↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋かもしれない 恋愛偏差値ゼロ 第3部  作者: トモサン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
48/128

恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 48

だから、正直、目が点になった…


 まさに、まさか、だ…


 この目の前の水野グループの総帥と、会社の女性社員が、同じことを、言うとは、思わなかったからだ…


 それゆえ、


 「…ウソでしょ?…」


 という言葉が、つい、私の口から出た…


 思いがけず、口から、出てしまった…


 「…ウソ? …なにが、ウソなんですか?…」


 良平が、呆気に取られた表情で、聞く…


 私は、さすがに、戸惑った…


 言っていいものか、どうか、わからなかったからだ…


 私が、言おうか、どうか、戸惑っているのを、察して、


 「…どうぞ、おっしゃって下さい…」


 と、良平が、勧めた…


 私は、少し迷ったが、すぐに、


 「…同じなんです…」


 と、口を開いた…


 「…同じ? …なにが、同じなんですか?…」


 「…今、社長がおっしゃったことと、会社で、女性社員が、言ったことと…」


 「…エッ? 同じ…」


 「…透(とおる)さんが、サウジアラビアと組んで、そんな大きなプロジェクトをするのは、五井の総帥、諏訪野伸明さんに、対抗するためじゃないかと、話していたんです…社長もご承知のように、好子さんが、諏訪野さんといっしょにいるところを、写真に撮られて、記事になりましたから…」


 「…」


 「…でも、そんなバカなと、私は、内心、思っていました…ですが、社長が、今、彼女たちと、同じことを、おっしゃって…」


 私が、言うと、目の前の良平は、唖然とした…


 唖然とした表情で、私を見た…


 それから、


 「…やはり、女はすごい…」


 と、一言、漏らした…


 「…ボクには、わからなかった…」


 「…わからなかった?…」


 「…ハイ…わからなかった…」


 「…では、どうして、わかったんですか?…」


 「…妻です…」


 「…奥様?…」


 「…そうです…」


 良平が、実に、複雑そうな表情で、言った…


 いや、


 複雑そうというか…


 なんとも言えない表情というのが、正しいのかも、しれない…


 なぜなら、良平は、婿養子…


 妻の春子に頭が、上がらない…


 その妻に言われて、わかったというのは、なんとも、言えなかったのかも、しれない…


 透(とおる)は、妻の春子の息子ではない…


 透(とおる)は、良平が、外で、愛人との間に、作った子供…


 だから、本来は、水野家を継げる立場ではない…


 が、


 良平と春子の間に子供がいないので、透(とおる)を、養子にした…


 養子にして、将来、水野を継ぐ立場にしたからだ…


 その養子が、別れた妻のスキャンダルに対抗して、サウジアラビアと組んで、国家プロジェクトに参加する…


 どう見ても、水野の身の丈を超えている…


 下手をすれば、水野が、どうなるか、わからない…


 そんな博打のようなことをする、原動力が、別れた妻に対抗するためだとしたら、なんとも、言えない…


 バカバカしくて、なんとも言えないからだ…


 そして、私が、そんなことを、考えていると、


 「…嫉妬かも、しれない…」


 と、ポツリと良平が、呟いた…


 「…嫉妬?…」


 「…男の嫉妬は、たちが悪い…」


 「…」


 「…諏訪野伸明氏は、長身で、イケメンです…それが、いけなかった…」


 「…どうして、いけなかったんですか?…」


 「…透(とおる)では、勝てない…」


 「…勝てない?…」


 「…だから、余計に、大きなことを、しようとする…身の丈を超えた、大きなことを、やろうとする…少しでも、自分を大きく見せるため…諏訪野氏に対抗するためです…」


 「…」


 「…まったく、バカな男です…これが、他人ならば、笑って、おしまいですが、自分の息子となると、そうもいかない…」


 良平が、ため息をつく。


 「…まさか、こんなことに、水野を…会社を巻き込むとは…」


 そう、言って、再び、ため息をついた…


 私は、どうして、いいか、わからなかった…


 良平を慰めることは、できる…


 が、


 話が、大きすぎる…


 あまりにも、大きすぎる…


 だから、下手なことは、言えない…


 「…社長も、大変ですね…」


 と、言うことは、できるが、それでは、他人事というか…


 単なる慰めの言葉でしか、ないからだ…


 誰でも、言える言葉だからだ…


 だから、その言葉を発することは、できるが、それでは、冷たいというか…


 良平に、寄り添っているとは、思えないからだ…


 だから、言葉が見つからない…


 どう、良平を慰めていいか、見つからなかった…


 だから、


 「…」


 と、黙った…


 「…」


 と、なにも、言わなかった…


 が、


 真逆に、良平は、それが、不思議だったようだ…


 「…失礼ですが、高見さんは、なにも、おっしゃらないんですね…」


 「…エッ?…」


 「…普通なら、社長も大変ですねとか、言うものです…」


 良平が、言う…


 当たり前のことを、言う…


 だから、私が、そう言わないのが、不思議なのだろう…


 当たり前のことだ…


 私は、そう言われて、


 「…社長のおっしゃることは、わかります…」


 と、返した…


 「…でも、そんなことを、言っても、仕方がないでしょ?…」


 「…仕方がない?…」


 「…だって、すでに、起こってしまったことを、アレコレ言っても、仕方がないでしょ? 問題は、これから、どうするかです…」


 私が、言うと、良平が、呆気に取られた表情になった…


 呆気に、取られた表情で、まじまじと、私を見た…


 それから、一言、


 「…春子が、気に入るはずだ…」


 と、呟いた…


 「…エッ?…」


 「…すでに、起こってしまったことではなく、これから、どうするかを、考える…春子と同じです…」


 「…奥様と同じ…」


 「…ハイ…」


 これには、どう答えていいか、わからなかった…


 私が、水野の総帥の奥様と、同じだと、言われて、どう答えて、いいか、わからなかった…


 「…光栄です…そんな奥様と、いっしょにして頂けるなんて…」


 と、言えば、良いのだが…


 しかし、私は、すでに、春子を知っている…


 どんな女性か、知っている…


 一言で言えば、猛女…


 とてつもなく、強い女だ…


 その証拠に、この目の前の良平は、春子に頭が上がらない…


 そんな猛女に私が、似ていると、言われて、どう答えていいか、わからなかった…


 これは、誉め言葉なんだろうか?


 それとも、


 けなされているのだろうか?


 正直、それも、わからなかった(苦笑)…


 わからなかったのだ(笑)…


 そして、そんなことを、考えていると、さらに、良平が、


 「…春子が、気に入るはずだ…」


 と、繰り返した…


 「…春子は、好子さんではなく、高見さんと、透(とおる)が、結婚すれば、いいと、言っていた…」


 「…ウソ?…」


 「…ホントです…」


 良平が、真顔で、言う…


 「…高見さんのことを、春子は、気に入っていて…」


 良平が、続けた…


 私は、唖然としたが、すぐに、


 「…社長、それは、奥様が、私のような平民と交流が、ないからでは…」


 と、言った…


 「…平民?…」


 「…奥様は、きっと、お金持ちのひととしか、交流がないんじゃ、ありませんか?…」


 「…どうして、そう思われるんですか?…」


 「…いえ、私のような平凡な人間を言うことを、評価されるなんて…きっと、周囲にお金持ちばかりだから、そんなことを、言う人間が、いないだけかと…」


 「…お金持ちうんぬんは、関係ありません…」


 「…関係ない?…」


 「…そうです…関係ありません…」


 「…」


 「…要は、同じように、考えられるか、否かです…高見さんは、妻と、同じ…同じように、考える…だから、妻は、高見さんを、評価するんです…」


 「…私を評価する…」


 「…ハイ…だから、今日も…」


 「…今日も、なんですか?…」


 「…高見さんに、聞いてみなさいと…」


 「…どういうことですか?…」


 「…透(とおる)を、どうするか、高見さんに、聞いてみろと…」


 「…私に、聞いてみろ…ですか?…」


 「…そうです…」


 良平が、真顔で、言った…


 どうみても、本気で、言った…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。