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五月二十日 午後九時十五分
「事故原因は断定されませんでした」
静香が初めて口を開いた。
「ですが先代様は気付いたのです」
私は顔を上げられない。
「あなたが車を触っていたことを」
「……」
「そして」
静香の声も震えていた。
「あなたが自分を責めていることを」
「……」
「だから先代様は隠した」
部屋が静まり返る。
「あなたを守るために」
私は笑った。
泣きながら。
壊れたように。
十年間。
叔父を憎んできた。
十年間。
復讐だけを支えに生きてきた。
だが。
その全てが。
今、崩れていく。




