4/9
五月十八日 午前九時二十分
失敗した。
その事実を知った時、私はしばらく言葉が出なかった。
叔父は生きていた。
それどころか元気そのものだった。
朝食会場で新聞を読んでいる。
私は思わず瀬川に聞いた。
「叔父さん、昨日は車で帰ったんですよね?」
「ええ」
「何もなかったんですか?」
「何がです?」
瀬川は怪訝そうな顔をした。
私はごまかした。
「いや……事故とか」
「事故?」
瀬川は首を傾げた。
「そういえば昨夜、整備工場の方が来ていましたな」
「整備工場?」
「ブレーキ系統に異常があるかもしれないという連絡があったそうで」
私は固まった。
「誰から?」
「さあ。匿名の電話だったとか」




