↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋かもしれない 恋愛偏差値ゼロ 第3部  作者: トモサン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
125/128

恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 125

私は、あらためて、この目の前の色っぽい米沢京子を、見た…


 たしかに、会社で見たときとは、違う…


 色っぽい、米沢京子を見た…


 こんな色っぽい米沢京子と前沢が、親しく接しているのを、あの船見さんが、見れば、誤解する…


 この米沢京子と、あの前沢が、男女の関係であると、誤解する…


 そう、思った…


 そして、そう、思っているところで、米倉正造が、


 「…でも、あの前沢というひとも、被害者というか…」


 と、突然、口を開いた…


 「…被害者? …どうして、被害者なんですか?…」


 と、私。


 「…彼は、M商会の、中途入社で、おまけに、高見さんと、この米沢さんのいる、営業所に、所長として、やって来て、日が浅かったということです…」


 「…それが、どうして、被害者なんですか?…」


 と、私。


 「…彼は、営業所のことを、知りたかったらしい…」


 「…どういう意味ですか?…」


 「…誰だって、同じだが、初めてやって来た職場で、右も左もわからない…それならば、一番手っ取り早いのが、その職場の古参の社員と仲良くすること…その古参の社員と、仲良くなって、その職場の情報を、その古参社から、教えてもらうことだ…その前沢というひとの不倫相手は、同じ営業所の古参社員だったそうじゃないか?…」


 言われてみれば、その通り…


 彼女、船見さんは、古参社員だった…


 年齢も、私と、同じくらい…


 彼女のことは、詳しくは、わからないが、古参社員と言われれば、納得する…


 そして、あの前沢が、新任の営業所長として、やって来て、この営業所のことを、知りたいと思い、船見さんと、仲良くなり、その後、男女の関係になったと、言われても、納得する…


 だが、それが、すべて、仕事のため…


 新任で、赴任した営業所のことを、知るために、結果として、船見さんと、不倫して、その結果、船見さんに、横領の罪を着せられて、逮捕されたのだから、この正造の言うように、被害者と、言えば、被害者…


 極端な話、あの前沢は、仕事のために、不倫したわけだからだ…


 だから、被害者といえば、被害者…


 仕事の被害者だった…


 そして、それは、正造も、同じ気持ちだったらしい…


 いや、


 そうでは、ない…


 私も、正造と、同じに、考えた…


 同じように、考えたと、いうことだ…


 そして、私が、そんなことを、思っていると、目の前の米沢京子が、


 「…正造さん…今日は、そんなことを、言うために、私をここへ、呼んだの?…」


 と、色っぽく、正造に、聞いた…


 まるで、色仕掛けで、正造に、接しているようだった…


 が、


 正造は、動じなかった…


 って、いうか、苦笑した…


 いや、


 苦笑というより、ふてぶてしい笑いを見せた…


 そして、


 「…米沢さん…」


 と、声をかけた…


 「…なに、正造さん?…」


 米沢京子が、色っぽく言う…


 「…父が、なぜ、アナタを、この高見さんと、同じ営業所に、入社させたか、わかりますか?…」


 正造の質問に、米沢京子の顔が、止まったというか…


 顔の表情が、なくなったとでも、言えば、いいのか…


 なんとも、いえない表情になった…


 そして、


 「…そんなこと、知らない…」


 と、ぶっきらぼうに、答えた…


 「…そんなこと、考えたこともない…」


 と、吐き捨てた…


 その言葉を聞いた、正造は、冷たく、


 「…そんなことも、わからない?…」


 と、米沢京子に、聞いた…


 まるで、米沢京子をからかうように、聞いた…


 そして、当然のことながら、米沢京子は、怒った顔になった…


 自分が、からかわれたのだから、当然だった…


 「…どういう意味?…」


 と、怒った顔で、正造に、言った…


 おそらくは、米沢京子の本来の気の強さが、出た瞬間だった…


 これまで、色っぽく、正造に接していた姿が、ウソのようだった…


 まるで、おおげさに言えば、獣が、敵に、襲いかかるように、戦闘的な表情に変わった(苦笑)…


 「…米沢さん、アナタは、この高見さんと、真逆なんですよ…」


 「えっ? 真逆?…」


 「…この高見さんは、小柄…対する、アナタは、大柄…」


 「…」


 「…さらに言えば、この高見さんは、清楚系…対するアナタは、色っぽい…」


 「…それが、どうかしたの?…」


 怒った口調で、米沢京子が、正造に聞いた…


 「…わかりませんか?…」


 正造が、再び、聞く…


 「…ええ、わからないわ…」


 米沢京子が、開き直って、言った…


 「…アナタは、高見さんのアンチテーゼなんですよ…」


 「…アンチテーゼ?…」


 「…つまりは、高見さんに、すべてが、真逆だから、選ばれた…」


 「…どういう意味?…」


 「…つまり、高見ちづるあっての、アナタの存在がある…」


 「…どういう意味?…」


 「…その逆はない…」


 「…どういう意味?…」


 「…要するに、高見さんあってのアナタ…」


 「…どういう意味よ!…」


 と、しびれを切らして、米沢京子が、怒鳴った…


 「…高見さんが、あの営業所に、配属されたから、アナタが、選ばれた…」


 「…どういう意味よ!…」


 と、またも、怒鳴った…


 「…つまりは、失礼ながら、高見さんが、いなければ、米沢さんは、選ばれない…」


 「…どういう意味よ!…」


 と、怒鳴り続けた…


 「…米倉平造に選ばれないという意味です…」


 「…どうして、選ばれないんですか?…」


 と、私。


 「…彼女、米沢京子は、高見さんあっての、彼女なんです…」


 「…私あっての…ですか?…」


 「…今も言ったように、彼女、米沢さんは、高見さんと、すべてが、真逆…だから、選ばれた…」


 「…だから、選ばれた?…」


 「…それゆえ、高見さんあっての米沢さん…」


 「…どうして、私なんですか?…」


 と、私は、聞いた…


 率直に言って、意味がわからなかった…


 正造の説明で、この米沢京子が、私と真逆だと、いうことは、わかった…


 いや、


 あらためて、気付いた…


 だが、どうして、私なのか、わからなかった…


 どうして、私が、中心なのか、わからなかった…


 「…まずは、高見さんの反応ですよ…」


 「…私の反応?…」


 「…自分と、真逆のタイプの美人が、目の前に現れて、高見さんが、どういう反応を示すか?…」


 「…どういうことですか?…」


 「…その反応が、見たかった…」


 「…私の反応が、見たかった?…」


 「…そうです…」


 「…」


 「…おまけに、この米沢さんは、まるで、高見さんに、敵対するように、いつも、ジロジロ睨んでいる…」


 「…」


 「…そんな状況で、高見さんが、どういう反応を見せるのか、興味があった…」


 「…」


 「…あるいは、意地悪をした…」


 「…意地悪?…」


 と、私。


 「…ただし、意地悪した相手は、高見さんでは、ない…」


 「…私じゃない? だったら、誰に、意地悪を?…」


 「…水野のおじさまです…水野グループ総帥、水野良平です…」


 「…ウソ!…」


 「…ホントです…」


 「…私に意地悪をするのが、どうして、良平さんに、意地悪をしたことになるんですか?…」


 「…それは、さっきも言った、高見さんが、良平おじさまのお気に入りだからですよ…透(とおる)のお嫁さん候補だからですよ…」


 「…ウソ?…」


 「…ホントです…」


 「…つまり、高見さんに、意地悪をすることは、良平おじさまに、嫌がらせをしているも、同然…なにしろ、高見さんは、良平おじさまのお気に入り…そのお気に入りの人間に、誰かが、意地悪をすれば、当然、良平おじさまも、嬉しくは、ない…頭に来る…」


 私は、その言葉を、聞いて、以前、良平と会ったときに、


 「…高見さんの置かれた状況は、わかります…」


 と、言った、良平の言葉を思い出した…


 あのときは、あの言葉の意味を、深く考えなかったが、あの良平は、あのときに、すでに、私の置かれた状況を、報告を受けていたということだ…


 いや、


 別の言い方をすれば、私は、良平に監視されていたということだ…


 おそらくは、透(とおる)のお嫁さんに、ふさわしい女かどうか、監視していたと、いうことだ…


 そして、それが、わかると、複雑と言うか…


 なんて、言って、いいか、わからない気持ちになった…


 私が、透(とおる)のお嫁さん候補?


 そんな夢みたいな話が、あるのか?


 という気持ちが、一つ…


 そして、もう一つは、私の結婚相手が、あの透(とおる)だということ…


 決して、嫌いではないが、実際に結婚相手と、考えると、微妙…


 なんとも、微妙な相手だった(苦笑)…


 透(とおる)は、大金持ちのボンボン…


 そんなボンボンと結婚できるかも、しれないなんて、まさに、夢のよう…


 だから、その点では、嬉しいが、私は、透(とおる)と、知り合って、透(とおる)という男を、知っている…


 だから、微妙…


 結婚相手として、微妙だ(苦笑)…


 これが、全然知らないで、透(とおる)と、結婚するのなら、いい…


 ただのお金持ちのボンボンと結婚できたと、なる…


 しかし、私は、その前に、透(とおる)と、知り合った…


 以前、勤めていた金崎実業で、知り合った…


 そのときに、取引先の納入業者として、知り合った…


 つまり、そのときに、素(す)の透(とおる)を、見ている…


 金持ちのボンボンとしてでは、ない、素(す)の透(とおる)を、見ている…


 だから、微妙…


 結婚相手としては、微妙だ…


 透(とおる)は、決して、悪い男ではない…


 しかし、だからといって、透(とおる)と、結婚するとなると、微妙…


 実に、微妙だった…


 そして、そんな私の心の内側が、私の表情に出ていたのだろう…


 目の前の正造が、


 「…高見さん、なんとも、言えない表情をしていますね…」


 と、笑った…


 実に、楽しそうに笑った…


 私は頭に来た…


 なぜ、頭に来たのか?


 それは、私の心の内を、見抜かれたからだ…


 だから、頭に来た…


 実に、頭に来た…


 それに、なにより、私の心の内を見抜いたのが、この正造だということが、余計に、頭に来た…


 この米倉正造に、見抜かれたのだと、いうことが、余計に、頭に来た…


 だから、私は、


 「…正造さん、アナタ…」


 と、怒鳴りたかった…


 が、


 その前に、


 「…ウソ!…」


 と、大声で、正造の隣にいた、米沢京子が、怒鳴った…


 私は、唖然として、米沢京子を見た…


 見たのだ…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。