↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋かもしれない 恋愛偏差値ゼロ 第3部  作者: トモサン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
122/128

恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 122

話を若干、前に戻そう…


 水野グループの再編のことだ…


 水野グループの再編は、決定事項…


 すでに、上層部の中では、決定事項だった…


 しかし、問題は、そのタイミング…


 いつ、それを、やるのか、タイミングが、難しい…


 なにしろ、日本は、皆、横並び…


 自分一人だけ、目立つのを、嫌う…


 いわゆる、日本は、空気を読む文化(笑)…


 それゆえ、自分だけ、ひとと、違うことを、することが、できない…


 あるいは、難しい…


 そして、これは、個人も、そうだが、企業も、また、同じ…


 それゆえ、リストラも、同業他社が、行って、初めて、自分の会社もと、なる…


 だから、水野も、同業他社が、リストラを行うのを、辛抱強く待っていたが、他の会社は、どこも、リストラはしない…


 だから、待った…


 リストラをする機会を、待った…


 その中で、リストラを決行したのは、偶然…


 たまたま、米倉平造が、サウジアラビア政府とお偉いさんと知り合いになり、日本にいる、サウジアラビアの駐日大使とも、知り合いになり、それで、一芝居打ったというわけだ…


 つまりは、透(とおる)の背後に、米倉平造が、いたわけだ…


 なにしろ、透(とおる)は、三十歳そこそこの若造…


 能力は、いざしらず、人脈がない…


 ビジネスを行うのに、大切なことは、人脈…


 要するに、ひととの繋がりだ…


 三十歳そこそこの透(とおる)には、それが、ない…


 当たり前のことだ…


 会社に入り、さまざまなひとと出会って、人脈を広げる…


 それが、ビジネスの基本だからだ…


 それが、若い透(とおる)には、できない…


 まあ、若いのだから、仕方がない…


 透(とおる)が、それを、父の良平にも、言わなかったのは、計画が漏れるのを、恐れたため…


 一人でも、多くのひとが、知るところとなれば、計画が漏れる可能性が高いから…


 それゆえ、父の良平にも、知らせなかった…


 当たり前だが、ひとの口に戸は立てられない…


 それになりより、


 「…これは、秘密だから、誰にも、言っちゃ、ダメ!…」


 と、言われる話ほど、誰もが、ひとに話したがる(爆笑)…


 「…ここだけの話だけれど…」


 と、言いながら、話したがる…


 誰もが、そういうものだからだ(笑)…


 それゆえ、透(とおる)は、平造の指示を受けて、駐日のサウジアラビア大使と組んで、一芝居打ったと、いうわけだ…


 そして、それが、わかると、透(とおる)の評判が、上がった…


 水野グループの次期後継者にふさわしいと、評価が上がった…


 そして、問題なのは、ここ…


 水野良平が、盟友の米倉平造に頭が上がらなくなったことだった…


 いや、


 頭が上がらないというのは、言い過ぎ…


 米倉平造に借りを作ったとでも、言えば、いいのだろうか?


 少なくとも、平造に、文句は言えなくなった…


 率直に言って、水野透(とおる)と、米倉好子の結婚と離婚は、二人の間にしこりが残った…


 互いの後継者同士が、結婚して、短期間で、離婚したのは、平造と良平の間にしこりが、残った…


 それは、米倉=大日産業と、水野との合併と、合併の解消以上に、しこりが、残った…


 会社の合併は、社風の違いや、事業の違いで、頓挫したが、結婚は、それ以上のしこりとなった…


 会社より、個人というか…


 お互いの、目に入れても痛くないほど、溺愛した後継者同士の結婚と離婚の方が、感情的なしこりが、大きいからだ…


 それが、今回の件で、解消された…


 が、


 ことは、そう単純ではない…


 平造も、良平も、善人ではない…


 善人=聖人君子ではない…


 それが、象徴されるのは、あの米沢京子…


 彼女の存在だ…


 私を忌み嫌った彼女の存在だ…


 彼女、米沢京子は、平造の主催する米倉報公会のメンバーだったが、同時に、水野良平にも、情報を流していた…


 私の情報を流していた…


 それが、わかったのは、偶然…


 実に、偶然だった…


 あの後、米倉正造が、わざわざ、私の元にやって来たのだ…


 会社帰りの私の元にやって来たのだ…


 私が、トボトボと歩く、M商会からの帰り道に、私を待ち構えていたのだ…


 私が、歩いていると、私に声をかけるでもなく、いきなり、ポンと背後から、私の肩を叩いた…


 私は、驚いた…


 実に、驚いた…


 声をかけられるのも、驚くが、それ以上に驚いた…


 路上を歩いていて、いきなり、誰かに肩を叩かれることなど、普通は、ないからだ…


 私が、驚いて、振り返ると、米倉正造の姿があった…


 「…しょ、正造さん…」


 私は、驚いた…


 文字通り、ビックリ仰天した…


 そして、それ以上に、ビックリ仰天したのは、隣に、米沢京子がいたことだった…


 私の天敵、米沢京子がいたことだった…


 米沢京子は、私をジッと見つめていた…


 この米沢京子は、さっきまで、私と同じオフィスにいた…


 M商会の営業所にいた…


 が、


 彼女は、私以上に、会社に馴染まない…


 いや、


 そもそも、会社に馴染もうとしていなかった…


 なぜだか、知らないが、馴染もうと、していなかったのだ…


 彼女は、私を見て、ニヤリと笑った…


 それから、米倉正造を見て、


 「…彼女が、正造さんのいいひと?…」


 と、からかうように、言った…


 しかも、


 しかも、だ…


 その言い方が、妙に、艶っぽいというか…


 甘えたような、言い方…


 まるで、水商売の女のような言い方だった…


 会社では、見たことも、聞いたこともない言い方だった…


 まるで、別人の言い方だった…


 正造は、なにも、言わなかった…


 ただ、笑っていた…


 米沢京子は、


 「…でも、悔しい…」


 と、続けた…


 「…正造さんに、そんなに気に入られるなんて…」


 とも、続けた…


 甘ったるい声で、続けた…


 しかし、正造は、なにも、言わなかった…


 ただ、黙って、微笑んでいた…


 一方、私はと、言えば、呆気に取られていた…


 ただただ、呆気に取られて、言葉もなかった…


 まさか、正造が、米沢京子と、いっしょに、私の前に現れるとは、夢にも、思ってなかったからだ…


 だから、呆気に取られて、言葉もなかった…


 ただ、唯一、言えたのは、


 「…アナタたち、知り合い…」


 と、言う言葉だけだった…


 いや、


 そうではない…


 そう、言ってから、この米沢京子は、米倉報公会出身…


 それゆえ、二人が、知り合いでも、おかしくはない…


 私が、驚いたのは、二人が、知り合いということではなく、二人が、親密な知り合いだと、いうことだった…


 それが、驚きだったのだ…


 そして、そして、だ…


 なにより、この米沢京子が、米倉正造と、いっしょにいるときは、会社での姿と別人というか…


 妙に、色っぽかった…


 妙になまめかしいとまでは、言わないが、色っぽかった…


 元々、この米沢京子は、色っぽい…


 この米沢京子は、私と真逆…


 私、高見ちづると真逆…


 なにが、真逆なのか?


 私は、自分で言うのも、なんだが、爽やか系…


 女優の常盤貴子さんを、一回り小柄にしたルックス…


 身長、155㎝足らずだからだ…


 それが、この米沢京子は、身長が、高く、165㎝を超える…


 おそらく、身長は、167㎝か、168㎝…


 だから、私とは、真逆…


 身長、155㎝と小柄な私とは、真逆だ…


 さらに、色っぽさ…


 何度も言うように、この米沢京子は、色っぽい…


 ちょうど、芸能人で言えば、飯島直子さんの若い頃のよう…


 なんとなく、色っぽいのだ…


 それゆえ、色っぽさのまるでない私とは、真逆…


 この点でも、真逆だった…


 しかも、


 しかも、だ…


 この米沢京子は、いつもにも、まして、色っぽかった…


 もちろん、着ている私服が派手ということもある…


 が、


 それだけではない…


 表情が、色っぽいのだ…


 これでは、まるで、お水…


 水商売の女だ…


 私は、思った…


 思ったのだ…


 と、同時に、気付いた…


 今、気付いた…


 この米沢京子は、お水出身?…


 ホステスやキャバクラ出身では、ないかと、気付いたのだ…


 そして、それならば、わかる…


 なにが、わかるのか?


 彼女、米沢京子が、会社の誰とも、親しくしなかった理由が、わかる…


 男女を問わず、会社の誰とも、親しくしなかった理由が、わかる…


 親しくするには、どうしても、自分のことを話さなければ、ならなくなる…


 相手のことも、聞くが、自分のことも、話さなければ、ならなくなる…


 おそらく、それが、困るのだろう…


 仮に、水商売をしていたとなると、それを話すわけには、いかない…


 うまく、前職をごまかす必要がある…


 どこかで、会社員をしていたと、ごまかす必要がある…


 それが、困るのだろう…


 だから、誰とも話さなかった…


 仕事以外の話を一切しなかった…


 それが、真相だろう…


 会社の誰とも、話さなかった真相だろう…


 それが、今、気付いた…


 遅まきながら、今、気付いた…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。