、思わなかった…


 それで、あのとき、熱海で会ったんだ?


 私は、納得した…


 実に、納得した…


 そして、私が、ようやく、米沢京子の私に対する態度に、納得したときに、


 「…高見さんも、気を付けて下さい…」


 と、正造が、言った…


 「…気を付ける? …なにを、気を付けるんですか?…」


 「…透(とおる)のことですよ…いや、父親の良平氏のことかも、しれない…」


 「…どういうことですか?…」


 「…いずれ、良平氏も、今度の騒動の真相を知るときが、来るでしょう…」


 「…騒動の真相って…」


 「…今、高見さんに、ボクが言った、透(とおる)が、サウジアラビア政府と共同で、ビッグプロジェクトをやろうと仕掛けた張本人が、父の平造であると、良平氏も、時期に知るでしょう…」


 「…それが、一体、なにか?…」


 「…いえ、今回の騒動の真相を知った良平氏が、意趣返しというか…高見さんに、なにか、仕掛けてくるのか、それが、心配なんです…」


 「…どうして、良平氏が、私になにか、仕掛けてくるんでしょうか?…」


 「…それは…」


 「…それは、なんですか?…」


 「…それは、高見さんが、高見さん自身が、思っているよりも、はるかに、存在が大きいからです…米倉にとっても、水野にとっても…」


 「…存在が大きい?…」


 「…そうです…」


 「…正造さん…」


 「…なんですか?…」


 「…私をからかわないで、下さい…」


 「…からかう? ボクが…」


 「…そうです…」


 「…ボクが、いつ、高見さんをからかったんですか?…」


 「…だって、今、良平氏が、私に意趣返しをするんじゃないかと、おっしゃったでしょ?…」


 「…ハイ…言いました…」


 「…どうして、私が、意趣返しの対象にならなくちゃならないんですか? 私は、そんな重要人物でも、なんでも、ありませんよ…」


 「…重要人物ですよ…」


 「…えっ?…」


 「…高見さんが、気付いてないだけです…」


 「…どうして、私が、重要人物なんですか?…」


 「…だって、高見さんは、透(とおる)にも、思われているし、好子も、高見さんには、気を許している…弟の新造も、そうです…高見さんには、気を許している…」


 「…そんな大げさな…たまたまですよ…私は、VIPでも、なんでもありません…」


 「…いえ、米倉と水野の中では、VIPです…」


 「…ウソ?…」


 「…ホントです…」


 「…」


 「…ですから、高見さんの身が心配です…」


 「…どうして、心配なんですか? 私は、正造さんの言う通りなら、透(とおる)さんにも、気に入られてます…仮に、それが、ホントなら、透(とおる)さんの父親の良平さんが、私になにか、するなんて、ありえないことじゃ、ないですか?…」


 「…それは、違います…」


 「…どう違うんですか?…」


 「…ひとは、どう行動するのか、わからない…」


 「…えっ?…」


 「…たしかに、高見さんの言うことは、わかります…息子の透(とおる)が、高見さんを気に入っている…だから、父親の良平氏が、高見さんに、なにか、するわけはない…そう、考えるのは、わかります…」


 「…」


 「…でも、こう考えれば、どうですか? 例えば、高見さんを、わざと、苦境に陥らせる…それを、知った透(とおる)が、父親の良平氏に、怒る…すると、良平氏が、オマエが、平造にそそのかされて、バカなことを、するから、オマエをこらしめるために、わざと、オマエが好きな高見さんを、苦しめたんだと、でも、言えば、どうですか?…」


 「…そんなバカな…」


 「…たしかに、バカなことですが、ありえないことでは、ないと思いますよ…」


 「…」


 「…それに、あの米沢京子さんと、言いましたっけ…まだまだ、謎が、ありますよ…」


 「…謎?…」


 「…これは、まだ調査中だから、高見さんに言うわけには、いきませんが、まだまだ謎があります…」


 正造が、意味深に言う…


 私は、戸惑ったが、その戸惑っている最中に、


 「…では、これで失礼します…」


 と、言って、正造が、電話を切ろうとした…


 私は、慌てて、


 「…ちょっと…ちょっと、待って下さい…まだ、お聞きしたいことが…」


 と、言ったが、正造は、そんな私にお構いなく、プツンと、電話を切ってしまった…


 私は、恨めし気に、電話を、見て、


 「…正造のヤツ…」


 と、呟いた…


 正直、許せなかった…


 私が、話しかけている最中に、電話を切ったのが、許せなかった…


 許せなかったのだ…


 私は、恨めし気に、手に握りしめたスマホを、見た…


 ホントなら、思わず、投げ捨てたいぐらい、頭に来たが、まさか、それは、できない…


 グッと、思い切って、握りしめることもできない…


 感情に任せて、握り締めれば、壊れかねないからだ…


 たかだか、身長155㎝足らずの私が、思いっきり、スマホを握り締めたところで、壊れるとは、思えないが、まさかと、いうことは、あるからだ…


 だから、ただ、恨めし気に、スマホを見た…


 そして、それから、お風呂に入ることにした…


 ホントなら、会社から、帰って来たら、真っ先に、お風呂に入るのが、いつもの習慣だったが、今日は、船見さんのことも、あって、すぐに、お風呂には、入らなかった…


 つい、自分の部屋で、考え事をしていた…


 私は、今で言う、子供部屋オバサン(苦笑)…


 子供の頃から、ずっと、この部屋で、暮らしている…


 さすがに、33歳の今は、まだオバサンではないが、このまま、5年も、十年も、ずっと、この部屋にいれば、オバサンになる…


 40歳を過ぎれば、誰もが、オジサン、オバサンだからだ…


 以前、元AKBの大島麻衣さんという女性が、自分のことを、


 「…35歳の女のコ…」


 と、言って、世間から、失笑された…


 さすがに、どこの世界でも、35歳の女のコは、いないからだ(爆笑)…


 だから、私も、さすがに、自分のことを、


 「…女のコ…」


 とは、言わないが、まだ、オバサンとも、言いたくない(苦笑)…


 しかし、オバサンと呼ばれるのは、もうすぐ…


 そこまで、迫っている…


 40歳で、オバサンと呼ばれない女は、誰もいないからだ…


 当然、私も例外ではない…


 そして、


 そして、だ…


 つい、最近、知ったのだが、時間の長さ…


 5歳の子供と、50歳の大人では、時間に関する感覚が、違うということだ…


 具体的には、5歳の子供の一日は、50歳の大人の十日に匹敵するそうだ…


 通りで、大人になれば、時が、経つのが、誰もが、早いと、感じるはずだ…


 誰もが、大人になれば、一日が、終わるのが、早い…


 子供の頃は、一日が、もっと長く感じていたはずだ…


 子供の頃は、当然、わからないが、大人になれば、誰もが、実感する…


 しかしながら、5歳の子供の一日が、50歳の大人の十日に匹敵するというような具体的な日数は、わからなかった…


 そして、そんなふうに、説明されると、私が、40歳になるのも、早い…


 私が、思ったよりも、はるかに、早いに違いない…


 つまり、私が、オバサンと呼ばれる日も、早いということだ(涙)…


 生きていれば、誰もが、歳を取るのだから、仕方がないと、言ったものも、いるが、事は、そう単純なものではない(苦笑)…


 女なら、誰もが、オバサンと呼ばれたくない…


 いや、


 オバサンと呼ばれるのは、仕方がないが、その日が来るのが、一日でも、遅く来て欲しい…


 そういうことだ…


 私は、思った…


 強く、思った…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。