恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 27
が、
回復は、早かった…
自分でも、ビックリするほど、回復は、早かった…
きっかけは、単純…
昼ご飯だった…
ちょうど、会社の昼休みで、女子同士で、昼食を、食べるのに、誘われたのだ…
転職して、一か月弱…
これまでも、誘われていたが、この日は、違った…
なにが、違ったかと、言えば、それまで以上に、周囲が、打ち解けて、私に接してくれたのだ…
きっと、今朝のことが、良かったのだ…
私が、年齢のことを、言われ、外見以上に、中身が、子供っぽいことを、見抜かれたのが、良かったのだ…
私は、自分で言うのも、なんだが、落ち着いて見えるらしい(笑)…
たしかに、私に浮ついたところはない…
だから、そう言われるのは、わかる…
周囲から、そう見られるのは、わかる…
が、
それは、そう見えるだけ…
周囲が、思うほど、私は、大人ではない…
むしろ、だいぶ、子供っぽいところを、残している…
その好例が、今朝の年齢に関する話題…
あの後、仕事をしながら、仕事の合間に考えたが、私が、年齢のことを、言われて、痛いのは、おそらく、自分が、子供じみていることだと、気付いた…
自分が、学生時代から、成長が、止まっていると、言えば、大げさだが、気持ちは、学生時代のままだ…
その学生時代というのは、大学ではない…
中学、高校のまま…
まあ、あえて言えば、高校時代のままだ…
そのころから、少しも成長していない…
身長も、そうだが、中身も同じ(苦笑)…
気持ちは、高校生のまま…
少しも変わっていない…
だから、だろう…
年齢のことを、周囲から、言われると、痛い…
痛いのだ…
自分の気持ちが、高校生のままなのに、実際は、33歳…
もうすぐ、34歳になる…
だが、気持ちは、高校生のまま…
高校時代と、少しも、変わっていない…
だからかも、しれない…
まもなく、34歳になろうとするのに、いまだに、男と、付き合ったことがない…
一対一で、交際したことがない…
もちろん、小学生時代から、男女共学だから、普通に、男と会話していた…
が、
いわゆる、付き合うということを、したことがない…
私自身は、それを、周囲に、たまたま、いい男が、いないから…
とか、
あるいは、私自身が、たやすく、他人を好きになれない、冷たい性格だから…
と、自己分析していた…
が、それを、今日、年齢のことを、言われたことで、
…実は、自分が、まだ、子供のまま、なんじゃないか?…
と、気付いた…
あるいは、
考えた…
これは、自分にとって、大きな発見…
これまで、考えたことのない、大きな発見だった(苦笑)…
要するに、一言で、言えば、大人になれない…
あるいは、
大人になりきれてない…
ということか?…
自分が、歳を取り、自分の年齢を考える…
自分の立ち位置を考える…
すると、当たり前だが、結婚が、浮かぶ…
女なのだから、いずれ、結婚して、子供は、欲しいと思う…
が、
思うだけ…
なにも、実践は、しない…
恋人を、作ろうとも、思わない…
これは、要するに、いつまでも、子供のまま…
高校生の頃のまま…
成長が、止まっているうんぬんではなく、ただ、自分の置かれた環境がわからないだけ…
それだけではないのか?
あらためて、思った…
だから、結婚は、したいが、実践は、しない…
会社でも、結婚相談所でも、いい…
もっと、積極的に、男を探そうと思わない…
未来の旦那を探そうと思わない…
そういうことでは、ないのか?
そして、それが、子供…
子供のまま、大人になりきれてないということでは、ないのか?
あらためて、思った…
いわゆる、現実を見ていないということ…
現実を直視しないと、いうこと…
そして、仮に、このまま、結婚しないで、ひとりで、一生過ごしても、いい…
そんな覚悟は、私には、毛頭ない…
これっぽっちもない(苦笑)…
だったら、今、これから、必死になって、婚活に精を出す…
未来の夫を求めて、あちこちに顔を出す…
今すぐ、そうしなければ、ならないと、わかっているが、その一方で、さして、好きでもない男と結婚するのは、嫌…
嫌だ…
さりとて、一生結婚しないで、ひとりでいる覚悟もない…
だから、このままでは、堂々巡り…
メリーゴーランドのように、一つ所を、回っているだけだ…
同じことを、グルグルと考えているだけだ…
私は、そう思った…
私は、そう考えた…
と、そのときだった…
会社を出て、近くの店で、昼食を食べている最中に、同僚の女性社員が、
「…高見さん…結婚しないの?…」
と、ストレートで、聞いた…
直球で、聞いた…
私は、それを、聞いたとき、思わず、耳を疑った…
まさか、こんなストレートに?…
まさか、こんな直球で、こんなことを、聞かれるとは、思わなかったからだ…
私は、食べている食事が、思わず、喉に詰まるほどだった…
それほど、驚いた…
驚いたのだ…
いきなり、こんな質問をしてくる女性社員に、ホントは、怒りたいところだが、怒るわけにも、いかない…
だから、一瞬、悩んだが、
「…いえ、まだ…」
と、曖昧に返事をした…
すると、間髪入れずに、今度は、
「…だったら、今、付き合っているひとは…」
と、続けた…
続けて、私に質問した…
私は、それを、聞いて、内心、
「…まったく、女ってやつは…」
と、苦笑した…
怒るのでは、ない…
苦笑したのだ…
知り合って、まだ、まもないにも、関わらず、他人のプライベートを根掘り葉掘りする…
それが、女だ…
女の性格だ…
だから、私は、怒ることもなく、
「…いません…」
と、答えた…
「…ホント?…」
「…ホントです…」
が、
私の返事に、質問した、若い女性社員は、納得していないようだった…
それが、表情に、出ていた…
すると、それを黙って、横で聞いていた、別の女性社員が、
「…高見さん…しっかり、し過ぎているのよ…」
と、口を出した…
「…しっかり、し過ぎている? …私が?…」
「…そう…」
「…でも、私、そんなに、しっかりしてませんよ…」
言いながら、つい、さっきまで、自分が、まだ大人になりきれてないことを、自覚したのを、思い出した…
大人になりきれてない、自分を思い出した…
それが…
「…でも、そう見えるのよ…」
その女性社員が、言う…
「…そう、見える?…」
「…落ち着いて、見える…」
そう、言われると、なにも、言えなかった…
それから、その女性社員が、軽く私をからかうように、
「…高見さん…よく、頼りない男から、好かれたでしょ?…」
と、言った…
少し、意地の悪い笑みを浮かべて言った…
私は、あまりにも、意外な展開に、唖然としていると、
「…あの水野の御曹司みたいに、見るからに、頼りがいが、なさそうな男に好かれたでしょ?…」
と、重ねて、言われた…
私は、動揺した…
…まさか、知っている?…
…私が、以前、あの水野透と、知り合いだったと、知っている?…
…まさか、知っている?…
私は、あまりの、動揺に、言葉を失った…
なんて、言っていいか、わからなかった…
そして、そんな私を見て、
「…図星?…」
と、私をからかうように、その女性社員が、笑った…
私は、動揺したまま、
「…どうして、そんなことが、わかるんですか?…」
と、聞いた…
動揺した気持ちを抑えて、聞いた…
「…経験よ…経験…」
と、その女性社員が、笑って言う…
「…経験?…」
「…よく、頼りがいがなさそうな男が、頼れる女に頼っているのを、見たのよ…会社でも、学校でも…」
「…」
「…高見さん…私から見ても、頼れそうだから、頼りがいが、なさそうな男から、好かれたんじゃと、思って…」
そう、言われる、ぐうの音も、出なかった…
なぜなら、その通り…
その通りだったからだ…
だから、反論できなかった…
そして、そんな私を見て、
「…やっぱり、図星?…」
と、面白そうに、言った…
私は、どう言っていいか、わからなかった…
言われてみれば、たしかに、その通り…
その通りだからだ…
だから、反論が、できなかった…
すると、その女性社員が、
「…別に、高見さんに、意地悪を言っているんじゃないわよ…誤解しないで…」
と、言い訳をした…
「…でも、高見さんのようなしっかりした女には、頼りない男が、つくものだから…」
女性社員が、言う…
女性社員が、断言する…
そして、それを、聞きながら、
…あの水野透が、私を好きだった理由は、これか?…
…私が、しっかりして、見えるから、頼れると、思って、私を好きになった?…
と、思った…
今の今まで、考えもしないことを、思った…
すると、さらに、その女性社員が、
「…あのテレビに出ていた水野の御曹司…見るからに、頼りがいがなさそうだから、きっと、高見さんと知り合えば、高見さんを、好きになるわよ…」
と、ダメ押しした(涙)…




