恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 16
では、幸せとは、一体なんだろうか?
考える…
それは、充実しているか、否か?
自分の人生が、充実しているか、否か?
それに尽きると思う…
この歳の女なら、優しい旦那と、可愛い子供…
それに、尽きると思う…
私は、決して、子供好きでもなんでもないし、結婚に、夢を持っているわけでも、ない…
それでも、自分と同世代、あるいは、自分より、年上、年下であろうとなかろうと、小さな子供がいる家族を見ると、微笑ましい…
ただ、微笑ましい…
それが、事実…
事実、偽らざる、私の感情だ…
そして、その感情を突き詰めると、それは、おそらく、子供に起因する…
子供が、原因…
小さな子供が、原因だ…
小さな子供は、誰が見ても、かわいい…
それゆえ、その子供を中心にして、お父さん、お母さんが、いる…
その光景に憧れるのだ…
決して、旦那に憧れているわけでも、なんでもない…
なんでもないのだ(笑)…
そして、そんなふうに、考えると、なぜ、自分が、これまで、結婚できなかったのか?
わかった気がする…
それは、そんな家族の光景を見て、私が、憧れるのは、子供であって、旦那ではないという事実…
旦那=男ではないという事実だ…
それゆえ、結婚できない…
なぜなら、普通の女なら、真っ先に、旦那に目が行く…
旦那=男に目が行くからだ…
どんな男か、気になるからだ…
が、
私には、それが、ない…
だから、もしかしたら、着眼点が、違う?
それゆえ、結婚ができない…
そう、考えてしまう…
つい、そう、考えてしまうのだ…
ずっと、以前、バイトで、知り合った男が、今の話と、まったく違う話をした…
その男、いわく、友人の結婚式に行くと、つい、花嫁の姿を見てしまう…
花嫁の姿を見て、自分の嫁と比べて、つい、
…勝った?…
あるいは、
…負けた?…
と、考えてしまうと、言って、笑った…
当時、私は、その話を聞いて、
…男って、そんなものなのかな?…
と、漠然と思ったし、なにより、その発想は、なかった…
いわゆる、友人の花嫁を見て、自分の嫁さんと、比べる発想は、なかった…
だから、その後、たしか、会社の女の同僚だかに、その話をしたら、
「…怖い!…」
と、一言、言われた(苦笑)…
そもそも、友人の結婚式に招かれて、自分の奥様と、他人の奥様を、比べて、ルックスの優劣を競う発想が、なかったからだろう…
これは、私と同じ…
同じだった…
が、
私は、さすがに、
「…怖い!…」
と、いう発想はなかった…
これは、私は、その女性と違った…
もしかしたら、私がおかしいのだろうか?
それとも、私は、自分で言うのも、なんだが、美人だから、無意識でも、自分に自信があるからだろうか?
わからない…
本当のところは、わからない…
しかし、その後、仕事で、知り合った男に、なにげなく、その話を振ったことがある…
すると、その男は、少しの沈黙後、
「…きっと、そのひとの嫁さんが、美人なんじゃ…」
と、言った…
たしかに、それは、ありうる…
自分の奥さんが、美人だから、つい、友人、知人の結婚式に招かれれば、自分の奥さんと比較してしまうからだ…
きっと、意図的に比べることもなく、無意識に比べてしまう…
条件反射のように、比べてしまうかも、しれない…
あとは、
「…よほど、負けず嫌いか、なんかだね…」
と、考え込みながら、言った…
それから、冗談で、
「…きっと、その発言をしたひとは、社内で、出世頭か、なんかじゃないの? …だから、自分に自信がある…それゆえ、つい、そんな話をしてしまう…違うかな?…」
と、続けた…
たしかに、言われてみれば、その通り…
その通りだった…
その発言の主は、社内の出世頭だった…
だから、当然、自分が、将来、出世するのが、わかっている…
だから、自分に自信がある…
それゆえ、つい、強気の発言をしてしまう…
今、考えれば、そんなところだろうか?
そして、さらに、付け加えれば、その発言の主は、若かった…
今の私と同じくらいの年齢…
たしか、当時、35歳ぐらい…
だから、つい、言ってしまった…
だから、つい、口にしてしまったのかも、しれない…
若さゆえの失言かも、しれない…
また、まだ35歳と若いから、当然、奥さんも、若い…
若いから、キレイ…
だから、余計に、他人の奥様と比べてしまったのかも、しれない…
仮に、その発言の主が、六十歳になれば、自分の奥さんも、六十歳前後…
そうなれば、30歳の花嫁と比べたりは、しないからだ…
三十年前の奥様と、三十歳の花嫁を比べたりしないからだ…
そう、思える…
今なら、そう、思える…
が、
当時は、そんなこと、思いもしなかった…
ただ、自分の奥さんと、他人の花嫁を、比べる発想が、なかった…
自分と奥さんのルックスと、他人の奥さんのルックスを比べる発想がなかった…
だから、驚いた…
当時は、驚いたのだ…
すると、私が、その相談をした男が、
「…だったら、高見さんが、花嫁だったら、そのひとは、負けたと、思ったのかな…」
と、言って、オチをつけた…
オチをつけて、笑い話にした…
私は、それを聞いて、うんともすんとも、言わなかった…
「…いいえ、私の勝ちよ…」
と、言えば、おかしいし、または、
「…いいえ、私なんか、全然…」
と、言っても、おかしい…
私が、美人であることは、誰にも、わかることだからだ…
だから、なまじ、謙遜して、
「…いいえ…私なんか、全然…」
と、言うのは、見え見えのウソ…
ネットで、若い頃の常盤貴子さんを、検索してみれば、実に、キレイだと、思う…
そんな若い頃の常盤貴子さんを、小柄にしたルックスの私が、
「…いいえ…私なんか、全然…」
と、言うのも、おかしい…
繰り返すが、見え見えのウソだからだ…
自分で、自分のルックスが、わからないわけじゃ、ないからだ…
だから、ウソ…
そして、そんなことを、色々考えれば、なにも、言わないのが、正しい…
なにも、反応しないのが、正しいからだ…
これは、歳を取れば、わかる…
どうしても、若ければ、反応してしまう…
若ければ、なにか、言ってしまう危険があるからだ…
だから、なにも、言わないのが、正しい…
そして、そのときは、幸か不幸か、なにも、言わなかった…
どう、答えていいか、わからなかったから、なにも、言わなかった…
が、
今、考えれば、その対応が、正しい…
絶対、正しいと、思う…
そんなことを、ずっと、家に着くまで、考えた…
バカバカしいと、思うかも、しれないが、ずっと考えた…
考え続けた…
なにか、他に考えることが、ないのか?
と、突っ込みを受けるかも、しれないが、考え続けた…
そして、そんなバカなことを、考え続ける一方で、自分は、なぜ、そんなバカなことを、考え続けるのか?
とも、思った…
そして、出た結論は、結婚に対する話だから…
きっと、それが、答えだろう…
高見ちづる、33歳…
もうすぐ、34歳になる…
今の時代、結婚に適齢期はないよと、世間は、言っているかも、しれないが、それは、ウソ…
大ウソと、私は、言いたい…
ずばり、言えば、結婚は、花嫁衣装が、似合う年齢で、結婚したい…
正直、四十歳を過ぎて、花嫁衣裳を着るのは、難しい…
なにより、四十歳を過ぎれば、早ければ、自分の産んだ子供が、成人する年齢だ…
仮に、昔の成人式なら、子供が、二十歳を迎える年齢だ…
マンガやドラマで、母親と娘が、二人並んで、ウエディングドレスを着て、結婚式を挙げるシーンを見たことがあるが、それは、ドラマやマンガだから…
ドラマや、マンガだから、母と娘、同時に、結婚式を行うシーンがある…
現実には、ありえないシーンだ(爆笑)…
なにより、四十歳のオバサンになれば、二十歳の娘の横に並べば、引け目を感じる…
引け目=自分の歳を考えて、引け目を感じる…
まして、ウエディングドレスを着ていれば、なおさらだ…
同じ格好をしていれば、なおさらだ…
が、
おそらく、それを感じないのは、隣に並ぶのが、娘だから…
自分の娘だから、感じない…
同じ女として、見ないから、感じない(笑)…
同じ女として、二十歳の女の視点から、四十歳のオバサンを見れば、
「…なに、このオバサン、私の倍の年齢の四十歳のくせに、私と同じ格好をして…恥ずかしくないの?…」
と、でも、言われるのが、オチだからだ…
ただ、隣に並ぶのが、自分の娘だから、感じないだけだ…
それが、答え…
答えだ…
つまり、なにを、言いたいかと、言えば、歳を取れば、取るほど、ウエディングドレスが、似合わない…
元々、ウエディングドレスは、若い二十代の女を想定したもの…
だから、四十歳にでも、なれば、似合わなくて、当然だ…
当然なのだ…
が、
稀に似合う女もいる…
しかしながら、それは、稀…
稀だ…
正直、何万人に一人、あるいは、何十万、何百万に一人は、いる…
私は、かつて、そんな美貌の持ち主を偶然、街で、見かけたことが、ある…
二十歳ぐらいの娘といっしょに歩いていたのだが、最初は、その娘の姉だと思った…
母娘にも、かかわらず、姉妹だと、思った…
母と、娘が、同じ顔をして、同じ体形をしていたことも、大きい…
つまりは、同じルックスの人間が、二人いたわけだ(笑)…
だから、余計に混乱した…
それゆえ、余計に姉妹だと、思った…
が、
よく歳を取った女を見ると、若くないことが、わかった…
だから、母親だと、わかった…
そんな経験が、私にあるからだ…
正直、一度しか、見ていないが、彼女なら、四十歳を過ぎても、ウエディングドレスを着て、おかしくない…
隣で、娘と同じウエディングドレスを着ていても、おかしくない…
が、
何度も言うように、そんなことは、稀…
私自身、そんな経験は、彼女以外にない…
彼女以外にないのだ…
話が、少々脱線したが、いつものことだ(苦笑)…
つまり、私が、ここで、なにを言いたいかと、言えば、
ウエディングドレスが、似合う内に結婚したい…
ただ、それだけ…
それだけだ…
それだけが、今の高見ちづるの願い…
まもなく、34歳になる、高見ちづるの願いだった(笑)…




