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恋かもしれない 恋愛偏差値ゼロ 第3部  作者: トモサン


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57/128

恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 57

が、


 しかし、考えても、仕方がない…


 いつまでも、考えても、仕方がない…


 だから、仕事に集中することにした…


 アレコレ、考えず、仕事に集中することにした…


 そして、昼休みになり、会社のひとたちと、会社を出て、近くのコンビニで、昼食を買い、会社の一室で、食事をとった…


 すると、そのときに、


 「…しかし、高見さんも、大変ね…」


 と、会社の同僚の女子社員が、言った…


 「…大変? …なにが、大変なんですか?…」


 「…だって、高見さん…あの米沢さんと、いっしょに、熱海に研修に行くんでしょ?…」


 「…ええ…ご存じなんですか?…」


 「…それは…だって、こんな小さな営業所で、所長の前沢さんが、なにを喋ったのか、なんて、筒抜けよ…」


 女子社員が、一笑する…


 私は、そう言われると、苦笑するしか、なかった…


 このM商会は、以前、勤めていた、金崎実業と、同じ…


 なにが、同じかと言えば、営業所の規模…


 駅の近くの雑居ビルの一室に、間借りしている小規模の営業所だ…


 営業所の人員、全員を含めても、30名程度…


 決して、大きくはない…


 だから、話が筒抜け…


 誰が、どんな話をしたのか、全員に筒抜けだ…


 だから、私が、来週、あの米沢さんと、熱海に研修に行くことは、ほぼ全営業所の人間が、すでに、知っているに違いない…


 だから、それを、考えると苦笑するしか、なかった…


 「…でも、会社の人事も、謎よね…」


 と、今度は、違う女子社員が、言う…


 「…謎? …なにが、謎なんですか?…」


 と、私。


 「…だって、そうでしょう…仲の悪い、高見さんと米沢さんをいっしょに、研修を受けさせるなんて…」


 「…」


 「…まるで、小学校か、なにかで、仲の悪い者同士をわざといっしょに、いさせて、仲良くさせるみたい…」


 「…」


 「…でも、これは、会社よ…そんな子供だましみたいなことは、ありえないし…」


 「…それは…」


 「…だから、謎なのよ…会社の意図が見えない…」


 「…それは、所長の前沢さんが、おっしゃったように、単なる新人の研修なんじゃ、ないですか? 私も米沢さんも、歳はとっていますが、一応は、新人社員ですので…」


 「…でも、それが、謎なのよ…」


 「…どうして、謎なんですか?…」


 「…私もだけれども、新人研修なんて、中途じゃなかった…」


 「…えっ?…」


 「…いえ、この営業所も、中途採用の人間が、多いのよ…今は、どこも、そうでしょ?

 昔とは、違う…このM商会は、水野系列だから、それなりに、歴史ある企業系列だから、純粋主義というか…新卒で、入社して、ずっと、いる社員も、それなりに、いるけれども、そうでない社員も多い…もちろん、水野本社なら、純粋に、新卒で、水野に入社した人間が、大半かも、しれないけれども、ここは、水野系列といっても、末端といえば、言い過ぎだけれども、まあ、お世辞にも、大きくはないわよね…」


 「…」


 「…そう、それに、中途と言えば、前沢さんも、そう…」


 「…えっ?…」


 「…前沢さんの前職は、なんだったのか、誰も、知らない…前沢さんも、絶対、そのことを、口にしないし…」


 …そう言えば、以前、たしか、前沢さんの口から、一度だけ、


 「…自分も、高見さんと、同じ中途入社だから…」


 と、言ったのを、聞いたことがあるような…


 しかし、そんなことは、とっくに忘れてしまった…


 なぜなら、私には、まったく関係のないことだから…


 これが、私が、前沢さんと結婚したり、不倫したりするならば、また、違うだろう…


 不倫といっても、遊びではなく、結婚を前提とする不倫…


 言葉は悪いが、旦那さんを、奥さんから、盗ることを、前提とした不倫だ…


 それならば、わかる…


 前沢の経歴が、気になる…


 どんな高校や大学を出て、前職は、なんだったのか?


 気になる…


 それは、なぜか?


 それは、出世に直結するからだ…


 会社での出世に直結するからだ…


 やはり、有名大学を出なければ、普通の会社では、出世は、難しいからだ…


 とりわけ、前沢とは、知り合って、まもない…


 だから、前沢という人間を知るには、学歴や前職しか、知る手立てがない…


 性格は、もう少し長く付き合ってみなければ、わからないし、出世も、周囲の評判から、探るが、それも、まだ転職して、早々では、知る由もないからだ…


 だから、学歴や前職で、なにをしていたか、しかない…


 が、


 それにこだわらないのは、言葉は、悪いが、前沢に興味がないから…


 前沢には、悪いが、これが、答えだった…


 「…でも、とにかく、高見さんは、来週、あの米沢さんと、研修に行く…だから、頑張って…」


 「…なにを頑張るんですか?…」


 「…うまくいくように、頑張って…」


 「…うまくいく?…」


 「…そうよ…米沢さんは、あの通り、一匹狼だし、私たちとも、群れない…会社の誰とも、群れない…もっとも、だから、ここで、平然と、こんな話もできるんだけれども…」


 言われてみれば、その通り…


 その通りだった…


 米沢さんは、言葉は悪いが、会社で、独りぼっち…


 誰とも、群れない…


 だから、会社で、昼休みとは、いえ、米沢さんのことを、語れる…


 普通なら、できない…


 なぜなら、この場所にいっしょにいるからだ…


 私同様、普通に、女子社員たちとつるむからだ…


 が、


 彼女には、それがない…


 なぜ、ないのか?


 わからない…


 それとも、それは、ただ彼女の性格…


 ただ、単にひととつるむのが、嫌なのだろうか?


 ひとりが、好きなのだろうか?


 考える…


 男と女の決定的な違い…


 それは、なにかと、いえば、男より、女の方が、群れたがるということだ…


 群れたがる=ひとりでいたがらないということだ…


 これは、会社に就職せずとも、すでに、学生時代から、わかる…


 小学生でも、中学生でも、高校生でも、男より、女の方が、群れたがるからだ…


 群れたがる=ひとりで、行動しないということだ…


常に誰かといたがるということだ…


 これは、なぜなのかは、わからない…


 ひとりより、大勢でいれば、気が強くなる?


 あるいは、気が大きくなる?…


 それとも、女子の習性?


 それは、わからない…


 きっと心理学の先生か、誰かに、聞けば、答えがわかるかも、しれない…


 そして、女に比べると、男の方が、群れたがらない…


 もちろん、学校のクラスでも、会社でも、ひとりでいる男は、少ないが、女のように、べったりとは、つるまない…


 つるまない=いっしょにいない…


 男でも、皆、女のように、気があう者同士が集まって、いるが、女ほど、親密ではない…


 親密=べったりしない…


 男で、いつも、いっしょにいるのは、ヤンキーだけ…


 ヤンキーだけだ(苦笑)…


 ヤンキーだけが、いつも、つるんでいる…


 ヤンキーだけが、いつも、いっしょにいる…


 アレは、若いときは、わからなかったが、きっと、気が小さいのだろう…


 だから、いつも仲間といっしょにいる…


 ひとりでは、いない…


 彼らが、ケンカをしているのを、見たことがあるが、決して、ひとりでは、ケンカをしない…


 仮に、ひとりが、誰かと一対一で、ケンカをしていても、必ず、周囲に、自分たちの仲間がいる…


 つまりは、集団で、敵対するひとりを囲んで、ケンカをしている…


 仮に、手は出さすとも、集団で、相手を威圧しているわけだ…


 それと、女が、いつも、集団で、行動しているのは、似ている…


 つまりは、群れで行動する…


 動物が、群れで、行動するのと、同じ…


 ひとりではいない…


 なぜなら、ひとりでは、危険だからだ…


 だから、それを、思えば、防衛本能…


 鹿などのように、群れで、行動しないと、危険だと、本能で、認識している…


 それが、人間でも、ヤンキーでも、同じ…


 同じかも、しれない(苦笑)…


 そして、それを、思えば、群れになじまない人間や、動物は、なぜ、群れに、なじまないのか、考える…


 すると、考えられる理由は、限られる…


 ひとつは、群れから、拒絶される…


 つまりは、群れに入れてもらえない…


 だから、ひとりぼっちになる…


 そして、もうひとつは、それとは、真逆…


 自分から、群れになじまないという選択だ…


 要するに、群れたくない…


 だったら、なぜ、群れたくないのか?


 これにも、いくつか、理由があるだろう…


 群れている人間たちと、自分が、気が合わない…


 だから、群れない…


 だから、いっしょにいない…


 あるいは、ひとりが好き…


 他人といっしょに、いるのが、嫌いというやつだ…


 が、


 それには、気が強くなければ、できない…


 集団が、拒絶するのではなく、自分から、集団に入らないのは、強い意志が、必要だからだ…


 そして、それを思えば、あの米沢京子が、そう…


 まさに、それだ…


 集団に入れないのではなく、自分から、集団に入らない…


 女子の集団に入らない…


 だから、怖い…


 気が強いのは、明白だからだ…


 意志が、強いのが、明白だからだ…


 とりわけ、この営業所のように、人数が、少ないのに、集団に入らないのは、余計に、意志の強さが、必要だからだ…


 なぜなら、集団に入る方が、楽だからだ…


 それをしない方が、難しいからだ…


 それゆえ、それをしない米沢京子が、怖い…


 米沢京子が、強いことが、わかるからだ…


 私は、思った…


 私は、考えた…


 そして、そんな米沢京子と、来週、いっしょに、熱海で、研修を受ける…


 それを、考えれば、緊張した…


 まだ、今週が、始まったばかりなのに、緊張したのだ(苦笑)…


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