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恋かもしれない 恋愛偏差値ゼロ 第3部  作者: トモサン


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39/128

恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 39

「…それは…」


 言葉に詰まった…


 どう答えていいか、わからなかった…


 どう返答していいか、わからなかった…


 そんな私が、当惑しているのを、好子さんは、面白そうに、見ていた…


 「…それは…どうなの?…」


 「…それは…」


 言葉に詰まった…


 「…それは…」


 と、なおも、好子さんは、私に、詰め寄る…


 私は、覚悟を決めて、


 「…それは、驚きますよ…」


 と、言った…


 それから、一気呵成に、


 「…だって、好子さんも、ご存じか、どうか、知りませんが、私の勤める、今の会社を、紹介してくれたのは、水野さんです…透(とおる)さんの父親です…それが、こともあろうに、透(とおる)さんの愛人だったひとと、同じ会社に私を入れるなんて…」


 と、言った…


 偽らざる感情をぶちまけた…


 すると、好子さんが、すかさず、


 「…透(とおる)は、高見さんを、好きだったものね…」


 と、言って、笑った…


 「…透(とおる)の愛人と、透(とおる)が、好きだった高見さんが、いっしょの会社で、働く…しかも、同じ営業所…仮に、透(とおる)の愛人だった女が、高見さんを、透(とおる)が好きだったことを、知れば、どんな反応を示すか? けだし見ものね…」


 「…見もの?…」


 思わず、絶句した…


 たしかに、言われてみれば、その通り…


 その通り…


 見ものに、違いない…


 透(とおる)が、好きだった女が、二人、同じ営業所にいる…


 しかも、しかも、だ…


 おそらく、あの米沢京子は、私が、透(とおる)が、好きだった女だったということを、知っている…


 そして、おそらく、私と透(とおる)が、なんの関係もなかったことも、知っている…


 いわば、透(とおる)の片思い…


 透(とおる)が、一方的に、私を好きだったことを、知っているに、違いない…


 そして、それを、知っているからこそ、私を目の敵にした?


 おそらく、そういうことだろう…


 自分は、透(とおる)と、関係して、捨てられた?


 にもかかわらず、透(とおる)と、一度も、男女の関係にも、なっていない、私を、おそらく、透(とおる)は、まだ、好きに違いない…


 うぬぼれではなく、そう、思う…


 そう、思うのだ…


 そして、それを、知れば、あの米沢京子は、激怒するに違いない…


 いや、

 

 激怒して、当たり前だ…


 おそらく、自分は、透(とおる)に捨てられた…


 透(とおる)と、関係して、捨てられた…


 それが、同じ営業所に、男女の仲にも、なにもなっていないにも、関わらず、透(とおる)が、好きだった女がいる…


 しかも、まだ、好き…


 それが、わかれば、面白くない…


 だから、当然、その女と、敵対する…


 その女=私、高見ちづると、敵対する…


 そういうことだ…


 やっと、わかった!…


 なぜ、米沢京子が、私を目の敵にするのか、やっと、わかった…


 そして、それが、わかると、ホッとした…


 おおげさに、言えば、目の前の霧が晴れたというか…


 なぜ、米沢京子が、私を目の敵にしているのか?


 これまで、わからなかったことが、わかって、ホッとした…


 いわば、謎が解けたというか…


 ずっと、わからなかったことが、わかって、一気に、気分が、よくなった…


 だからか…


 だから、私を憎んでいたのか?


 だから、私を目の敵にしていたのか?


 それが、わかったからだ…


 そして、それが、表情に出たのだろう…


 「…あら、高見さん…表情が、すっきりしたというか…なにか、納得した顔ね…」


 と、好子さんが、言う…


 ずばり、私の内面を突いた…


 私は、隠すこともなく、


 「…ええ…」


 と、呟いた…


 今さら、隠すことなどない…


 なにも、隠すことなどないからだ…


 すると、すかさず、好子さんが、


 「…だったら、よかったわね…」


 と、続けた…


 「…よかった? …なにが、よかったんですか?…」


 「…高見さんに、米沢京子さんの正体を告げたこと…」


 好子さんが、笑った…


 屈託なく、笑った…


 私は、そんな好子さんの顔を、見て、なんて言っていいか、わからなかった…


 たしかに、あの米沢京子の素性がわかったのは、いい…


 が、


 敵対は、困る…


 目の敵にされるのは、困る…


 そういうことだ…


 私が、米沢京子に、なにひとつ、悪いことをしていないにも、かかわらず、一方的に、目の敵にされるのは、困る…


 しかしながら、以前にも、そんなことが、あったことを、思い出した…


 ずっと、以前にも、そんなことが、あったことを、思い出した…


 学生時代、一部の女子に目の敵にされたことを、思い出した…


 私は、自分で言うのも、なんだが、美人…


 女優の常盤貴子さんの、若い頃に似た美人だ…


 女優の常盤貴子さんを、一回り小柄にした感じの美人だ…


 そして、世の中には、私が、美人だということだけで、良く思わないものがいる…


 憎むものがいる…


 それは、女…


 同性の女だ…


 要するに、憎らしいのだ…


 自分が、美人に生まれなかったから、美人の私が、羨ましいのだ…


 ずばり、妬ましいのだ…


 だから、それを、ぶつける…


 素直に、嫉妬の感情をぶつける…


 そういうことだ…


 私自身、彼女たちの感情は、わからないものではないが、率直にいって、私が、なにも、彼女たちに、していないにも、かかわらず、目の敵にされては、たまったものではない…


 が、


 私を、目の敵にする女の数は、少なかった…


 それは、私の性格…


 おそらく、性格による…


 私は、敵を作るタイプでは、ないからだ…


 だから、敵がいても、少なかった…


 少なかったのだ…


 敵を作るものは、どこにいても、誰を相手にしても、敵を作るものだ…


 僭越ながら、私を例にとれば、他人様よりも、美人に生まれたりしても、敵を作らないものは、作らない…


 要するに、自分が、美人だったりするのは、それほど、問題ではなく、問題なのは、その美人が、他人を見下したりする姿に、反感を買う場合が、多いということだ…


 もちろん、その女が、美人だから、妬ましいというだけで、その美人をいじめたり、いやがらせをするものも、いる…


 が、


 それは、少数派…


 大抵が、美人の女が、自分は、いかにも、美人だといったような態度で、相手を見下しているから、相手も、それに、敏感に反応する場合が、多い…


 そして、その相手とは、自分のルックスにコンプレックスを抱いているもの…


 いや、普段、コンプレックスを抱いていないものでも、目の前に、美人を見て、コンプレックスを抱くものが多い…


 だから、反応する…


 自分が、意識しようと、意識しなかろうと、目の前に美人を見て、瞬間的に、


 …自分では、勝てない!…


 と、判断する…


 つまりは、彼女たちに、コンプレックス=劣等感を呼びおこすのだ…


 これは、男も同じ…


 女にモテモテのイケメンが、同性の男たちに、嫉妬されるケースも、多い…


 要するに、


 …自分では、勝てない!…


 と、瞬時に判断される…


 その結果、悔しくて、仕方がないのだ…


 そして、それは、学歴、家柄、資産、会社での出世等、あらゆるものに、及ぶ…


 要するに、自分より、上の人間が、存在するのが、悔しいのだ…


 そして、もし、これを、読んで、


 「…そんなことない!…」


 と、本気で、言うものが、いたら、よほど、これまで、そんな経験がなかったほど、運がいいか、頭が、おかしいか、あるいは、ウソつきかの、どれかだろう…


 普通は、そのどれにも、当てはまらないものだ…


 つまりは、自分より、なにかで、優れたものを持つ人間を、他人が妬む姿を見たことがあるものだからだ…


 そして、話が、遠回りになったが、私は、それほど、他人を差別しないから、私に対する嫉妬が、少なかったとも、いえる…


 差別=嫉妬だからだ…


 差別が、嫉妬に跳ね返るからだ…


僭越ながら、美人の私が、普通のルックスを持つ、同性の女性たちを見下さなかったから、それほど、敵を作らなかったともいえる…


そして、そんなことを、考えていると、


…ならば、目の前の、好子さんは、どうなんだ?…


と、気付いた…


この好子さんは、私と姉妹のように似たルックスを持つ、美人…


おまけに、大金持ち…


他人が、羨望するものを、生まれつき、持って生まれたからだ…


他人様が、妬むものを、持って生まれたからだ…


そして、そんなことを、考えると、たしか、以前、この好子さんが、今、私が考えたこと…


美人に生まれたゆえに、他人に嫉妬され、困ったことを、私に打ち明けたことがあることを、思い出した…


同じようなルックスを持つ私だから、好子さんも、安心して、私に打ち明けたことを、思い出した…


美人に生まれたゆえの悩みを打ち明けたことを、思い出した…


そして、そのときに、考えた…


この好子さんは、私が、好子さんと、似ているから、私を好き…


それゆえ、私に好感を持っていることに、気付いた…


だから、今も、私に米沢京子のことを、教えてくれた?


私を一方的に憎む、米沢京子の正体を押してくれた?


そう、考えた…


そう、考えたのだ…


そして、私が、今、そんなことを、考えている最中にも、目の前で、好子さんは、ニコニコと私を見ている…


実に、楽しそうに、私を見ている…


だから、私は、思い切って、


「…好子さんが、今日、私に会いに来たのは、やはり、米沢さんのことを、私に教えたくて…」


と、聞いた…


直球で、聞いた…


すると、好子さんは、笑いながら、


「…それもある…」


と、答えた…


「…それもある?…」


私は、オウム返しに、好子さんの言葉を繰り返した…


「…では、他にも、なにか、あると、言うことですか?…」


「…ピンポン!…正解!…」


好子さんが、おどけて、答える…


が、


私は、好子さんが、おどける姿を、することも、驚いたが、それ以上に、なぜ、おどける姿をしたのか?


その心理状態といっては、おおげさだが、好子さんの内面に興味を持った…


そして、その結果、


もしかしたら?


もしかしたら、好子さんに、関係ある?


もしかしたら、好子さんが、もっとも、触れられたくないことかも、しれないと、気付いた…


なぜなら、触れられたくないから、おちゃらける…


おちゃらける=ピエロに徹するということだ…


ピエロ=道化師に徹するということだ…


そして、そこまで、考えたとき、ふと、透(とおる)のことを、思い出した…


透(とおる)=ピエロだからだ…


ピエロ=道化師だからだ…


だから、もしかしたら、


…透(とおる)のこと?…


…好子さんが、これから、話すのは、透(とおる)のこと?…


と、思った…


と、気付いた…


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