↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋かもしれない 恋愛偏差値ゼロ 第3部  作者: トモサン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
90/128

恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 90

私は、仰天した…


 文字通り、仰天した…


 一瞬、言葉も出なかった…


 …私が不倫?…


 …なぜ、私が、不倫を?…


 頭が、混乱した…


 わけが、わからなかった…


 一体、なぜ、私が、不倫を?


 そんな情報が、今の会社に広まっているのだろうか?


 考えた…


 いや、


 それよりも、相手は、誰?


 私の不倫相手は、一体、誰?


 それが、気になった…


 当たり前だ…


 不倫をしていないにも、かかわらず、


 「…不倫している…」


 と、言われて、驚いたのは、確かだが、それ以上に、相手が、誰か、気になった…


 「…不倫? 私が…一体、誰と?…」


 私は、カフェオレを飲むフリをして、聞いた…


 正直、驚いたなんて、ものじゃない…


 まさに、驚天動地の驚きだった…


 だから、カフェオレを飲むフリをして、聞いた…


 そうでも、しなければ、動揺している私の姿を彼女に晒すことになる…


 私は、不倫は、していないが、今の言葉に、動揺した…


 自分でも、驚くほど、動揺した…


 それゆえ、動揺していないことを、証明するために、わざとカフェオレを飲むフリをした…


 私が、動揺していないことを、彼女に見せるためだ…


 不倫は、していないにも、かかわらず、なぜか、動揺した…


 自分でも、驚くほど、動揺した…


 これは、もしかしたら、スーパーや、コンビニを出た後で、


 「…アナタ…今の店で、万引きをしたでしょ?…」


 と、いきなり、店を出て、後から、追ってきた店員に言われたようなものだ…


 私は、そんな経験は、ないが、それと、似ている…


 私は、なぜか、そう、思った…


 そう、思ったのだ…


 私が、カフェオレの入ったカップを持ち上げて、彼女の回答を待っていると、


 「…前沢さんです…」


 と、彼女が、答えた…


 「…前沢さん?…」


 呆気に取られた…


 それから、すぐに、


…ウソ!…


 と、思った…


 …どうして、私が、前沢さんと不倫を…


 意味が、わからない…


 …なぜ、私が、前沢さんと、不倫をしなければ、ならないのか?…


 さっぱり、意味がわからなかった…


 それゆえ、


 「…どうして、私が、前沢さんと不倫を?…一体、なにを、根拠に、そんな根も葉もないことを…」


 と、言った…


 動揺する気持ちを抑えて、言った…


 これは、さっきも、言った、店での万引きに似ている…


 身に覚えもないことだが、いきなり、店を出て、


 「…アナタ…万引きをしたでしょ?…」


 と、言われたのと、同じ…


 同じだ…


 いかに、身に覚えもないことでも、いきなり、そんなことを、言われたら、誰でも、動揺する…


 それと、同じだ…


 「…ごまかさないで、下さい!…」


 船見さんが、きつい口調で、言った…


 それまでの、舌足らずの甘ったるい口調では、ない…


 明らかに、本気で、言った…


 私は、驚いたが、それ以上に、圧倒された…


 さっきまでの舌足らずで、甘い口調ではない、彼女の口調に、圧倒された…


 つい、さっきまで、私が、イニシアチブを取っていた姿は、どこへやら…


 完全に、攻守が、逆転した…


 しかし、なにか、言わなければ、ならない…


 彼女の疑惑を、払拭しなければ、ならない…


 私は、手に持ったカファオレを、一口すすって、テーブルに置いた…


 それから、冷静になった…


 自分でも、驚くほど、冷静になった…


 それまでの当惑とは、一転して、冷静になった…


 そして、落ち着いた口調で、


 「…なにを、証拠に…」


 と、ゆっくりと、言った…


 わざと、ゆっくりと、言った…


 すると、目の前の船見さんは、待ってましたとばかりに、


 「…だって、高見さん…今日だって、ずっと、前沢さんを、見ていたでしょ?…」


 と、言った…


 私は、驚いた…


 が、


 ホントは、そういうことではない…


 アレは、前沢に相談に乗ってもらいたかったのだ…


 いや、


 もしかしたら、前沢が、言葉は、悪いが、水野良平の犬…


 犬=スパイではないか?


 そう、思ったからだ…


 だから、わざと、前沢を、見て、前沢に、気付いて、もらいたかった…


 それで、前沢から、私に、後で、こっそりと、


 「…高見さん…なにか、ボクに用事…」


 と、言って、もらいたかった…


 それが…


 それが、彼女、船見さんに、誤解されたとは…


 私の不用意な行動が、まさか、前沢と不倫していると、誤解されるとは?…


 まさに、思ってもみないことだった…


 それゆえ、そのことに、驚いたが、それ以上に、誤解を解かなければ、ならない…


 不倫の誤解を解かなければ、ならない…


 私は、思った…


 私は、考えた…


 それゆえ、


 「…誤解です…」


 と、ハッキリ言った…


 「…誤解?…」


 「…そう、誤解です…」


 「…でも、今日も、前沢さんをずっと目で、追っていたでしょ? 私は、高見さんの隣の席だから、ずっと、見てました…」


 「…それは…」


 「…それは、なんですか?…」


 「…それは、以前、今の船見さんと、同じで、前沢さんに相談に乗ってもらったことが、あるのよ…」


 「…相談? どんな相談ですか?…」


 「…私は、船見さんも、知っているように、今の会社に入って、まだ、一か月も経ってないでしょ? だから、うまく馴染めるか、どうか、わからなくて…それで、相談に乗ってもらっていたの?…」


 「…」


 「…なにしろ、私も、もう33歳になっているし、もうすぐ、34歳になる…この歳になると、今の会社に、中途で、入って、うまく、会社に馴染めるか、どうか、とか、色々、考えるものなのよ…まだ、船見さんのように、若いひとには、わからないかも、しれないけれど…」


 私が、言うと、船見さんが、黙った…


 「…」


 と、なにも、言わなかった…


 私が、今、言ったことを、信じて、もらえたのだろうか?


 それとも…


 よくわからない…


 だから、私も待った…


 無言で、待った…


 目の前の船見さんが、口を開くまで、待った…


 それから、少しして、船見さんは、私を睨みつけるようにして、


 「…言いたいことは、それだけですか?…」


 と、言った…


 私は、それを、聞いて、この船見さんが、私が、言ったことを、なに一つ、信じていないことが、わかった…


 これは、驚きだった…


 まさか、私の言っていることを、なに一つ信じて、もらえないなんて…


 驚いたが、もしかしたら、それも、当たり前なのかも、しれないと、思い直した…


 なぜなら、今、この船見さんは、前沢さんと、不倫をしている…


 不倫=恋をしている…


 恋は、盲目…


 他の人の意見は、耳に入らない…


 前沢の言うことしか、聞かない…


 そういうことだからだ…


 なにより、彼女は、若い…


 まだ、24,5歳…


 私より、十歳近く、若い…


 だから、余計に夢中になる…


 相手に、夢中になる…


 これは、男も女も同じ…


 同じだ…


 若ければ、若いほど、恋に盲目になる…


 相手に、夢中になる…


 これは、なにも、恋に限らず、何事も、そう…


 何事も、同じだ…


 アイドルや、釣りなどの、趣味に夢中になるのも、同じだ…


 若いときの方が、何事も、夢中になる…


 何事も、執着する…


 歳を取れば、取るほど、物事に執着するのが、難しくなる…


 若い頃のように、夢中になれなくなる…


 以前、父が言っていたが、ネットで、若い頃に夢中になったアイドルの写真集を買ったが、見たのは、買ったときだけ…


 次に見たのは、半年後どころか、一年を過ぎてから(爆笑)…


 そういうものかも、しれない…


 父は、六十代…


 昔、父が若い頃に夢中になったアイドルの姿を、今では、タダで、ネットのユーチューブで、見ることができる…


 が、


 しかしながら、見るのは、最初だけ…


 最初だけは、見るが、そう何度も見ない…


 これが、高校生のときだったら、何時間も飽きずに同じ映像を見ていただろうと、笑っていた…


 つまりは、それが、歳を取るということ…


 目の前の、船見さんは、それと、真逆…


 真逆だ…


 まだ、若いから、前沢に執着する…


 そういうことだ…


 これが、私ぐらいの年齢になると、仮に執着するとしても、執着する理由が、違う…


 若い頃は、ただ、好きだから…


 まもなく、34歳になる、私の年齢になると、これを、逃したら、もしかしたら、一生、結婚できないかも、しれない…


 それが、頭の中の大半を、占める(苦笑)…


 つまりは、相手のことより、自分のこと…


 自分ファースト…


 もはや、相手が、どうのこのではなく、自分が、結婚できるか、否かが、重要になってくる(爆笑)…


 そういうことだ…


 そして、そんなことを、考えながら、目の前の彼女を見ると、厄介…


 実に、厄介だと、思った…


 若いから、余計に、相手に執着する…


 それゆえ、相手の意見を聞かない…


 相手=私の意見を聞かない…


 だから、厄介…


 実に、厄介だ…


 果たして、彼女をどう納得させるか?


 私は、考えた…


 目の前の彼女を見ながら、考えた…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。