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恋かもしれない 恋愛偏差値ゼロ 第3部  作者: トモサン


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恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 22

しかし、我ながら、バカなことを、考えたものだ…


 その仕事のできない、肩書のあるひとの会社は、風の噂では、倒産だか、他社に吸収合併されたそうだ…


 当然、その人間では、生き残れない…


 真っ先に、切られるだろう…


 真っ先に、リストラされるだろう…


 仕事ができるか、否かは、一週間も、いっしょに、仕事をしていれば、誰でも、わかるものだ…


 だから、仕事ができないことは、周囲の人間に簡単にバレるだろう…


 しかしながら、性格が、良ければ、さほど、仕事ができなくても、リストラされないかも、しれない…


 誰もが、同じだが、自分が、好きな人間は、切れないものだからだ…


 それゆえ、最後には、性格が決め手となる…


 が、


 その人間は、性格もダメだった(爆笑)…


 周囲の人間から、嫌われていた…


 だから、間違いなく生き残れないだろう…


 間違いなく、リストラされるだろう…


 そう、思った…


 そして、そう思いながら、だったら、自分は、どうなんだろ?


 自分、高見ちづるは、どうなんだろ?


 と、考えた…


 散々、他人様のことを、言って、そういう自分は、どうなんだ?


 と、突っ込みが入るところだからだ…


 さすがに、私は、すぐにリストラ候補に名が出ることは、ないだろう…


 私よりも、下の人間は、いるだろう…


 間違いなく、いるだろう…


 私は、考える…


 自信を持って言える…


 が、


 だったら、余人をもって代えがたいか?


 と、問われれば、絶句してしまう…


 とても、そんなレベルではないからだ…


 私は、とりあえず、仕事ができるレベル…


 ハッキリ言えば、どこからも、苦情が出ないレベルだ…


 つまりは、その程度のレベル…


 まったくの平凡なレベル…


 私が余人をもって、代えがたいレベルなんて、とてもとても…


 正直、私程度のレベルの人間は、星の数ほど、いる…


 あまりにも、平凡なレベルだからだ…


 いや、


 だから、金崎実業をリストラされた?


 いや、


 厳密には、リストラではないが、金崎実業が、居づらくなったのは、たしか…


 たしか=間違いはない…


 なにより、私に余人をもって代えがたい能力があれば、私が、


 「…会社を辞めたい…」


 と、言えば、全力で引き留める…


 それが、まったくないのが、私の実力…


 実に、平凡な私の実力だ…


 今さらながら、そう思う…


 自分自身を振り返って、そう、思う…


 退職を引き留めるのも、形だけ…


 ハッキリ言えば、


 「…どうして、辞めるの?…」


 と、いう形だけだった…


 率直に言って、私が、会社を、辞めようが、辞めまいが、どうでもいい(爆笑)…


 それが、本音…


 でも、それが、私の上司だったり、人事だったりした場合、そうはいかない…


 とりあえず、形だけでも、理由を聞かなければ、ならないからだ…


 ただ、それだけ…


 それだけだ(笑)…


 だから、前に勤めていた、金崎実業を辞めるとき、


 「…どうして、辞めるの?…」


 と、いう言葉が、いかにも、形だけの面談で、悲しかったと、言いたいところだが、それも、違った…


 なぜなら、私は、金崎実業に、そんな思い込みは、これっぽっちもないからだ(笑)…


 それは、もしかしたら、私が、女だからかも、しれない…


 私が、女だから、男のように、会社に思い込みが、ないのかも、しれない…


 今の時代、以前から、比べれば、愛社精神が、なくなった…


 それは、終身雇用が、崩壊したから…


 ひとつの企業が、個人の一生の面倒を見てくれることが、できない時代になったのが、大きい…


 それゆえ、自然に愛社精神が、なくなった…


 いくら尽くしても、相手=会社が、それに答えてくれないのだから、当たり前といえば、当たり前だ…


 これは、恋愛と同じ…


 同じだ…


 一方が、答えてくれないのに、もう一方が、盲目的に尽くしてくれることは、ありえないからだ…


 しかしながら、すべての人間が、今いる会社を辞めて、他の会社に転職するわけでもない…


 昔に比べれば、転職する人間が、目に見えて、増えた…


 そういうことだ…


 今の二十代の若者でも、仮に七十代まで、働くとしても、一生、ひとつの会社で、働き続ける人間も、いるに違いないからだ…


 まあ、それでも、女は少ないだろう…


 どうしても、女の方が、長く、同じ会社に勤めるのが、少ない…


 私の母のように、大昔は、会社で、寿退社といって、結婚すれば、女は会社を辞めるのが、定番というか…


 さすがに、今は、そういう時代ではないが、それでも、定年まで、ひとつの会社に勤める女は、少ないだろう…


 だから、女は、男ほど、愛社精神が、ない…


 会社を愛していない…


 だから、私も、金崎実業に対して、愛社精神がなかったと、言いたいところだが、これも、違う…


 正直、私自身の中で、会社の存在が、軽かったのだ…


 私にとって、会社は、単に労働する場所…


 単に働く場所に過ぎない…


 労働して、金を稼ぐ場所に、過ぎない…


 だから、別に会社にこだわりもない…


 それゆえ、愛社精神もなにもなかった…


 それは、ちょうど、よく買い物に行くスーパーのようなもの…


 仮に閉店すれば、悲しいが、それだけ…


 愛着がないわけではないが、それほどでもない…


 それと似ている…


 よく買い物に行くスーパーと、自分が勤める会社と愛情の度合いをいっしょにするのは、おかしいのかも、しれない…


 いや、


 おかしいに違いない…


 が、


 私にとっては、大差なかった…


 それは、考えてみれば、十年超、勤務しても、それほど、親しい同僚もできなかったのも、大きかったかも、しれない…


 だから、愛着が湧かない…


 そういうことかも、しれない…


 そして、それを、周囲の者に見抜かれていた…


 たいして、会社に愛着が、ないのを、見抜かれていた…


 今、考えてみれば、そう、思う…


 それゆえ、会社は、私をリストラしようとしたのでは、ないか?


 あの水野春子の要請もあったのは、違いないが、私が、会社に執着が、ないのを、見抜いていた…


 今、振り返れば、そう、思う…


 そう、思うのだ…


 が、


 当然、答えは出ない…


 いくら、考えても、答えは出ない…


 しかしながら、愛着うんぬんは、別にして、金崎実業で、それほど、親しい同僚ができなかったのは、大きかった…


 十年超も、勤務して、これといって、親しい同僚もできなかったのは、大きかった…


 もちろん、私も社内では、普通に、会社の同僚と話していて、別に私が、職場で、半端にされていたわけでも、なんでもない…


 ただ、距離感というか…


 心を割って、話せる同僚が、ひとりもいなかったのも、事実…


 事実だ…


 しいて言えば、いるとしたら、内山さんぐらいか…


 彼女とは、気が合った…


 だから、少しばかりだが、私のプライベートの話もした…


 が、


 他の同僚で、そこまで、打ち解けた同僚は、いない…


 これは、なぜ?


 考える…


 私が、誰とも、うまくコミュニケーションを取れない、いわゆるコミュ障ってことか?


 いや、


 違う…


 たまたま、金崎実業で、そこまで、親しい同僚が、できなかったというのが、正しい…


 少なくとも、私自身は、そう、思う…


 また、そう、思う根拠もある…


 なぜなら、学生時代は、中学、高校、大学と、普通に親しい友人がいたからだ…


 そして、それは、大学時代に普通に、アルバイトした職場にも、いた…


 が、


 なぜか、金崎実業では、それほど、親しい同僚は、できなかったというのが、正しい…


 それは、なぜか?


 それは、たまたまというのが、正しいのではないか?


 たまたまというのが、正しい答えでは、ないのか?


 今、振り返れば、そう思う…


 そう、考える…


 この世の中に、スーパーマンは、存在しない…


 どんな学校のクラスでも、どんな会社の職場でも、なんでも、どんな場所でもお構いなく、違和感なく入ることができる人間は、存在しない…


 男でも、女でも、存在しない…


 大抵は、このクラスは、無理…


 この職場は、無理というのが、存在するものだ…


 ただ、それが、何度も続けば、不運という言葉しかない…


 また、これが、学生のバイトや、主婦のパートなら、簡単に辞めることができるが、普通に会社員をしていれば、そうは、いかない…


 そんなに、簡単に辞めることは、できないからだ…


 だから、ただ、自分の運の悪さを、呪うしか、ない(苦笑)…


 そういうことだ…


 話は、若干、長くなったが、私が、なぜ、金崎実業に、未練がないか?


 今さらながら、考えた…


 そして、考えながら、これは、ひょっとして、これまで、付き合った異性と似ているかも?


 とも、思った…


 もちろん、私に、これまで、付き合った異性はいない…


 が、


 それは、異性に限らず、友人でも、知人でも同じ…


 つまりは、いっしょにいるときは、その場のノリというか…


 違和感なく、話せる…


 が、


 プライベートまでは、付き合わない…


 それと、似ている…


 だから、会社や学校が、変わったら、もはや、付き合わない…


 それほど、深い付き合いでも、なんでもないからだ…


 それゆえ、執着心がない…


 それと似ているのかも、しれない…


 そして、それが、幸か不幸か、わからない…


 そこまで、心を開いて、付き合う人間が、いなかったことが、幸か不幸か、わからない…


 ただ、会社では、いなかった…


 金崎実業では、ひとりもいなかっただけだ…


 それゆえ、何度も言うように、金崎実業を、辞めるときも、未練もなにもなかった…


 ただ、新しい会社に転職できたことが、ホッとした…


 今の水野グループの会社に転職できたことが、ホッとした…


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