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十年後 午後三時四十分
叔父は毎月必ず面会に来る。
今日もそうだった。
果物を持って。
穏やかな笑顔で。
「調子はどうだ」
「変わりません」
「あの日のことは何か思い出すか?」
「いいえ、思い出せるのは工具を持つ自分の姿だけです」
「そうか」
叔父は私の様子を見て安心したのか、笑顔を私に向けてくれる。
私はあなたを殺そうとしたのですよ。
でも叔父は優しく笑っていた。
帰り際。
叔父が椅子から立ち上がる。
その時だった。
沈黙。
そして小さく笑った。
「もう終わった話だ」
それだけだった。
面会室の扉が閉まる。




