恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 6
手に入らない花…
おそらく、水野透にとって、米倉好子さんは、そんな存在だった…
事実、それが、後に、裏付けられる出来事が、あった…
透と、好子さんが、結婚…
それが、短期間の結婚の後、離婚したのだ…
なぜ、結婚したのか?
あるいは、
なぜ、離婚したのか?
ここでは、詳細は、省くが、思うに、水野透は、米倉好子さんを、それほど、好きではなかったのでは、ないか?
今、振り返ってみると、そう思う…
なぜなら、そんなに、好きなら、簡単に離婚できないからだ…
それが、あっさり、離婚した…
だから、そう、思う…
そう、思うのだ…
これは、今、例に挙げた高級車と、同じ…
ポルシェやフェラーリと、同じかも、しれない…
水野透にとって、米倉好子さんは、ポルシェやフェラーリと、同じだったのかも、しれない…
手に入らないときは、憧れた…
が、
いざ、手に入ったら、こんなものかと、幻滅した…
それと、同じかも、しれない…
どんな高級車も、どんな美男美女も、手に入れてみれば、同じかも、しれない…
遠くから、見ているから、憧れる…
憧れる=欲しいと、思う…
が、
いざ、手に入ってみたら、こんなものかと、思う…
とりわけ、人間は、そう…
なぜなら、いっしょに暮らし出せば、憧れもなにもない…
そこにあるのは、生活だからだ(苦笑)…
いっしょに、ご飯を食べ、いっしょに、お風呂に入り、いっしょに寝る…
すると、どうだ?
パートナーが、実に、身近になってくる…
それまで、憧れたのは、あくまで、遠くから、見ていたから…
だから、憧れた…
男なら、カッコイイ…
女なら、キレイとか、可愛い…
と、言って、憧れた…
が、
いっしょに暮らし出せば、話は別…
別だ…
どんな美男美女でも、いっしょに暮らし出せば、それまで、見なかった顔を知ることになる…
いわば、家族になるからだ…
だから、家族以外は、知らない顔を見ることになる…
家族以外は、知らない面を知ることになる…
だから、幻滅する…
知らないで、良かったことを、知ることになるからだ(苦笑)…
おおげさに言えば、恋愛には、知らない面があるのが、良い…
まるで、子供の頃から、兄妹のように、育っていれば、恋愛は、できない…
なぜなら、互いに、相手のすべてを、知っているからだ…
小さいときから、いっしょに、お風呂に入っているから、互いのカラダも、見ている…
あくまで、互いのカラダは、見ないから、憧れる…
見ていれば、憧れない(笑)…
そういうものだ…
見ないから、憧れる…
さっき、例に挙げたポルシェやフェラーリのような高級車と、同じ…
身近に、あれば、誰もが、憧れないからだ…
どんな美男美女も、身近にあれば、憧れないからだ…
それと、同じだ…
水野透は、米倉好子さんと、幼馴染だが、兄妹ではない…
兄妹というほど、親しくない…
だから、憧れたのだろう…
仮に血が繋がってなくても、兄妹のように、いっしょに、暮らしていれば、憧れなかったろう…
あるいは、
憧れたとしても、それは、思春期だけ…
思春期だから、憧れた…
思春期だから、夢中になった…
そういうことかも、しれない…
思春期だから、異性に憧れる…
そして、思春期を過ぎれば、思春期ほど、異性に憧れない…
誰もが、そういうものだからだ…
ちょうど、動物で言えば、犬や猫が、サカリが、ついた時期と似ている…
言葉は、悪いが、そういうものだ(笑)…
だから、その時期が過ぎれば、落ち着く…
仮に、血が繋がってなくても、兄妹のように育った幼馴染が、恋愛をしても、思春期を過ぎれば、落ち着く…
冷静に見ることが、できるようになる…
それは、ちょうど、中学生や高校生が、アイドルに憧れる時期と、似ている…
ちょうど、男女ともに、異性に憧れる時期になるからだ…
いわゆる、思春期に、なるからだ…
思春期になるから、アイドルに憧れる…
アイドルは、架空の恋人…
ルックスが、いい、恋人だからだ…
だから、アタシも、こんなカッコイイ男と、付き合いたいとか?
オレも、こんな可愛い女の子と付き合いたいとか?
憧れる…
だから、それを逆手にとって、商売にするからだ…
しかしながら、思春期を過ぎれば、誰もが、思春期ほどは、アイドルに夢中にならない…
現実を、見るようになるからだ…
だから、現実の中で、実際に、自分と付き合う男や女を探すことになるからだ…
だが、もしかしたら、水野透には、そんな常識が当てはまらなかったのかも、しれない…
今、振り返れば、そう思う…
そう、思うのだ…
なぜなら、あそこまで、米倉好子さんに、執着したからだ…
あそこまで、米倉好子さんに、固執したからだ…
だから、そう、思う…
そう、思うのだ…
が、
一方で、そう思いながらも、もしかしたら、違った?
とも、気付いた…
なぜなら、透が、好子さんと、結婚したのは、好子さんを、救うためでも、あったからだ…
没落した米倉家を救うためでも、あったからだ…
実質、破綻しかけた米倉家を救うためでも、あったからだ…
そして、破綻しかけた米倉家は、米倉の数倍の規模を持つ、水野と合併することになり、救われた…
いわば、救済合併…
ホントなら、潰れる米倉を、水野が、自分のグループと合併することにより、救った…
その代償というか、合併の象徴として、互いのトップ同士が、結婚した…
米倉、水野の経営者トップの一族同士が、結婚した…
それが、水野透と、米倉好子の結婚の内幕だった…
が、
それを、今、振り返ると、単純に、透が、好子さんを好きだったら、好子さんを救うために、透は、好子さんと、結婚したと、思ったが、違うかも、しれない…
なぜ、違うのか?
米倉が、潰れるかも、しれないから、透は、好子さんと結婚した…
好子さんの危機だから、透は、好子さんと、結婚した…
好子さんを救うために、結婚した…
逆に言えば、好子さんが、危機に陥らなければ、透は、好子さんと、結婚しなかったかも、しれない…
そして、もしかしたら、そこにあるのは、単なる男女の愛情ではなく、昔から、見知った仲だから…
だから、見捨てることは、できなかった…
そうとも、考えられる…
だから、もしかしたら、透は、好子さんでなく、好きだった女性がいた可能性も高い…
そして、その後、透は、好子さんと、離婚した…
わずかの、結婚期間の後、二人は、離婚した…
それは、米倉が、単独で、生き残ることが、可能とわかったから…
水野が、米倉を事実上、救済合併したときには、知らなかった資産が、米倉には、あった…
それを、活用して、米倉は、かつてのように、単独で生きることが、できた…
水野に頼らず、生きることができた…
そして、それが、わかったから、合併は、解消…
米倉と水野の合併の象徴である、透と、好子さんもまた、離婚した…
米倉と水野の合併が、解消された今、二人が、結婚を続ける理由がなくなったからだ…
逆に言えば、だから、透は、好子さんと離婚した…
好子さんと離婚するということは、水野は、米倉を助ける必要がなくなったからだ…
だから、透は、好子さんと、離婚した…
別の言い方をすれば、好子さんを、解放したとも、言える…
水野が米倉を救済する以上、どうしても、対外的に、なぜ、水野が、米倉を救済しなければ、いけないのか?
説明する必要があるからだ…
その説明をするのに、トップ同士が、結婚するのが、一番いい…
一番説得力がある…
なにしろ、トップ同士が、結婚する…
同じ一族になる…
これほど、わかりやすい合併の理由が、他にないからだ…
が、
米倉が、単独で、生き残れることが、わかったことで、水野は、米倉との合併を解消した…
つまりは、好子さんを、解放したわけだ…
そして、それを、考えると、透が、いかに、好子さんを好きだったの、わかる…
真逆に言えば、好子さんが、危機に陥らなければ、透は、好子さんと、結婚しなかったかも、しれない…
好子さんが、危機に陥ったら、結婚した…
それほど、透の好子さんに、対する愛情は、深いとも、言える…
その証拠に、米倉が単独で生き残ることができることがわかった時点で、透は、好子さんと、離婚した…
だから、米倉が、単独で生き残ることが、わかった=米倉が、水野の庇護を必要としないことが、わかったことで、透は、自分の役目が終わったと思ったのではないか?
好子さんとの結婚は、水野が、米倉を救済するために、周囲を、納得させるためだったからだ…
透の好子さんに、対する愛情は、それほど、深いとも言える…
が、
真逆のことも言える…
水野が、米倉を、救済合併をする上で、メリットが、少な過ぎた…
あるいは、リスクがあり過ぎたとも、考えられる…
米倉は、水野の三分の一の規模の企業グループだが、それでも、米倉の負債が、大きすぎた場合は、米倉を合併した水野は、最悪、米倉共々、共倒れになる可能性があるからだ…
だから、米倉が、単独で、生き残れる可能性が、高いとわかった時点で、早々に、水野は、米倉から、逃げ出した(苦笑)…
そうとも、考えられる…
つまりは、透が、好子さんを救うためだけに、水野が、米倉を合併したのは、荒唐無稽…
透は、透並みの下心があった…
そう、考えるのが、普通なのかも、しれない…
いずれにしても、真実は、わからない…
真相は、わからない…
その真相を知るものは、一部の人間だけ…
そして、その一部の人間に私は、入らない…
私、高見ちづるは、入らない…
これが、私にとっての真実…
高見ちづるにとっての真実だった…




