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恋かもしれない 恋愛偏差値ゼロ 第3部  作者: トモサン


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116/128

恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第3部 116

「…それじゃ、高見さん、頼んだわよ…」


「…ハイ…承知しました…」


私は、答え、電話を切った…


そして、呆然としたというか…


率直に、言って、愕然とした…


私は、あまりにも、自分の置かれた立場が、わからなすぎる…


そう、思った…


そう、気付いた…


今、電話をしていた好子さんも、そうだが、

水野良平も、偶然、知り合って、何度か、話したことで、いつのまにか、自分と、同等に、考えていた…


 自分と、同じレベルの人間だと、錯覚していた…


 それは、ありえない…


 彼らは、お金持ち…


 平凡な私とは、違う…


 平凡な高見ちづるとは、違う…


 そんな当たり前のことを、忘れていた…


 仲良くなりすぎて、忘れていた…


 これは、同じ…


 誰でも、同じだ…


 本来、自分の住む世界とは、違う世界に住む人間でも、仲良くなれば、つい、自分と同じ人間だと、錯覚してしまう…


 錯覚、あるいは、誤解してしまう…


 が、


 それは、あくまで、誤解…


 私が、この先、彼らと付き合って、一生過ごすわけはない…


 あくまで、偶然…


 偶然、知り合った…


 偶然、彼らの知己を得た…


 しかしながら、それは、あくまで、偶然の産物…


 いつまでも、続くわけはない…


 それを、忘れていた…


 肝に銘じるのを、忘れていた…


 そう、気付いた…


 だから、自分は、バカ…


 大バカだと、思った…


 そして、そんなことを、考えると、落ち込んだ…


 滅茶苦茶、落ち込んだ…


 33歳にもなって、こんなことも、わからないなんて…


 自分のバカさ加減に、落ち込んだ…


 自分のバカさ加減に、呆れて、落ち込んだ…


 が、


 いつまでも、落ち込んでは、いられない…


 まだ、食事も取っていない…


 風呂から、出て、自分の部屋で、好子さんに、電話をしただけだ…


 私の家は、一戸建て…


 私の部屋は、一戸建ての二階…


 だから、階下に降りて、食事を取った…


 幸い、鬼のように、怖い母は、食事を取り終えた後だったらしく、キッチンにいなかった…


 だから、これ幸いと、急いで、キッチンで、食事を取った…


 母に顔を会わせる前に、急いで、食事をとった…


 正直、母は苦手…


 子供の頃から、苦手だった(苦笑)…


 別段、性格が悪いわけではないが、苦手だった…


 もしかしたら、相性が、悪いのかも、しれない…


 母娘だから、相性が、悪いなんて、ないと、思うかも、しれないが、それは、違う…


 母娘でも、相性はある…


 他人同様、ある…


 私の場合は、相性うんぬんというよりも、母の存在が、怖い…


 怖いのだ…


 ずばり、母に逆らえないのだ(涙)…


 まるで、会社の上司と部下…


 そんな感じだ…


 一切、口答えが、できない…


 「…ちづる…どうして、そんなことを、したの?…」


 と、母に聞かれると、ブルって、答えられない…


 ただ


 「…」


 と、沈黙する…


 あるいは、答えられない…


 反論できない…


 そして、それは、どうしてか?


 考えたが、特に理由はない…


 威圧感というか…


 とにかく、逆らえないのだ…


 率直に言って、口調が、私などと、違う…


 口調が、半端なく、強い…


 さっきの電話で、好子さんが、


「…高見さんは、周囲から、頼られるのよ…」


と、言ったが、バカを言うのも、いい加減にして欲しい…


私と母の関係を見れば、とてもではないが、私が、周囲から、頼られるような人間では、ないことが、わかる…


なにしろ、母親に一切、頭が上がらないのだ…


「…ちづる、こうでしょ? それは、違うでしょ?…」


と、母に言われれば、もはや、なにも、言い返せない(涙)…


そんな私だ…


そんな高見ちづるだ…


そんな私の姿を見て、周囲から、頼られる人間なんて…


笑ってしまう…


自分でも、笑ってしまう…


バカも、休み休み、言えと、言いたくなってしまう…


まあ、しかし、そんなことは、どうでもいい(笑)…


とにかく、母が近くにいないのを、見て、私は、慌てて、キッチンで、食事を、取った…


慌てて、食事を取って、自分の部屋に戻るに限るからだ…


なぜ、私が、そんなに、慌てるのか?


それは、さっき、話していた、好子さんとの長電話…


アレが、母が、知らないわけは、ないからだ…


小さな、一軒家だ…


私が、好子さんと、長電話を、していたのが、わからないわけはない…


しかも、会社から帰って、お風呂場から、自分の部屋に直行した後…


お風呂から、上がったばかりで、そんなに長時間、長話をしているのなら、さっさと、ご飯を食べてから、しなさいと、母に、言われのが、オチだからだ(涙)…


なにしろ、母娘だ…


母が、なにを言うかは、わかっている…


それゆえ、今は、このキッチンにいないから、その間に、急いで、食事を終えるしかない…


母に顔を会わさず、急いで、食事を取って、二階の自分の部屋に戻るのが、一番だと、考えた…


だから、食事をさっさとして、自分の部屋に、戻ろうとした…


幸い、母は、キッチンに姿を見せなかった…


私は、自分の食事を終えた後に、食器を洗って、片づけた…


こうしておけば、母に叱られずに済むからだ…


私の天敵は、母…


いや、


天敵ではないかも、しれないが、事実上、天敵…


私のことを、思ってくれるから、言うのは、わかるが、それに、対して、私が、逆らえない(涙)…


だから、天敵…


天敵=苦手な相手だから…


そして、そんな天敵について、考えた…


あの水野良平の妻の春子と、五井の女帝、諏訪野和子は、天敵だと、言った…


天敵=決して、相容れない存在…


決して、許せない相手だ…


あの二人は、かつて、一人の男を取り合って、それ以来の犬猿の仲だと、聞いた…


そして、それは、財界でも、有名な話だと、言っていた…


しかし、それ以上に、それは、二人に一度、会えば、わかる…


私は、かつて、水野良平の奥様の春子とも、五井の女帝、諏訪野和子とも、会ったことがある…


一言で言えば、似た者同士…


似た者同士の性格の女傑…


一目見て、頼れる女というか…


堂々とした態度の女傑だった…


だから、互いに対立する…


そういうことだ…


真逆に、似た者同士だから、仲がいいのでは?


とも、考えられるが、似た者同士だからこそ、反発する場合もある…


水野春子と諏訪野和子の場合は、後者…


似た者同士ゆえに、反発する…


そういうことだ…


きっと、お互いが、お互いに、自分のことが、よくわかっているのだろう…


もちろん、相手のことも、よくわかっているのだろう…


要するに、女王様は、二人は、いらない…


そういうことだろう(笑)…


同じ会社にしろ、学校のクラスにしろ、同じ、個性の人間や、同じ立場の人間は、二人は、いらない…


あるいは、必要ないということだろう…


私は、思った…


私は、考えた…


だから、反発する…


あるいは、ぶっちゃけ、目障りに感じる…


そういうことだろう…


しかしながら、さっき、好子さんが、言った…


「…春子おばさまが、激怒している…」


と、言ったことが、気になった…


たしかに、それほど、対立する二人なら、今度の透(とおる)の、一件に、天敵の、諏訪野和子が、絡んでいたのが、わかったのなら、激怒するだろう…


いや、


激怒して、当たり前…


当たり前のことだ…


しかし、そんなことを、考えると、今さらながら、透(とおる)のバカさ加減が、わかる…


いわゆる、自分が、使われている…


あるいは、利用されていると、事実に、気付かなかったのだろうか?


これは、サッカーで言えば、オウンゴール…


オウンゴール=自殺点だ…


自分で、自分の首を絞めているようなもの…


自分で、水野の名前に恥をかかせたようなものだからだ…


水野が、サウジアラビア政府と、共同で、大きなプロジェクトをやる…


サウジアラビアの駐日大使と、透(とおる)が、共同で、記者会見をして、宣言しておきながら、実際は、やらない…


中止する…


水野の企業規模では、サウジアラビア政府と、共同で、大きなプロジェクトを推進する企業の実力が、決定的に不足しているからだ…


しかし、そんなことも、わからないなんて…


あまりにも、情けない…


あまりにも、愚か…


水野グループの次期後継者として、ありえない失態だ…


一体、なぜ、透(とおる)は、そんなことを、したのだろうか?


考えた…


たしかに、透(とおる)は、頼りない…


見るからに、威厳もなにもない…


が、


バカではない…


そんなことを、するほど、バカではない…


そう、思った…


しかし、それは、買い被り?


私の買い被り?


透(とおる)を、買い被り過ぎている?


透(とおる)を、高く、評価し過ぎているのだろうか?


私は、思った…


私は、考えた…


が、


いずれにしても、透(とおる)に会ってみる必要がある…


あるいは、直接、会わないまでも、連絡してみる必要がある…


連絡して、本当に、透(とおる)が、自分から、進んで、そんなバカなことを、したのか?


聞いてみる必要がある…


私は、思った…


私は、考えた…


そして、そんなことを、考えながら、これでは、まるで、私が、水野の関係者か、なにかのようだと、思った…


まるで、透(とおる)の姉のようだと、思った…


なぜなら、私の方が、透(とおる)より、年上だからだ…


だから、私が、透(とおる)の姉のようだと、思った…


が、


そこまで、考えて、これは、やはり、好子さんの役割だと、考えた…


透(とおる)の別れた妻である、好子さんの役割だと、気付いた…


透(とおる)と、好子さんは、結婚は、したものの、半年足らずで、離婚したから、現在は、赤の他人に違いないが、透(とおる)と、好子さん…いや、好子さんだけでなく、好子さんの兄の正造や、弟の新造さんとも、透(とおる)は、仲が良いといっていたからだ…


いまだに、連絡を取り合う仲の良い幼馴染だと、言っていたからだ…


それゆえ、私が、この立場で、透(とおる)に、連絡を取るのは、違う…


違うと、あらためて、思ったのだ…


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