恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 17
ようやく、家に着いた私は、とりあえず、自室に、こもった…
が、
すぐに、思い直し、お風呂に入ることにした…
正直、子供の頃から、お風呂は好き…
お風呂に入って、湯船に浸かっていると、実に、気分がいい…
カラダ中が、ポカポカして、安らげる…
率直に、言って、私は、面倒臭がり屋…
そんなに、お風呂が、好きなら、街の銭湯は、ともかくとして、温泉にでも、行ってみれば?
と、仲の良い、友人、知人は、言う…
が、
それは、嫌…
なぜなら、そんな温泉地にまで、行くのが、面倒臭い…
それが、理由…
理由だ(苦笑)…
実に、単純明快な理由…
しかしながら、それを、知らない友人、知人も多い…
ホントに、仲の良い、友人ぐらいしか、それを、知らない…
私が、極度の面倒臭がり屋であることを、知らない…
以前、学生時代、私をよく知らない、男のコが、
「…高見さんは、キレイ好きだろ?…」
と、なにげに、私に聞いたが、これには、内心、笑ってしまった…
なぜなら、私は、キレイ好きでも、なんでもない…
まったくの普通だ…
にも、かかわらず、何度か、そう言われたことがある…
それも、全員、男のコ…
若いときは、どうして、そんなことを、よく言われるのか、わからなかったが、ようするに、イメージだ…
私のイメージだ…
色白で、若い頃の女優の常盤貴子さんを小柄にした印象の私は、自分で言うのも、なんだが、爽やか…
誰が、見ても、爽やかなイメージだ…
だから、キレイ好きに見える…
爽やか=清潔…
だから、キレイ好きに見える…
そういうことだ…
実に、単純なことだ…
そして、それを、心の底から、認識したのは、会社に入ってから…
歳を取ってからだ…
学生時代も、もちろん、わからなかったわけではない…
ただ、周囲の人間から、言われ、そんなものかなと、思っただけ…
あまり、実感が、なかった…
そして、なぜ、実感がなかったのか?
振り返ってみると、まだ若かったから…
まだ、学生時代で、若かったから、自分を客観的に見れなかった…
それに尽きるだろう…
もちろん、自分のことだ…
自分が、周囲から、どう見られているか?
わからないわけでは、ない…
が、
どうしても、若ければ、若いほど、自分に甘い…
自分を甘く見る…
甘く評価する…
そういうことだ…
そして、それが、答えだ…
だから、若い頃に、
…自分が、キレイ好き…
と、周囲から、見られていることに、ついても、
…そんなものか…
と、思った…
…それは、自分で、言うのも、なんだけれども、色白で、小柄な、美人だから…
と、そんなふうに、思った…
そんなふうに、考えた…
これが、大げさに言えば、六十歳、七十歳と、歳を取れば、取るほど、自分を客観的に見れる…
若い頃の、自分の写真を見て、
「…たしかに、キレイ…可愛い…これじゃ、周囲の男たちから、声をかけられるのも、当然だな…」
と、納得する…
すでに、その写真を見ている、今現在の自分は、別人…
同じ自分なんだが、別人と言われるぐらい、歳を取り過ぎている…
だから、余計に、若い頃の自分を客観的に見れる…
別人と言われるぐらい、歳を取り、外見も、変わっているから、余計に、若い頃の自分を、客観的に見れるのだ…
とりわけ、若い頃は、美人だったが、歳を取り、美人でなくなった女は、その傾向が、顕著…
なかには、例えば、二十歳の大学生時代は、周囲の人間が、思わず、振り返るほどの、美人だったのに、十年後の三十歳には、美人でも、なんでもなくなった…
そんな女性も知っている…
普通に考えれば、歳を取って、太ったのでは?
と、考えるところだが、さにあらず…
オーラが、なくなったのだ…
オーラ=雰囲気がなくなったのだ…
オーラとは、大げさに、言えば、そのひとを、包む、空気のようなもの…
そのオーラが、なくなったことで、別人に見える…
わかりやすい例で、言えば、芸能人…
売れっ子の芸能人なら、輝いている…
輝いているオーラが、ある…
世間で、知られ、自分に自信があるからだ…
それが、オーラになって、現れる…
オーラ=雰囲気になって現れる…
それが、人気がなくなって、芸能界から、引退すれば、一転、オーラがなくなる…
オーラ=雰囲気がなくなる…
自分に自信が、なくなるからだ…
自分が、有名人だという自信が、なくなるからだ…
それと、似ている…
だから、もしかしたら、今、例に挙げた彼女も、学生時代から、比べたら、モテなくなったのかも、しれない…
モテなくなって、自分に自信が、なくなって、その結果、オーラ=雰囲気が、なくなったのかも、しれない…
あるいは、
ただ、歳を取ったから…
とりわけ、可愛い系は、若いから可愛い…
いわゆる、目鼻立ちの整った美人ではない場合、若さが、なくなったことで、その可愛さが、失われる…
それで、モテなくなり、余計に自信をなくす…
その結果、オーラ=雰囲気がなくなったとも、考えられる…
では、そういう私は、どうなのか?
私、高見ちづるは、どうなのか?
考えてみる…
私、高見ちづるは、何度も言うように、女優の常盤貴子さんを、小柄にした感じ…
だから、今の私は、33歳の常盤貴子さんと、似ている…
目鼻立ちの一つ一つは、彼女と違うが、全体的な印象が、同じなのだ…
そして、自分有利に言うのは、気が引けるが、おそらく、33歳の常盤貴子さんより、同い年の今の私の方が、たぶん、若く見える…
それは、私が、小柄だから…
160㎝の常盤貴子さんより、私の方が、5㎝低い…
5㎝小柄…
そして、一般には、小柄な女性の方が、若く見える…
小柄だから、かわいく見えるからだ…
だから、私の勝ち…
同じ、33歳なら、私の方が、常盤貴子さんより、若く見えるから、私の勝ちだ…
と、
そんなふうに、自分に都合よく考える(笑)…
実に、自分に都合よく、考える…
そして、現実は、おそらく、全然違う…
有名女優の常盤貴子さんと、一般人の私では、全然違う…
実物の常盤貴子さんを、見れば、私と違い、オーラがあるからだ…
芸能人オーラがあるからだ…
だから、全然、違う…
私とは、全然違う…
おそらく、勝負にならないに違いない(苦笑)…
彼女、常盤貴子さんは、光っているに違いないからだ…
私は、そんなことを、考えた…
湯船に浸かりながら、そんなバカなことを、考えた…
そして、そんなことを、考えながら、
…これが、33歳にもなる、女の考えることなのか?…
とも、思った…
ハッキリ言えば、子供から、見れば、私は、大人…
私と同い年の33歳でも、5歳ぐらいの子供を、持っている女も、多い…
その子供が、今の私を見れば、どう思うか?
きっと、33歳の大人の女が、コレか?
と、思うに、決まっている…
思うに、決まっているのだ(爆笑)…
そして、さぞ、驚くだろう…
5歳の自分と大差ないことに、驚くだろう…
歳をとって、大人になっても、自分と大差ないことに、気付き、驚愕するだろう…
それを、思えば、つくづく、歳を取れば、賢くなると、いうのは、ウソ…
大ウソだ(爆笑)…
それを、思えば、爆笑してしまう…
自分の愚かさを、爆笑してしまう…
私は、お風呂の湯船に浸かりながら、いつのまにか、そんなことを、考えた…
考え続けた…
それから、ふと我に返った…
…もしかしたら、33歳にもなって、いまだ結婚できない理由は、コレかも?…
と、気付いた…
そして、そんな事実に、気付くと、いつのまにか、笑い出してしまった…
今さらながら、気付いた、自分の愚かさに、笑い出してしまった…
それよりなにより、長く湯船に浸かり過ぎたことで、気分が、悪くなってきた…
これでは、まるで、子供だ…
33歳にもなる、大人がやることでは、ない…
気分が、悪くなってきた、私は、急いで、お風呂から、出ることにした…
が、
まるで、風邪でも、引いたように、頭が痛い…
頭が、クラクラする…
長時間、湯船に浸かり過ぎたことで、頭がのぼせたのだ…
私は、やっとのことで、お風呂から、出ると、なんとか、バスタオルで、カラダを拭いて、自分の部屋に、戻った…
こんな状態の私が、同居する父や母に見つかれば、なにを言われるか、わからないからだ…
「…33歳にもなって、お風呂でのぼせて、気分が、悪くなるなんて…まるで、子供ね…だから、結婚できないのよ…」
と、言われるのが、オチだからだ(苦笑)…
だから、同居する両親に気付かれないように、急いで、自分の部屋に戻った…
ほうほうのていで、戻った…
そして、自分の部屋のベッドで、横になった…
気分が悪いのだから、立っていることは、できない…
それゆえ、どこかで、横になって、寝るのが、一番…
自分の部屋以外で、裸に近い状態で、横になっていれば、両親から、
「…ちづる…なにをしているの?…」
と、咎められるのは、火を見るより、明らか…
だから、とにかく、這ってでも、自分の部屋に戻るしかなかった…
なかったのだ(苦笑)…
それから、何分、あるいは、何十分経っただろうか?
わからない…
何十分、ベッドの上で、横になっていたか、わからない…
が、
だいぶ、気分が、よくなってきた…
当たり前だが、時間が経って、だいぶ、気分が、よくなってきた…
単なる、湯のぼせだ…
時間が経てば、治るのは、当たり前だった…
そして、ふと、ベッドから、起き上がって、自分を見ると、パンティーを履いただけ…
ブラジャーをしようと、したが、ブラジャーをすると、胸が締め付けられて、気分が、余計に悪くなりそうだから、しなかった…
そして、そんなパンティー一枚履いただけの自分の姿を見て、
…コレでは、さすがに、両親に見つかったら、マズい…
と、あらためて、思った…
だから、急いで、部屋の中から、ブラジャーを探して、胸にした…
ホントは、お風呂場に、ブラジャーが、置いてあるから、取りに行けば、いいのだが、それでは、両親に見つかる可能性がある…
裸同然のこの格好で、そんなことをして、万が一にでも、両親に見つかれば、なにを言われるか、わからない…
だから、自分の部屋で、とりあえず、着替えることにした…
ブラジャーをして、パジャマを着て、キッチンに行き、なにか、冷蔵庫から、冷たいペットボトルの飲料を手に持って、部屋に戻った…
そして、自分の部屋で、そのペットボトルの飲料をラッパ飲みした…
すると、だいぶ、気分が良くなってきた…
冷たい飲料を、飲むことで、気分が、よくなってきた…
それから、ホントなら、これで、スマホか、パソコンをいじるところだが、テレビをつけた…
まだ頭が、多少は、フラフラする…
とても、本調子には、ほど遠い…
だから、スマホもパソコンもいじるのは、嫌…
テレビなら、ただ、つけて見るだけだから、楽…
それゆえ、テレビをつけた…
そして、リモコンで、チャンネルを回した…
あちこち、回した…
すると、突然、見覚えのある顔が、映った気がした…
私は、慌てて、チャンネルを回して、その見覚えのある顔を再び探した…
すると、すぐに、見つかった…
テレビの画面には、あの水野透が、映っていた…
水野グループの御曹司の水野透が、映っていた…




